不眠症の治療薬「ボルズィ錠」(一般名:ボルノレキサント水和物)の投薬期間制限が、2026年11月1日に解除されました。製造販売元の大正製薬と販売元のMeiji Seika ファルマが、医療関係者向けに案内しています。これまでは新医薬品として1回14日分までしか処方できませんでしたが、11月からはその上限がなくなります。
この記事では、案内の内容、新医薬品の「14日制限」の仕組み、中医協の資料からわかるボルズィ錠の基本情報と、薬局で確かめておきたいことをまとめます。
※2026年11月5日時点で、大正製薬・Meiji Seika ファルマの案内と中医協の資料をもとにしています。治療薬の選び方は処方医の判断です。最新の情報は電子添文とメーカーのお知らせで確かめてください。
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この記事の要点
- ボルズィ錠2.5mg・5mg・10mgの投薬期間制限が、2026年11月1日に解除された
- 2025年10月22日の薬価収載から1年あまり、新医薬品として1回14日分までの制限がかかっていた
- 効能・効果は不眠症。オレキシン受容体拮抗作用の薬で、通常は1日1回5mgを就寝直前に飲む
- 薬局は、処方日数のチェックの設定、在庫の量、長く処方されるようになった患者さんへの説明を見直す
案内の内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | ボルズィ錠2.5mg、ボルズィ錠5mg、ボルズィ錠10mg |
| 一般名 | ボルノレキサント水和物 |
| 分類 | オレキシン受容体拮抗薬(不眠症治療薬) |
| 投薬期間制限の解除日 | 2026年11月1日 |
| 規制区分 | 習慣性医薬品(注意―習慣性あり)、処方箋医薬品 |
| 製造販売元/販売元 | 大正製薬/Meiji Seika ファルマ |
案内には、システムで薬品名を入力するときは「BORUZULI」または「BORUZUXI」と入力できる、とも書かれています。「ズィ」の入力で迷ったときに使えます。
出典:大正製薬・Meiji Seika ファルマ「ボルズィ錠 投薬期間制限解除のお知らせ」(2026年9月作成)
新医薬品の「14日制限」とは
新医薬品は、発売して間もない時期は使われた経験が少ないため、薬価収載の日の属する月の翌月の初日から1年間は、原則として1回14日分までしか処方できません。こまめに受診してもらい、副作用などを確かめるための決まりです。ボルズィ錠の場合は、次のような流れでした。
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2025年8月25日 | 製造販売承認 |
| 2025年10月22日 | 薬価基準に収載 |
| 2025年11月1日 | 収載の翌月の初日。ここから1年間が14日制限の期間 |
| 2026年11月1日 | 投薬期間制限の解除 |
解除のあとは、新医薬品としての14日分の上限はなくなります。何日分を処方するかは、患者さんの状態を見たうえでの処方医の判断です。
中医協の資料からわかるボルズィ錠の基本
2025年10月15日の中医協総会に出された「新医薬品の薬価算定について」には、次のように書かれています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 効能・効果 | 不眠症 |
| 主な用法・用量 | 通常、成人にはボルノレキサントとして1日1回5mgを就寝直前に経口投与。症状により適宜増減するが、1日1回10mgを超えないこと |
| 薬価(収載時) | 2.5mg1錠 47.80円、5mg1錠 71.30円(1日薬価71.30円)、10mg1錠 106.40円 |
| 算定方式 | 類似薬効比較方式(Ⅱ)。過去6年間に収載された薬理作用類似薬の最低1日薬価(71.30円)をもとに算定、補正加算なし |
| 最類似薬 | ダリドレキサント塩酸塩(効能・効果、薬理作用=オレキシン受容体拮抗作用、剤形、用法が同じ) |
| 規格間の値段の比 | デエビゴ錠5mg・10mgの規格間比(0.5775)を使用 |
