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生活保護を受けている方が、医療機関を受診するときや薬局を利用するときに、お薬手帳を持参することが原則になります。薬局では「患者さんにどう伝えるか」「掲示物はあるのか」「手帳を忘れたらどうするのか」が気になるところです。
この記事では、厚生労働省の検討会の資料をもとに、決まったことと、薬局で求められること、そのまま使える掲示文(ポスター)の例をまとめました。
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この記事の要点(2026年10月時点)
- 生活保護受給者は、受診時・薬局利用時にお薬手帳(1冊に限定。電子版を含む)を持参することが原則に
- 医療機関・薬局は、お薬手帳の確認や電子処方箋等による薬剤情報の閲覧で、服薬状況を確認する
- 国は通知と告示を改正する方針。福祉事務所は令和7年度末から、郵送物や訪問の機会に周知を始めている
- 手帳を忘れたときの医療機関・薬局の対応は、国が整理して周知するとしている
- 厚生労働省のページでは、薬局向けの公式ポスターは確認できなかった。掲示文の例をこの記事に載せている
何が決まったのか
厚生労働省の「医療扶助・健康管理支援等に関する検討会」は、2025年12月17日に「中間的な整理」をまとめました(厚生労働省「中間的な整理」)。そこでは、次のように整理されています。
- 生活保護受給者は、受診時と薬局利用時に、お薬手帳(1冊に限定したもの。電子版お薬手帳を含む)を持参することを原則とする
- 医療扶助の給付にあたっては、お薬手帳の確認や、電子処方箋等による薬剤情報の閲覧を通じて、服薬状況等を確認する
- 国は、患者がお薬手帳を忘れた際の医療機関・薬局の対応や、福祉事務所との連携方法などを整理・周知する
その後、2025年12月24日の大臣折衝で「生活保護受給者によるお薬手帳の持参を原則化する」こと、服薬状況・薬剤服用歴の確認は電子処方箋またはお薬手帳を活用して行うことを明確にすることが示されました。第5回検討会(2026年5月)の報告資料では、お薬手帳の持参原則化を通知の改正で、医療現場の対応を告示の改正で進める方針が示されています(第5回検討会 資料1)。
検討会は続いていて、2026年10月28日に第8回が予定されています(検討会の開催ページ)。新しい通知や周知資料が出たら、内容が変わる可能性があります。
重複・多剤投与の対策で、対象になる人
あわせて、福祉事務所による重複投薬・多剤投与の対策も見直されます。第5回検討会の資料では、次のように整理されています。
| 対応 | 対象の考え方 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 文書通知など | 令和8年度以降、順次「6剤以上かつ複数の医療機関を受診」を基本に、優先順位をつけて対応 | 文書での通知など、効率的な対応 |
| 重点的な対応 | 従来の対象(15剤以上)を、令和8年度以降「複数の医療機関を受診・お薬手帳を持参していない」などの条件で絞り込む | 対面での指導、薬局への同行支援など |
薬局には、福祉事務所から相談をすすめられた患者さんが来ることも増えると考えられます。服薬の相談、飲み方や管理方法の見直しへの助言、処方医への提案など、薬剤師の役割が大きくなります。
薬局での掲示文(ポスター)の例
厚生労働省のページでは、2026年10月23日時点で、薬局向けの公式ポスターやリーフレットは確認できませんでした。福祉事務所(自治体)が独自に作っている場合もあるので、地域の福祉事務所にも確認してみてください。
自分の薬局で掲示する場合の文の例です。〇〇を薬局名に変え、必要に応じて調整してお使いください。
お薬手帳をお持ちください
生活保護を受けている方は、病院・診療所の受診時と薬局のご利用時に、お薬手帳(1冊にまとめたもの。スマートフォンの電子版お薬手帳も可)をお持ちいただくことが原則になりました。
飲み合わせの悪いお薬や、同じお薬が重なっていないかを確かめるためです。お薬手帳が何冊もある方は、1冊にまとめるお手伝いをします。お気軽に薬剤師にお声がけください。
〇〇薬局
掲示するときは、生活保護を受けていることが周りに分かってしまわないよう、窓口での声のかけ方にも気をつけましょう。「お薬手帳はお持ちですか」と、どの患者さんにも同じように声をかけるのが無難です。
窓口で確認したいこと
- お薬手帳の有無:紙か電子版か。複数持っている場合は、1冊にまとめることを提案する
- 他の医療機関・薬局の薬:手帳の記載と、電子処方箋の薬剤情報やオンライン資格確認で閲覧できる情報を照らし合わせる
- 重複・併用禁忌:同じ成分の重複、併用禁忌、多剤による副作用の兆候がないか
- 飲み方・管理:飲み忘れや残薬がないか。必要なら一包化やカレンダーの活用、処方医への提案
- 記録:確認した内容と対応を薬歴に残す
手帳を忘れた場合の具体的な対応は、国が整理して周知するとしています。それまでは、口頭での聞き取りや、電子処方箋・オンライン資格確認で閲覧できる情報で確認し、次回の持参をお願いしておくのが現実的です。
業務は増える。職場の体制も確かめておきたい
確認や説明の時間が増えても、人員や評価が変わらない職場では負担が積み重なります。処方箋枚数に対して薬剤師の人数に余裕があるか、休憩が取れているかは、処方箋枚数と薬剤師数の見方や薬局の休憩時間の決まりで確認できます。
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よくある質問
Q. 生活保護のお薬手帳の持参は義務ですか?
検討会の中間的な整理では「持参することを原則とする」とされています。国は通知の改正で進める方針で、持参を忘れた場合の医療機関・薬局の対応は、国が整理して周知するとしています。
Q. 電子版のお薬手帳でもよいですか?
はい。中間的な整理では、お薬手帳は「1冊に限定したもの。電子版お薬手帳を含む」とされています。
Q. 厚生労働省のポスターはありますか?
2026年10月23日時点で、厚生労働省のページでは薬局向けの公式ポスターは確認できませんでした。福祉事務所が独自に作っている場合もあります。この記事に掲示文の例を載せています。
Q. いつから始まりますか?
福祉事務所による周知は令和7年度末から始まっています。重複・多剤投与の対象の見直しは令和8年度以降とされています。通知や告示の改正の時期は、厚生労働省の発表を確認してください。
まとめ
- 生活保護受給者は、受診時・薬局利用時にお薬手帳(1冊・電子版可)を持参することが原則に
- 薬局は、お薬手帳や電子処方箋等で服薬状況を確認し、適正使用に向けた対応をとる
- 公式ポスターは未確認。掲示文の例を使い、窓口ではどの患者さんにも同じように声をかける
- 手帳を忘れたときの対応は、国の周知を待ちつつ、聞き取りと電子的な情報で確認する



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