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「転職するなら、いつ動くのがいいんだろう」。春がいい、秋がいいといった話はよく聞きますが、求人の数は地域や年によって変わり、一律に「この月が正解」とは言えません。
実際に損をしやすいのは、季節よりも、ボーナス・退職の申し出・有給休暇・住民税・育休といった、自分の職場の決まりや制度とのかみ合わせです。この記事では、確かめられる決まりをもとに、転職の時期の決め方と、逆算のスケジュールをまとめます。
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この記事の要点
- 時期は「求人が多い季節」より、自分のボーナス・退職の申し出期限・有給休暇の残りから逆算する
- 退職の申し出は、まず就業規則を確認。法律(民法627条)では、期間の定めのない雇用は申し入れから2週間で終わる
- 1月〜4月に退職すると、5月分までの住民税がまとめて差し引かれる(地方税法)
- 転職して1年未満だと、労使協定で育児休業の対象から外されることがある。出産の予定があるなら時期に注意
- 在職中に動き始め、応募から入職まで2〜3か月を見込むと無理がない
「求人が多い季節」だけで決めないほうがいい理由
年度の変わり目や異動の時期に求人が出やすい、という傾向はあります。ただ、薬剤師の求人は欠員の補充で出ることも多く、良い求人がいつ出るかは予想できません。季節を待つより、在職中に早めに情報を集め始めて、良い求人が出たときに動ける状態にしておくほうが確実です。
そのうえで、次の5つの決まりを確認しておくと、「辞めた後で損をした」を避けられます。
時期を決める5つのチェックポイント
1. ボーナス(賞与)の支給日と在籍の条件
多くの職場では、就業規則や賃金規程で「支給日に在籍している人に支払う」と決めています。査定の対象期間も職場ごとに違います。退職の申し出を支給日の後にするか、支給日まで在籍する前提で退職日を決めると、受け取り損ねを防げます。詳しくはボーナスをもらってから辞めるときの注意点で紹介しています。
2. 退職の申し出の期限
正社員など期間の定めのない雇用は、民法627条1項で「解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する」とされています(e-Gov法令検索 民法)。ただし、就業規則で「1か月前までに申し出る」などと決めている職場も多いので、円満に辞めるには就業規則に合わせて伝えるのが現実的です。引き継ぎの期間も考えて、退職日の1〜2か月前には伝えましょう。
3. 有給休暇の残り日数
年次有給休暇は労働基準法39条の権利です(e-Gov法令検索 労働基準法)。退職日が決まった後は、使える日が限られます。残り日数を確認し、引き継ぎの予定と合わせて、最終出勤日と退職日を決めましょう。転職先で有給休暇がいつから付くかは転職後の有給休暇はいつから?で解説しています。
4. 住民税の差し引かれ方
給与から住民税を差し引かれている人が1月1日から4月30日の間に退職すると、5月分までの残りの住民税が、最後の給与や退職金からまとめて差し引かれます(最後の給与などが残りの額を上回る場合。地方税法321条の5、e-Gov法令検索 地方税法)。6月から12月に退職する場合は、残りを一括で差し引くか、自分で納める方法に切り替えます。すぐに次の職場で働く場合は、転職先の給与からの差し引きに引き継ぐこともできます。最後の給与の手取りが大きく減って驚かないよう、時期と合わせて確認しておきましょう。
5. 出産・育休の予定
育児・介護休業法6条1項では、労使協定を結べば、引き続き雇用された期間が1年未満の労働者を育児休業の対象から外すことができます(e-Gov法令検索 育児・介護休業法)。転職してすぐに産休・育休を考えている場合は、応募先の労使協定の内容を確認するか、時期を調整することも考えましょう。
| 確認すること | どこで確かめるか |
|---|---|
| ボーナスの支給日・在籍の条件 | 就業規則・賃金規程、給与明細 |
| 退職の申し出の期限 | 就業規則 |
| 有給休暇の残り日数 | 給与明細、勤怠システム、人事・総務 |
| 住民税の差し引かれ方 | 給与明細(住民税の欄)、住民税の決定通知書 |
