2026年10月28日、厚生労働省は2026年度の診療報酬改定について「疑義解釈資料の送付について(その14)」を出しました。調剤報酬の問いは2つです。ひとつは、かかりつけ薬剤師の施設基準の「地域活動」を学校薬剤師の委嘱状で示せること。もうひとつは、バイオ後続品の説明で算定する特定薬剤管理指導加算3のロの扱いです。
この記事では、2つの問いと回答の内容を、もとになった通知の条文とあわせて整理します。
※2026年11月2日時点の厚生労働省の事務連絡・通知の内容をもとにしています。算定や届出の最終的な判断は、管轄の地方厚生(支)局に確かめてください。点数はこの記事では扱っていません。
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この記事の要点
- 疑義解釈(その14)は令和8年10月28日付。調剤報酬の問いは2つ(前回のその13〈9月25日〉には調剤の問いはなかった)
- かかりつけ薬剤師の施設基準の「医療に係る地域活動の取組に参画」は、学校薬剤師の委嘱状の写し等(届出時から過去1年以内に発行)で示せる。この場合、事業の概要の文書は要らない
- 特定薬剤管理指導加算3のロ(バイオ後続品の説明)は、バイオ後続品の薬価が先行品より高い・同額でも算定してよい
- かかりつけ薬剤師を目指す人にとって、学校薬剤師の業務は「地域活動」の要件を示す方法のひとつとしてはっきりした
問1:学校薬剤師の委嘱状で「地域活動」の要件を示せる
もとの要件
かかりつけ薬剤師として指導を行う保険薬剤師には、施設基準の通知(保医発0305第8号)の第97の2で、次の要件が定められています。そのひとつが「(3) 医療に係る地域活動の取組に参画していること」です。
| 要件 | 通知の内容(第97の2の1) |
|---|---|
| 勤務経験 | 届出の時点で、保険薬剤師として3年以上の保険薬局の勤務経験(病院・診療所の薬剤師の経験は1年を上限に含められる) |
| 勤務時間 | その薬局に週31時間以上(育児・介護休業法による短時間勤務の場合は、週24時間以上かつ週4日以上) |
| 在籍期間 | 届出の時点で、その薬局に継続して6か月以上在籍 |
| 研修認定 | 薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得 |
| 地域活動 | 医療に係る地域活動の取組に参画していること |
疑義解釈の問いと回答
問いは「委嘱を受けて学校薬剤師の業務を行っている場合、届出の際に具体的にどのような文書を添付すればよいか」というものです。回答の要旨は次のとおりです。
- 教育委員会または学校長等が、その保険薬局に所属する保険薬剤師に対して発行した委嘱状の写し等、学校薬剤師として従事していることが分かる書類を添付する
- 書類は届出時から過去1年間以内に発行されたものに限る
- 学校薬剤師の職務の内容は学校保健安全法と関係法令で定められているため、委嘱状の写し等を添付した場合は、地域活動の取組に係る事業の概要等に関する文書の添付は要らない
出典:厚生労働省保険局医療課「疑義解釈資料の送付について(その14)」(令和8年10月28日事務連絡)別添3 問1、特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(保医発0305第8号)第97の2
薬局で確かめておきたいこと
- かかりつけ薬剤師として届け出る薬剤師が学校薬剤師を務めている場合、委嘱状の発行日が届出時から1年以内か
- 委嘱状が、その薬局に所属する保険薬剤師あてに出ているか
- 学校薬剤師以外の地域活動で届け出る場合は、これまでどおり事業の概要等の書類が要るか(管轄の地方厚生(支)局に確認)
かかりつけ薬剤師の施設基準では、薬局の側の在籍の要件(平均在籍1年以上、または管理薬剤師の在籍3年以上)の経過措置が2026年11月30日で終わります。くわしくはかかりつけ薬剤師の施設基準、在籍要件の経過措置は11月30日までで解説しています。短時間勤務の薬剤師の扱い(疑義解釈その12)は時短勤務の薬剤師とかかりつけの施設基準にまとめました。
問2:バイオ後続品の薬価が先行品より高くても、特定薬剤管理指導加算3のロは算定できる
もとの要件
特定薬剤管理指導加算3は、処方された医薬品について保険薬剤師が重点的な服薬指導が必要と認め、必要な説明・指導を行ったときに、患者1人につき、その医薬品が最初に処方された1回に限り算定するものです(調剤の留意事項 区分10の3 服薬管理指導料の8)。
