経済産業省が2026年10月30日に公表した「商業動態統計」の速報によると、2026年9月のドラッグストアの調剤医薬品の販売額は898億円で、前の年の同じ月より9.1%増えました。一方、OTC医薬品(市販薬)は796億円で2.0%減りました。
この記事では、経産省の表の数字をもとに、ドラッグストアの調剤がどれくらい伸びているかと、数字を読むときの注意、調剤併設のドラッグストアで働くときに確かめておきたいことをまとめます。
※数字はすべて経済産業省「商業動態統計速報 2026年9月分」の数値表(第15表 ドラッグストア商品別販売額など)から引用・計算しています。速報値のため、確報で変わることがあります。
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この記事の要点
- 2026年9月のドラッグストアの調剤医薬品は898億円(前年同月比9.1%増)。OTC医薬品は796億円(2.0%減)
- ドラッグストア全体の販売額は7,837億円(2.7%増)。調剤の割合は約11.5%で、1年前(約10.8%)より大きくなった
- 2025年度(2025年4月〜2026年3月)の調剤医薬品は1兆65億円(12.6%増)で、OTC医薬品(1兆371億円)とほぼ同じ規模
- 販売額は金額なので、処方箋の枚数の伸びとは同じではない。店舗数も3.1%増えている
- 調剤併設の店で働くなら、処方箋の枚数と人数、調剤以外の仕事の範囲を応募前に確かめる
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2026年9月のドラッグストアの販売額
| 商品の種類 | 販売額 | 前年同月比 |
|---|---|---|
| ドラッグストア全体 | 7,837億円 | 2.7%増 |
| 調剤医薬品 | 898億円 | 9.1%増 |
| OTC医薬品 | 796億円 | 2.0%減 |
| ビューティケア(化粧品・小物) | 991億円 | 1.0%増 |
| 食品 | 2,692億円 | 2.5%増 |
| 店舗数 | 2万847店 | 3.1%増 |
出典:経済産業省「商業動態統計速報 2026年9月分」(2026年10月30日公表)
ドラッグストア全体の伸びは2.7%にとどまるなかで、調剤医薬品は9.1%と、商品の種類のなかで最も大きく伸びました。OTC医薬品は減っており、9月は調剤がOTCを約100億円上回っています。
調剤は毎月伸びている
2026年に入ってからの調剤医薬品の伸び(前年同月比)は次のとおりです。9か月すべてで前の年を上回り、5月を除くと毎月9%以上の伸びでした。
| 月 | 調剤医薬品 | 前年同月比 | OTC医薬品 | 前年同月比 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年1月 | 842億円 | 10.7%増 | 832億円 | 8.1%減 |
| 2月 | 841億円 | 13.7%増 | 827億円 | 5.7%増 |
| 3月 | 940億円 | 12.1%増 | 958億円 | 0.0% |
| 4月 | 895億円 | 10.9%増 | 843億円 | 1.4%増 |
| 5月 | 830億円 | 6.6%増 | 876億円 | 3.3%増 |
| 6月 | 881億円 | 11.7%増 | 814億円 | 4.1%減 |
| 7月 | 918億円 | 10.1%増 | 868億円 | 0.2%増 |
| 8月 | 869億円 | 9.0%増 | 845億円 | 3.4%減 |
| 9月 | 898億円 | 9.1%増 | 796億円 | 2.0%減 |
1〜9月のうち7か月で、調剤の販売額がOTCを上回りました。年度で見ると、2025年度の調剤医薬品は1兆65億円(12.6%増)で、2024年度の8,938億円から1年で1,100億円あまり増えています。同じ2025年度のOTC医薬品は1兆371億円(0.2%減)で、調剤とOTCがほぼ同じ規模になりました。