| 育休の対象(転職先) | 転職先の就業規則・労使協定(応募前・内定時に確認) |
入職日から逆算するスケジュール
在職中に転職活動をする場合の目安です。職場や応募先によって前後します。
| 時期の目安 | やること |
|---|---|
| 入職の3〜4か月前 | 情報収集、転職エージェントへの登録・面談、希望条件の整理 |
| 入職の2〜3か月前 | 応募、職場見学、面接 |
| 入職の1.5〜2か月前 | 内定、労働条件の確認、退職の申し出 |
| 入職の2週間〜1か月前 | 引き継ぎ、有給休暇の消化、退職の手続き |
| 入職 | 社会保険・年金・雇用保険の手続き、住民税の引き継ぎ |
条件の優先順位の決め方は譲れない条件の絞り方、面接の準備は面接でよく聞かれる質問と回答例、内定後の手続きは内定後にやることで紹介しています。全体の流れは転職活動の流れも参考にしてください。
「転職を考えてよい」サイン
時期とは別に、次のような状態が続いているなら、情報を集め始めてよいタイミングです。
- 役割や業務量が増えたのに、給与や評価が変わらない
- 休憩や休みが取れない状態が続き、体調や家庭に影響が出ている
- 学びたい分野(在宅、病棟、企業の職種など)に、今の職場では関われない
- 結婚・出産・介護・引っ越しなどで、働ける時間や場所が変わる
給与が相場と比べてどうかを確かめたいときは、公的な統計が目安になります。厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」では、薬剤師の年収(きまって支給する現金給与額×12+年間賞与)は約567万円(平均40.1歳)でした(e-Stat 賃金構造基本統計調査)。年齢や地域、職場の種類で大きく変わるので、同じ条件の求人と比べることが大切です。
時期を逃さないための、転職エージェントの使い方
- 早めに登録だけしておく:今すぐ辞めるつもりがなくても、希望の条件を伝えておくと、合う求人が出たときに連絡をもらえる
- 入職したい時期を最初に伝える:「〇月のボーナスの後に辞めたい」「〇月から働きたい」と伝えると、応募の時期を合わせやすい
- 条件の確認を頼む:育休の対象や、試用期間中の条件など、自分からは聞きにくいことを担当者に確認してもらう
相談先の選び方は薬剤師転職エージェントの選び方と9社の比較、パートで探す人は薬剤師パートの転職エージェント比較を参考にしてください。
よくある質問
Q. 薬剤師の転職は何月がいちばんいいですか?
求人の数は地域や年で変わり、一律にこの月とは言えません。自分のボーナスの支給日、退職の申し出の期限、有給休暇の残り、住民税の差し引かれ方から逆算して決めるのがおすすめです。
Q. 退職は何日前に伝えればいいですか?
民法627条では、期間の定めのない雇用は申し入れから2週間で終わるとされていますが、就業規則で「1か月前まで」などと決めている職場が多いです。引き継ぎも考えて、1〜2か月前に伝えると円満です。
Q. ボーナスをもらってから辞めても問題ありませんか?
支給日に在籍していればもらえる決まりの職場が多く、問題はありません。支給日より前に退職日を決めると受け取れないことがあるので、就業規則で支給の条件を確認しましょう。
Q. 春に退職すると住民税はどうなりますか?
1月1日から4月30日に退職すると、5月分までの残りの住民税が最後の給与などからまとめて差し引かれます。最後の手取りが少なくなるので、時期を決めるときに確認しておきましょう。
Q. 転職してすぐに育休は取れますか?
労使協定で、引き続き雇用された期間が1年未満の人を育児休業の対象から外せることになっています。転職先の労使協定の内容を、応募前や内定時に確認しましょう。
まとめ
- 季節より、ボーナス・退職の申し出・有給休暇・住民税・育休の5つから時期を決める
- 退職の申し出は就業規則に合わせ、引き継ぎを考えて1〜2か月前に
- 1〜4月の退職は、5月分までの住民税がまとめて差し引かれる
- 在職中に早めに情報を集め、入職の3〜4か月前から動くと無理がない
内定が出たら、条件は書面で確かめましょう(労働条件通知書のチェックポイント)。


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