このうち「ロ」の「調剤前に医薬品の選択に係る情報が特に必要な患者に説明及び指導を行った場合」は、次のいずれかの場合とされています。
| ロに当たる場合(留意事項 8(3)) |
|---|
| 後発医薬品がある先発医薬品が一般名処方・銘柄名処方されていて、選定療養の対象となる先発医薬品を選ぼうとする患者に説明を行った場合 |
| 供給が安定せず、前回と同じ銘柄の必要な数量が確保できないため、別の銘柄に変えて調剤した薬剤の交付が必要な患者に説明を行った場合 |
| バイオ医薬品の一般名処方、またはバイオ後続品の銘柄名処方の処方箋を受けた患者に、バイオ後続品の品質、有効性、安全性等について説明を行った場合 |
疑義解釈の問いと回答
問いは「バイオ後続品の薬価が、先行バイオ医薬品の薬価より高い又は同額である場合であっても、バイオ後続品の品質、有効性、安全性等について患者に説明を行った場合は、特定薬剤管理指導加算3のロを算定して差し支えないか」というものです。
回答:差し支えない。
出典:疑義解釈資料の送付について(その14)別添3 問2、診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(調剤)区分10の3 8
あわせて確かめておきたい留意事項
- 対象の医薬品が複数処方されている場合は、処方箋の受付1回につき、それぞれ1回に限り算定する。複数の項目に当たる場合でも、重複して算定できない(8(4))
- 薬剤服用歴等には、対象となる医薬品が分かるように記載する(8(6))
転職・職場選びを考える薬剤師への影響
今回の問1で、学校薬剤師の業務は、かかりつけ薬剤師の「地域活動」の要件を示す方法のひとつとしてはっきりしました。かかりつけ薬剤師を目指す人にとっては、職場の地域活動への取り組みも確かめておきたい点です。
| 確かめること | 聞き方の例 |
|---|---|
| かかりつけの届出 | 「服薬管理指導料の注1(かかりつけ薬剤師)の届出はしていますか」 |
| 学校薬剤師 | 「この薬局の薬剤師で、学校薬剤師を務めている方はいますか」 |
| 地域活動 | 「地域の活動には、どのような形で参加していますか」 |
| 研修認定 | 「研修認定の取得は、どのように支援してもらえますか」 |
見学の申し込み方は薬局見学の申し込み方、業界の動きは薬剤師業界ニュース解説まとめで紹介しています。
よくある質問
Q. 疑義解釈(その14)はいつ出ましたか?
令和8年(2026年)10月28日付の厚生労働省保険局医療課の事務連絡です。医科2問・歯科2問・調剤2問が含まれています。厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定について」のページに掲載されています。
Q. 学校薬剤師の委嘱状は、いつ発行されたものでもよいですか?
回答では「届出時から過去1年間以内に発行されたものに限る」とされています。教育委員会や学校長等が、その保険薬局に所属する保険薬剤師に対して発行した委嘱状の写し等、学校薬剤師として従事していることが分かる書類です。
Q. 委嘱状の写しを添付すれば、ほかの書類は要りませんか?
回答では、委嘱状の写し等を添付した場合は「地域活動の取組に係る事業の概要等に関する文書の添付を要しない」とされています。施設基準のほかの要件(勤務経験、週31時間以上の勤務、在籍6か月以上、研修認定など)は別に満たす必要があります。
Q. バイオ後続品の薬価が先行品より高い場合でも、特定薬剤管理指導加算3のロは算定できますか?
回答は「差し支えない」です。バイオ医薬品の一般名処方、またはバイオ後続品の銘柄名処方の処方箋を受けた患者に、バイオ後続品の品質、有効性、安全性等を説明した場合が対象です。
まとめ
- 疑義解釈(その14)(令和8年10月28日)の調剤の問いは2つ
- かかりつけ薬剤師の「地域活動」の要件は、学校薬剤師の委嘱状の写し等(届出時から過去1年以内の発行)で示せる。事業の概要の文書は不要
- 特定薬剤管理指導加算3のロは、バイオ後続品の薬価が先行品より高い・同額でも、説明を行えば算定してよい
- 届出や算定の最終的な判断は、管轄の地方厚生(支)局に確かめる
かかりつけの届出や地域活動への取り組みまで、担当者に確かめてもらいながら職場を探したい場合は、ファルマスタッフとレバウェル薬剤師の比較も参考にしてください。疑義解釈の一覧は厚生労働省の令和8年度診療報酬改定についてに掲載されています。
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