1年前の数字は2025年8月のドラッグストア調剤販売額の解説で紹介しています。
数字を読むときの注意
販売額は「金額」で、処方箋の枚数ではない
商業動態統計の調剤医薬品は販売額です。処方箋の枚数が増えなくても、1枚あたりの金額が上がれば販売額は増えます。高い薬の処方が増えたのか、枚数が増えたのかは、この統計からは分かりません。
店舗数も増えている
2026年9月の店舗数は2万847店で、1年前より3.1%増えました。調剤の販売額の伸び(9.1%)には、店舗が増えた分も含まれています。また、この統計の店舗数はドラッグストア全体の数で、調剤を行う店だけの数ではありません。
速報値である
毎月の速報は、あとの確報で数字が直されることがあります。数字を引用するときは、公表日と速報か確報かを添えておくと確かです。
ドラッグストアの販売額とは集計の範囲が異なりますが、全国の薬局の調剤医療費と処方箋枚数を整理した記事では、薬剤料と技術料の内訳も確認できます。
ドラッグストアで調剤をする薬剤師が確かめておきたいこと
調剤の販売額が伸びているということは、ドラッグストアの事業のなかで調剤の比重が大きくなっているということです。ただ、調剤併設の店で働くときの忙しさや仕事の範囲は、会社よりも店舗ごとの違いが大きいところです。応募や異動の前に、次の点を確かめておくと安心です。
| 確かめること | 聞き方の例 |
|---|---|
| 処方箋の枚数と薬剤師の人数 | 「1日の処方箋は何枚くらいで、薬剤師は何人で受けていますか。1人になる時間帯はありますか」 |
| 調剤以外の仕事 | 「レジや品出し、売り場の担当は薬剤師も受け持ちますか」 |
| OTCの相談 | 「市販薬の相談は、薬剤師と登録販売者でどう分けていますか」 |
| 異動の範囲 | 「異動はどの範囲で、どれくらいの間隔でありますか」 |
処方箋の枚数と人数の決まりは薬局の忙しさは処方箋枚数と薬剤師数で分かる?で、調剤併設のドラッグストアで働く良い点は薬剤師が調剤併設ドラッグストアに転職するメリット6選で解説しています。会社ごとの情報は、ウエルシアの薬剤師の年収と働き方、ダイコクドラッグの薬剤師の時給・年収、業界の再編はツルハ×ウエルシア統合と薬剤師への影響もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. この数字はどこから出ていますか?
経済産業省が毎月公表している「商業動態統計」の速報です。2026年9月分は2026年10月30日に公表されました。ドラッグストアについては、商品の種類ごとの販売額(調剤医薬品、OTC医薬品、化粧品、食品など)と店舗数が載っています。速報値なので、のちの確報で数字が変わることがあります。
Q. 調剤の販売額が増えたのは、処方箋が増えたからですか?
この統計は販売額(金額)なので、処方箋の枚数が増えたかどうかは分かりません。1枚あたりの金額(高い薬の割合や薬価の改定など)が変わっても販売額は変わります。店舗数も1年で3.1%増えており、伸びの一部は店が増えた分です。
Q. ドラッグストアで調剤をする薬剤師は、何を確かめて職場を選べばよいですか?
1日の処方箋の枚数と薬剤師の人数、レジや品出しなど調剤以外の仕事の範囲、OTCの相談をどれくらい受けるか、異動の範囲の4つは、求人票だけでは分かりにくい点です。面接や見学で聞くか、転職エージェントの担当者に確かめてもらうとよいでしょう。
まとめ
- 2026年9月のドラッグストアの調剤医薬品は898億円(9.1%増)、OTC医薬品は796億円(2.0%減)
- 2026年は1〜9月のすべての月で調剤が前年を上回り、2025年度は1兆65億円とOTCとほぼ同じ規模になった
- 販売額は金額で、処方箋の枚数とは同じではない。店舗数も3.1%増えている
- 調剤併設の店で働くなら、処方箋の枚数と人数、調剤以外の仕事、異動の範囲を応募前に確かめる
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