| ピーク時の予測 | 販売開始から8年度目に、投与患者数70.8万人、販売金額119億円(新薬収載希望者の予測) |
出典:中央社会保険医療協議会 総会(2025年10月15日)総-4-1「新医薬品一覧表(令和7年10月22日収載予定)」
薬価の決まり方や、2027年度の中間年改定の論点は、2027年度の薬価中間年改定の記事で解説しています。
薬局で確かめておきたいこと
- 処方日数のチェックの設定:レセコンや監査システムで、ボルズィ錠に「14日まで」の警告を設定していた場合は、11月1日以降の処方で誤って止まらないか確かめる
- 在庫の量:1回の処方日数が長くなると、1回あたりに必要な量が増える。採用している規格ごとに、発注点を見直す
- 長く処方されるようになった患者さんへの説明:受診の間隔が空くぶん、飲み方(就寝直前に飲む)や体調の変化を、渡すときに確かめる。気になる症状は電子添文の記載と照らして処方医に伝える
- 自己判断で量を変えないこと:習慣性医薬品として案内されている薬のため、量を増やしたり、急にやめたりする前に相談するよう伝える
保険調剤のルールの細かい解釈は、疑義解釈(その14)の調剤の2問のように、厚生労働省の事務連絡で示されることがあります。新しい通知が出たら、職場で誰が確かめて共有するのかも決めておきましょう。
新薬の情報を共有する仕組みは職場によって違う
投薬期間制限の解除や新しい規格の発売など、新薬の情報は毎月のように届きます。本部や薬剤部がまとめて流してくれるのか、各店舗の薬剤師がそれぞれ確かめるのかで、窓口の負担は大きく変わります。転職を考えるときは、次の点も聞いてみましょう。
| 確かめること | 聞き方の例 |
|---|---|
| 新薬・制度の情報共有 | 「新薬の発売や投薬期間制限の解除の情報は、どのように共有されますか」 |
| システムのチェック | 「処方日数や併用のチェックは、レセコンや監査システムで設定されていますか」 |
| 薬の勉強の時間 | 「新薬の勉強会や、メーカーの説明を聞く時間はありますか」 |
よくある質問
Q. ボルズィ錠は、いつから14日分を超えて処方できますか?
大正製薬とMeiji Seika ファルマの案内では、投薬期間制限の解除日は2026年11月1日です。この日から、新医薬品としての「1回14日分まで」の制限はなくなりました。何日分を処方するかは、処方医の判断です。
Q. ボルズィ錠はどんな薬ですか?
一般名はボルノレキサント水和物で、効能・効果は不眠症です。中医協の資料では、薬理作用はオレキシン受容体拮抗作用とされています。通常、成人には1日1回5mgを就寝直前に飲み、症状により増減しますが、1日1回10mgを超えないこととされています。
Q. 薬価はいくらですか?
2025年10月22日の薬価収載時の薬価は、2.5mg1錠47.80円、5mg1錠71.30円、10mg1錠106.40円です(中医協の資料)。その後の薬価改定で変わることがあるため、最新の薬価基準で確かめてください。
Q. なぜ新しい薬は14日分までなのですか?
新医薬品は、発売して間もない時期は使われた経験が少ないため、薬価収載の翌月の初日から1年間は、原則として1回14日分までしか処方できない決まりがあります。こまめに受診してもらい、副作用などを確かめるための仕組みです。
まとめ
- ボルズィ錠(ボルノレキサント水和物)の投薬期間制限は、2026年11月1日に解除された
- 2025年10月22日の薬価収載から、新医薬品として1回14日分までの制限がかかっていた
- 効能・効果は不眠症。通常は1日1回5mgを就寝直前に飲み、1日1回10mgを超えない
- 薬局は、処方日数のチェックの設定、在庫の量、長く処方されるようになった患者さんへの説明を見直す
ほかの薬の制度の動きは、ビラノアNの要指導医薬品の指定や、業界の動き全体をまとめた薬剤師業界ニュース解説まとめで紹介しています。情報共有の仕組みまで担当者に確かめてもらいながら職場を探したい場合は、ファルマスタッフとレバウェル薬剤師の比較や薬剤師転職エージェントの選び方と9社の比較も参考にしてください。
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