退職日を決めるとき、「月末に辞めたほうが得」「月末の前日に辞めたほうが手取りが多い」といった話を聞くことがあります。どちらが正しいかは、次の職場にいつ入るかによって変わります。
この記事では、退職日によって社会保険料がどう変わるのかを、日本年金機構の案内をもとに整理し、退職日を決めるときの考え方をまとめます。
この記事の要点
💊 薬剤師転職をお考えなら
- 会社の健康保険と厚生年金は、退職日の翌日に資格がなくなる
- 保険料は、資格がなくなった日が属する月の前月分までかかる
- 月末に退職すると、退職した月の分まで会社の保険料がかかる。最後の給与から2か月分が引かれることがある
- 月の途中で辞めて間が空くと、その月は国民健康保険・国民年金の手続きと保険料が必要になる
保険料の基本のルール
厚生年金は、退職した日の翌日に資格がなくなり、保険料は、資格がなくなった日が属する月の前月分まで納めます。月の末日に退職した場合は、翌月1日が資格がなくなる日になるので、退職した月の分まで納めることになります(日本年金機構「月の途中で入社したときや、退職したときは、厚生年金保険の保険料はどのようになりますか」)。会社の健康保険も、同じ考え方で保険料がかかります。
| 退職日 | 資格がなくなる日 | 会社の保険料がかかる月 |
|---|---|---|
| 10月31日(月末) | 11月1日 | 10月分まで |
| 10月30日(月末の前日) | 10月31日 | 9月分まで(10月分は会社の保険料がかからない) |
最後の給与から引かれる保険料
月末に退職した場合は、退職した月の前月分と退職した月の分の2か月分の保険料を、退職した月の給与から引くことができます。月の途中で退職した場合は、前月分のみです(日本年金機構「退職した従業員の保険料の徴収」)。月末に退職すると、最後の給与の手取りが少なく見えることがあるのはこのためです。
月末の前日に辞めると得なのか
月末の前日に辞めると、その月の会社の保険料はかかりません。ただし、次の職場にすぐ入らない場合は、その月から国民健康保険と国民年金(20歳以上60歳未満の場合)に加入し、自分で保険料を払うことになります。家族の健康保険の扶養に入る場合や、会社員などの配偶者の扶養に入る場合(国民年金の第3号)は、扱いが変わります。
| 次の職場に入る時期 | 考え方 |
|---|---|
| 退職日の翌日に入社 | 入社先で健康保険・厚生年金に加入する場合は、切れ目なく加入する。どの日に辞めても、自分での切り替えは基本的に不要 |
| 翌月以降に入社 | 月末の前日に辞めると、その月から国民健康保険・国民年金の手続きと保険料が必要になる。月末に辞めると、退職した月までは会社の保険でカバーされる |
つまり、「月末の前日に辞めるほうが得」とは一概には言えません。会社の保険料は会社と半分ずつの負担ですが、国民健康保険や国民年金は全額自分で払います。また、厚生年金に加入している月は、将来の厚生年金の計算にも関わります。
退職日を決めるときの考え方
- まず、次の職場の入社日を決める
- 入社日の前日を退職日にできるか、就業規則と引き継ぎから確認する
- 間が空く場合は、退職日を月末にするか、月の途中にするかで、保険の手続きと負担がどう変わるかを比べる
入社日の決め方は入社日の決め方、間が空くときの健康保険と年金の選び方は空白期間の健康保険・年金で解説しています。
そのほかに確認しておきたいこと
- 賞与:月末退職を除き、退職した月に支給される賞与からは保険料が引かれない扱いがある。支給日と在籍の条件を確認する
- 有給休暇:最終出勤日のあとに有給休暇を使う場合は、それも含めた日が退職日になる
- 住民税:退職の時期によって、残りの分の払い方が変わる
よくある質問
Q. 月末に辞めると損ですか?
一概には言えません。退職した月の分まで会社の保険でカバーされます。次の職場にすぐ入らない場合は、月末の前日に辞めると、その月の国民健康保険・国民年金を自分で払うことになります。
Q. 最後の給与の手取りが少ないのはなぜですか?
月末に退職した場合、前月分と退職した月の分の2か月分の保険料が、最後の給与から引かれることがあるためです。
Q. 退職日の翌日に入社する場合も、月末を気にする必要はありますか?
入社先で健康保険・厚生年金に加入する場合は、切れ目なく加入するので、保険の手続きの面では大きな違いはありません。最後の給与から引かれる保険料の月数が変わることはあります。
まとめ
- 保険料は、資格がなくなった日(退職日の翌日)が属する月の前月分までかかる
- 月末に退職すると、退職した月の分まで会社の保険料がかかる
- 月末の前日に辞めて間が空くと、その月は国民健康保険・国民年金が必要になる
- まず入社日を決め、退職日との組み合わせで比べる
退職から入社までの日程を担当者と相談しながら決めたい場合は、ファルマスタッフとレバウェル薬剤師の比較も参考にしてください。



コメント