調剤報酬改定、薬機法改正、業界再編、賃上げ、人手不足。
業界のニュースは次々と流れてきますが、「で、現場はどうなるのか」まで書かれているものは多くありません。
このブログでは、そのつど現場の視点でニュースを読み解いてきました。テーマ別に、いま何が起きているのかを整理しています。
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ニュースの読み方:制度は全社に等しく降り、差は対応で出る
制度改定のニュースを読むとき、いちばん大事なのは「自分の会社が何をしたか」です。
調剤報酬改定も、薬機法改正も、義務化も、業界の全社に等しく降ってきます。差がつくのは、その後に人員配置を見直したのか、設備に投資したのか、それとも現場に吸収させたのか、という部分だけです。
「制度が変わっても現場は変わらない」という感覚は、多くの場合は正確です。ただそれは制度の問題ではなく、あなたと制度のあいだにいる会社の問題であることが少なくありません。
ニュースを追う意味は、その差を見極める材料にすることにあります。
調剤報酬改定・制度の動き
2026年6月1日に令和8年度の調剤報酬改定が施行されました。方向性は明確で、対人業務を重視し、立地に依存した運営を見直し、在宅医療や多職種連携で地域を支える薬局を評価する内容です。
調剤管理料は大幅に見直され、かかりつけ薬剤師も「なること」より「何を行うか」を評価する仕組みへ移りつつあります。門前という立地に支えられてきた薬局にとっては、静かですが決定的な転換です。
制度は今後も同じ方向に進むと考えるのが自然です。方向が分かっているのに動けない会社は、次の改定でも同じ位置にいます。
詳しくはこちらの記事にまとめています。
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薬機法・販売制度
2026年5月1日、改正薬機法の販売制度に関する規定が施行されました。濫用のおそれのある成分が「指定濫用防止医薬品」として整理され、確認・説明・陳列・手順書の対応が求められています。
同時に、要指導医薬品については薬剤師がビデオ通話等で情報提供・指導を行った場合に限り、オンライン販売が可能になりました。「店舗で対面」という前提が一部崩れたことになります。
さらに2026年7月8日には、厚生労働省が調剤応需義務の解釈を整理し、カスハラや悪意のある未払いを理由に調剤を拒否できる事例を示しました。
詳しくはこちらの記事にまとめています。
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賃上げ・物価・お金の動き
世の中は賃上げが続いています。2026年度の最低賃金の目安は全国加重平均1,176円で前年度から55円の引き上げ。初任給を引き上げた企業は調査開始以来最高の水準です。
その一方で、令和7年賃金構造基本統計調査によると2025年の薬剤師の平均年収は566万7,900円。前年の599万3,200円から下がっています。
調剤ベースアップ評価料のように、賃上げのための原資が制度として用意されたものもあります。ただ、それが実際に給与へ反映されるかは会社の運用次第です。
詳しくはこちらの記事にまとめています。
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業界再編・経営の動き
2026年上半期の医療機関の倒産は39件で、上半期として過去最多でした。うち診療所が19件と、過去20年で最も多くなっています。要因では後継者難が最多です。
門前薬局にとって、処方元の医療機関が閉じることは死活問題です。しかも後継者難による閉院は、経営が順調でも起こります。
薬局側でも、改定への対応が単独では難しくなり、大手グループとの提携を選ぶケースが目立っています。
詳しくはこちらの記事にまとめています。
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働き方・現場の変化
労働施策総合推進法などの改正により、カスタマーハラスメント対策が2026年10月から事業者の義務になります。薬局も対象です。方針の明確化と周知、相談体制の整備、事案発生時の適切な対応が求められます。
また、従業員50人未満の事業場へのストレスチェック義務化が2028年4月1日から施行されます。これまで数名の薬局は対象外でしたが、今後は年1回の実施が必要になります。
制度ができることと、現場が守られることは別です。決めるのは、その結果を会社がどう扱うかです。
詳しくはこちらの記事にまとめています。
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AI・DX・テクノロジー
薬歴作成の時間を大幅に短縮するAIツールが実用化され、大手チェーンでの導入も進んでいます。対物業務にかかる時間は今後も減っていく方向です。
電子処方箋については、薬局の導入率が2025年8月時点で84.6%に達している一方、医科診療所は2026年2月時点で24.9%。受け取る側だけが先に投資を終えている状態が続いています。
効率化で空いた時間を、対人業務に振り向けるのか、処理量を増やすのか。同じ効率化でも、働く人にとっての意味はまったく違います。
詳しくはこちらの記事にまとめています。
ニュースそのものより、それを受けて職場が何をしたか
制度は今後も変わり続けます。そのたびに、対応できる会社と現場に吸収させる会社の差は開いていきます。
この1年で、あなたの職場では何か始まったでしょうか。何も始まっていないなら、次の改定でも、おそらく何も始まりません。
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