派遣で薬局に入ったら、一日中投薬ばかり。調剤や監査にはほとんど入らない。そんな配置に戸惑っている派遣薬剤師もいるかもしれません。
投薬中心の配置には派遣先なりの事情があることも多く、それだけで問題とは限りません。ただ、契約で決めた業務と実際の業務が違うなら、確かめて相談する価値があります。この記事では、考えられる理由、契約内容の確かめ方、派遣会社への相談の仕方、次の派遣先で事前に聞いておくことをまとめます。
この記事の要点
💊 薬剤師転職をお考えなら
- 投薬中心の配置には、派遣先の人員配置などの事情があることがある
- まず就業条件明示書で「従事する業務の内容」を確かめる
- 契約と違う場合や負担が大きい場合は、派遣先ではなく派遣会社の担当者に相談する
- 次の派遣先では、業務の割合を配属前に確かめる
派遣薬剤師が投薬中心になる、考えられる理由
派遣先によって事情は違いますが、次のような理由が考えられます。
| 考えられる理由 | 派遣先の事情 |
|---|---|
| 投薬の人手が足りない | 患者さんへの説明に時間がかかり、待ち時間が延びている |
| 調剤・監査は職員が担う運用 | 調剤の手順や監査の基準を、店舗のやり方に慣れた職員で固めている |
| 薬歴や会計の仕組みに慣れていない | システムの権限や操作の都合で、任せる業務を絞っている |
| 派遣期間が短い | 研修に時間をかけず、すぐに担当できる業務を割り当てている |
投薬は患者さんと直接向き合う業務で、負担も小さくありません。理由の見当がつくと、相談の仕方も考えやすくなります。
まず確かめたいこと:就業条件明示書
派遣で働くとき、派遣会社は、従事する業務の内容や就業場所、就業時間などの就業条件を明示しなければならないと法律で定められています(労働者派遣法第34条)。このときに渡される書面が「就業条件明示書」です。また、派遣先は、派遣契約の定めに反することのないよう適切な措置を講じなければならないとされています(同法第39条)。
出典:e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」、厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領 第9 派遣先の講ずべき措置等」
明示書で確かめるポイント
- 「従事する業務の内容」に、調剤・監査・投薬・薬歴の作成などがどう書かれているか
- 業務の範囲が「調剤業務全般」のように広く書かれているか、特定の業務に限られているか
- 苦情の申出先(派遣会社と派遣先の担当者)が誰になっているか
業務の内容が広く書かれていて、投薬もその範囲に入っている場合は、契約どおりの配置ということになります。そのときは契約違反の話ではなく、「働き方の希望」として相談することになります。
派遣会社への相談の仕方
派遣先の店舗で直接交渉するより、まず派遣会社の担当者に相談するのが基本です。派遣先との調整は、派遣会社を通じて行うのが確実です。
伝えること
- 実際の業務の割合(例:一日のほとんどが投薬で、調剤や監査には入っていない)
- 就業条件明示書の業務内容との違い(ある場合)
- 困っている点(負担の大きさ、維持したい業務など)
- 希望すること(調剤にも入りたい、次の契約から業務の割合を調整したい、など)
相談の例文
〇〇薬局での業務についてご相談です。就業条件明示書では「調剤業務全般」となっていますが、実際には一日のほとんどが投薬で、調剤や監査には入っていません。投薬の大切さは理解していますが、調剤の経験も維持したいと考えています。業務の割合について、派遣先と調整していただけないでしょうか。
体調に影響が出るほど負担が大きい場合は、そのことも具体的に伝えましょう。
次の派遣先で、配属前に聞いておくこと
配属されてから業務の偏りに気づくより、求人の紹介を受ける段階で確かめておく方が、すれ違いを減らせます。派遣会社の担当者を通じて、次のような点を聞いておきましょう。
| 確かめること | 聞き方の例 |
|---|---|
| 業務の割合 | 一日の中で、調剤・監査・投薬はそれぞれどのくらい担当しますか |
| 薬歴の入力 | 派遣の薬剤師も薬歴を入力しますか。システムの研修はありますか |
| 店舗の体制 | 薬剤師は何名体制で、そのうち派遣は何名ですか |
| 応需科目と処方箋枚数 | 主な診療科と、一日の処方箋枚数はどのくらいですか |
| 前任者の業務 | 前に入っていた派遣の方は、どの業務を担当していましたか |
投薬中心の働き方で得られる経験
投薬中心の働き方にも、得られる経験はあります。
- 多くの患者さんへの説明を通じて、服薬指導の引き出しが増える
- 患者さんとの会話から、疑義照会につながる気づきを拾う力がつく
- 店舗ごとの処方の傾向に触れられる
一方で、調剤や監査から長く離れると不安を感じる人もいます。どの経験を積みたいのかをはっきりさせて、派遣先を選ぶ段階で伝えておきましょう。
派遣という働き方を見直したいとき
契約内容や配置への不満が続く場合は、派遣会社を変える、パートや正社員として働き方を変える、という選択肢もあります。勤務時間や曜日を限定して働きたい場合は薬剤師パートの転職エージェント比較、派遣と正社員の求人を両方扱うエージェントを比べたい場合はファルマスタッフとレバウェル薬剤師の比較が参考になります。
よくある質問
Q. 派遣先から、契約にない業務を頼まれたら断ってもいいですか?
その場で断るより、就業条件明示書の内容を確かめたうえで、派遣会社の担当者に相談するのが確実です。契約にない業務かどうかは、明示書に書かれた業務の内容で判断します。
Q. 投薬ばかりだった期間は、職務経歴書にどう書けばいいですか?
実際に担当した業務をそのまま書きます。応需科目や担当した患者さんの層など、服薬指導の経験として具体的に書くと伝わりやすくなります。
Q. 契約期間の途中で、派遣先を変えてもらうことはできますか?
派遣会社や契約の内容によって対応が異なります。まずは担当者に事情を伝え、どのような選択肢があるかを確認しましょう。
まとめ
- 投薬中心の配置には、派遣先の人員配置などの事情があることがある
- まず就業条件明示書で「従事する業務の内容」を確かめる
- 契約と違う場合や負担が大きい場合は、派遣会社の担当者に相談する
- 次の派遣先では、業務の割合や薬歴の入力の有無を配属前に確かめる



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