厚生労働省は2026年10月27日、使用上の注意の改訂を指示し、帯状疱疹などの治療薬「アメナリーフ錠200mg」(一般名:アメナメビル)の重大な副作用に「アナフィラキシー」を追加しました。PMDAの調査では、国内でアナフィラキシー関連の症例が12例集まり、うち4例は薬との因果関係が否定できないと評価されています。
この記事では、改訂の内容と理由、同じ日に改訂された薬、薬局で確かめておきたいことをまとめます。
※2026年11月2日時点のPMDAの公表資料をもとにしています。治療の判断は処方医が行います。
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この記事の要点
- アメナリーフ錠200mgの「重大な副作用」に「アナフィラキシー」が追加(2026年10月27日 改訂指示)
- 国内のアナフィラキシー関連症例は12例、うち因果関係が否定できない症例は4例、死亡は0例
- アメナリーフの効能・効果は「帯状疱疹」と「再発性の単純疱疹」
- 同じ日に、レクビオ(過敏症)、イブリーフ(TEN・SJS)、プロトピック軟膏の改訂も指示された
- 薬局は、服薬指導でアナフィラキシーの初期症状と、出たときの連絡先を伝える
アメナリーフの改訂の内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 一般名 | アメナメビル |
| 販売名(承認取得者) | アメナリーフ錠200mg(マルホ株式会社) |
| 販売開始 | 2017年9月 |
| 効能・効果 | 帯状疱疹/再発性の単純疱疹 |
| 改訂の箇所 | 「11. 副作用」の「11.1 重大な副作用」 |
| 追加された内容 | アナフィラキシー(新設) |
出典:厚生労働省 医薬安発1027第1号(通知本文)、PMDA「アメナメビルの改訂内容」「アメナメビルの「使用上の注意」の改訂について」(2026年10月27日)、PMDA 使用上の注意の改訂指示通知(2026年度指示分)
改訂の理由と、集まった症例
PMDAの報告書では、アナフィラキシー関連の症例を評価した結果、「本剤とアナフィラキシーとの因果関係が否定できない症例が集積した」ため、使用上の注意を改訂するのが適切と判断したとしています。
| 国内のアナフィラキシー関連症例の集積状況 | 件数 |
|---|---|
| 症例数 | 12例 |
| うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例 | 4例 |
| 死亡 | 0例 |
※症例は、PMDAの副作用等報告データベースに登録されたもの。報告書の「参考」欄の数字です。
同じ日(10月27日)に改訂が指示された薬
| 一般名(販売名) | 分類 | 追加された重大な副作用など | 報告書の症例の集積状況 |
|---|---|---|---|
| アメナメビル(アメナリーフ錠200mg) | 抗ウイルス剤 | アナフィラキシー | 国内12例(因果関係が否定できない4例)、死亡0例 |
| インクリシランナトリウム(レクビオ皮下注300mgシリンジ) | 高脂血症用剤 | 過敏症(アナフィラキシー、血管性浮腫、蕁麻疹等) | 国内2例(同0例)、海外28例(同16例)、死亡0例 |
| イブプロフェン L-リシン(イブリーフ静注20mg) | その他の循環器官用薬(未熟児動脈管開存症) | 中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(SJS) | 因果関係が否定できない症例の集積はなし。ほかのイブプロフェン製剤の添付文書で注意喚起されていることから改訂 |
| タクロリムス水和物(軟膏剤) | 外用剤 | 小児用の使用年齢の改訂(解説記事) | ― |
出典:PMDA「インクリシランナトリウムの「使用上の注意」の改訂について」「イブプロフェン L-リシンの「使用上の注意」の改訂について」(2026年10月27日)
