「薬剤師って、実はブルーカラーなんじゃないか」。立ちっぱなしで薬を取りそろえ、時間に追われて手を動かし続ける毎日に、ふとそう感じたことがある人もいるかもしれません。
結論から言うと、統計上の職業の分類では、薬剤師はホワイトカラー側の「専門的・技術的職業」に入ります。ただし、日々の仕事の中身を見ると、体を使う作業や時間の拘束が多く、「ブルーカラーのようだ」と感じる理由もはっきりあります。この記事では、その両面を整理し、「頭を使う仕事の割合」を増やしたい人のキャリアの選び方まで紹介します。
この記事の要点
💊 薬剤師転職をお考えなら
- 厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、薬剤師は医師・歯科医師・獣医師と並んで「専門的・技術的職業従事者」の区分。分類上はホワイトカラー側
- 一方で、立ち仕事、ピッキングや一包化などの手作業、時間の拘束が多く、ブルーカラーのように感じる職場もある
- 保険薬局の薬剤師の年収(給料と賞与)は約480万円で、前年度からの伸びは0.3%(医療経済実態調査)
- 対人業務、在宅、管理職、企業の職種など、知識や判断を使う割合が大きい働き方もある
そもそもブルーカラー・ホワイトカラーとは
ブルーカラー・ホワイトカラーは、法律で決められた言葉ではなく、仕事の性格を大まかに分けるときの一般的な言い方です。
| 呼び方 | 一般的なイメージ | 仕事の例 |
|---|---|---|
| ホワイトカラー | 知識や判断、事務・企画などが中心の仕事 | 管理職、専門職、事務、営業など |
| ブルーカラー | 体を使った作業や、現場での生産・運搬などが中心の仕事 | 製造、建設、運輸、清掃など |
統計の分類では、薬剤師は「専門的・技術的職業」
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」では、職業を大きく「管理的職業」「専門的・技術的職業」「事務」「販売」「生産工程」「輸送・機械運転」「建設・採掘」などに分けています。薬剤師は、医師・歯科医師・獣医師と並んで「専門的・技術的職業従事者」の区分に入っています(e-Stat 賃金構造基本統計調査)。
国家資格をもとに、薬学の知識で判断する仕事であることから、分類のうえではホワイトカラー側の専門職と言えます。
それでも「ブルーカラーみたい」と感じる理由
| 感じやすいこと | 現場の例 |
|---|---|
| 体を使う作業が多い | 一日中の立ち仕事、薬のピッキング、一包化や散薬の調製、段ボールの開封・品出し |
| 時間に追われる | 待合室の混雑、閉局時刻の制約、休憩が取りにくい |
| 決まった手順のくり返し | 同じ作業の反復で、判断より「さばく」ことが求められる場面がある |
| 給料が伸びにくい | 保険薬局の薬剤師の年収は約480万円で、前年度からの伸びは0.3%(医療経済実態調査) |
中医協の「第25回医療経済実態調査」(令和6年度、調査の概要)では、保険薬局(法人)の薬剤師の年収(給料と賞与)は約480万円、管理薬剤師は約726万円、一般病院の薬剤師は約581万円でした。同じ薬剤師でも、どこでどんな役割を担うかで、仕事の中身も収入も大きく変わります。
忙しさの見分け方は処方箋枚数と薬剤師数の見方、休憩が取れないときの決まりは薬局の休憩時間の決まり、給料が上がりにくい理由は薬剤師の給料が上がらない理由と対策で紹介しています。
知識や判断を使う割合を増やす働き方
| 方向 | 仕事の中身 | 詳しい記事 |
|---|---|---|
| 対人業務に力を入れる薬局 | 服薬指導、薬の提案、医師との連携など、判断と説明が中心 | 30代薬剤師の転職(キャリアの3つの方向) |
| 在宅・施設 | 患者さんの生活を見ながら薬を調整し、多職種と連携する | 30代薬剤師の転職 |
| 管理薬剤師・管理職 | 店舗の運営、人の育成、数字の管理 | 年収交渉(役割による年収の差) |
| 病院 | 病棟業務、チーム医療、医薬品情報 | 薬剤師が病院に転職するには |
| 企業 | DI、安全性情報、薬事、学術など、デスクワーク中心の職種 | 企業薬剤師という選択肢 |
どの道を選んでも、体を使う作業がまったくなくなるわけではありません。それでも、「作業をさばく時間」と「知識で判断する時間」の割合は、職場と役割の選び方でかなり変わります。
企業の中でも、化粧品メーカーで働く薬剤師の仕事内容・年収・転職の進め方は、薬剤師×化粧品メーカーへの転職で紹介しています。
今の職場で確かめたいこと
- 調剤の作業を、事務スタッフや機械(自動分包機、監査システムなど)にどこまで任せているか
- 服薬指導や在宅など、対人業務に使える時間が確保されているか
- 薬剤師の人数に余裕があり、休憩や研修の時間を取れているか
- 管理薬剤師や専門分野など、次の役割に進む道があるか
これらが満たされていない場合は、職場を変えることで、同じ薬剤師の仕事でも中身を大きく変えられることがあります。
よくある質問
Q. 薬剤師はブルーカラーですか?
統計の分類では、薬剤師は医師などと並ぶ「専門的・技術的職業」の区分で、ホワイトカラー側の専門職です。ただし、立ち仕事や手作業が多い職場では、ブルーカラーのように感じることもあります。
Q. 薬剤師がデスクワーク中心で働くことはできますか?
できます。企業のDI、安全性情報、薬事、学術などの職種は、デスクワークが中心です。未経験から目指すときは、職種ごとの求められる経験を確かめましょう。
Q. ブルーカラーのように感じる職場から抜け出すには?
対人業務や在宅に力を入れる薬局、管理職、病院、企業など、知識や判断を使う割合が大きい働き方があります。在職中に求人を比べ、仕事の中身を確かめてから選びましょう。
まとめ
- 統計の分類では、薬剤師は「専門的・技術的職業」。分類上はホワイトカラー側の専門職
- 立ち仕事や手作業、時間の拘束が多く、ブルーカラーのように感じる職場もある
- 保険薬局の薬剤師の年収は約480万円、伸びは0.3%。役割で収入も仕事の中身も変わる
- 対人業務、在宅、管理職、病院、企業など、知識と判断を使う割合が大きい働き方を選べる
仕事の中身や役割まで確かめながら職場を比べたい場合は、薬剤師転職エージェントの選び方と9社の比較と、ファルマスタッフとレバウェル薬剤師の比較を参考にしてください。パートで働き方を変えたい場合は薬剤師パートの転職エージェント比較も参考になります。



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