このうち、保険薬局で扱うことが多いのは内服薬のアメナリーフです。レクビオは医療機関で注射する薬、イブリーフは新生児に使う注射薬です。
薬局で確かめておきたいこと
服薬指導で伝えること
- 飲んだあとに、じんましん、息苦しさ、顔や唇の腫れ、気分が悪くなるなどの症状が出たら、すぐに受診すること
- 症状が出たときの連絡先(処方した医療機関、薬局)
- 過去に薬でアレルギーが出たことがあるかを、交付の前に確かめる
薬局の中で共有すること
- 添付文書の改訂を、薬局内の薬剤師全員に共有する(朝礼・掲示・システムのお知らせなど)
- 薬歴の指導の項目に、アナフィラキシーの初期症状の説明を加えるか検討する
- メーカーから届く「使用上の注意改訂のお知らせ」と、PMDAの医薬品安全対策情報(DSU)で、改訂の文面を確かめる
患者さんへの説明の例
「このお薬の説明書に、まれに強いアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こることがあると書き加えられました。飲んだあとに、じんましんや息苦しさ、顔や唇の腫れが出たら、すぐに受診してください。自己判断で飲むのをやめる必要はありませんが、気になることがあればいつでもご相談ください。」
添付文書の改訂を追いかける職場の体制
使用上の注意の改訂はほぼ毎月指示されます。改訂のたびに内容を確かめ、薬局内で共有し、服薬指導に反映させるには、情報を集める担当や、勉強会の時間があるかどうかで負担が変わります。転職や異動を考えるときは、次の点も確かめておくと安心です。
| 確かめること | 聞き方の例 |
|---|---|
| 安全性情報の共有 | 「添付文書の改訂やDSUの情報は、本部や薬局内でどのように共有していますか」 |
| 勉強会・研修の時間 | 「勤務時間内に、勉強会や情報共有の時間はありますか」 |
| 副作用が疑われたときの流れ | 「副作用が疑われたとき、処方医への連絡や報告はどのように進めていますか」 |
職場の体制は、見学で確かめるのがいちばんです。見学の申し込み方は薬局見学の申し込み方で紹介しています。同じ日のプロトピック軟膏の改訂はプロトピック軟膏0.03%小児用の改訂、最近の販売中止の動きはインスリン7製品の販売中止、業界の動きは薬剤師業界ニュース解説まとめで解説しています。
よくある質問
Q. アメナリーフの添付文書は、何が変わったのですか?
「11. 副作用」の「11.1 重大な副作用」の項に「アナフィラキシー」が新しく加わりました。2026年10月27日に厚生労働省が改訂を指示したものです。
Q. なぜ改訂されたのですか?
PMDAが国内のアナフィラキシー関連の症例を評価した結果、アメナリーフとの因果関係が否定できない症例が集まったためです。報告書では、国内の症例は12例(うち因果関係が否定できない症例4例)、死亡は0例とされています。
Q. いまアメナリーフを飲んでいる人は、やめたほうがいいですか?
自己判断でやめないでください。改訂は「起こりうる重大な副作用」として注意を促すものです。飲んだあとに、じんましん、息苦しさ、顔や唇の腫れなどが出たときは、すぐに受診し、医師や薬剤師に伝えてください。
Q. 同じ日にほかに改訂された薬はありますか?
同じ10月27日の指示では、インクリシラン(レクビオ皮下注)に「過敏症」、イブプロフェン L-リシン(イブリーフ静注)に「中毒性表皮壊死融解症」「皮膚粘膜眼症候群」、タクロリムス軟膏(プロトピック軟膏)の小児用の改訂が含まれています。
まとめ
- アメナリーフ錠200mg(アメナメビル)の重大な副作用に「アナフィラキシー」が追加された(2026年10月27日 改訂指示)
- 国内の関連症例は12例、うち因果関係が否定できない症例は4例、死亡は0例
- 同じ日に、レクビオ(過敏症)、イブリーフ(TEN・SJS)、プロトピック軟膏の改訂も指示された
- 薬局は、服薬指導でアナフィラキシーの初期症状と連絡先を伝え、薬局内で改訂を共有する
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