「一人辞めたけど、募集はかけているらしい」「そのうち入ってくるから、それまで頑張ろう」「そう言われて、もう半年が過ぎた」 この状況、いつまで続くのでしょうか。 結論から言えば、多くの職場では“あなたが回せてしまっている限り”、補充は本気で進みません。人が足りないのに現場が回っているという事実こそが、会社にとっては「まだ大丈夫」というサインになってしまうからです。
「一時的に大変なだけ」が、いつのまにか通常運転になります
欠員が出た直後は、誰もが一時的なものだと考えます。
シフトを詰めて、休憩を削って、残業で吸収する。数週間なら耐えられますし、実際に耐えてしまいます。
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問題は、その状態で業務が回った瞬間に、それが新しい基準になってしまうことです。
会社から見れば「その人数でも回っている店舗」という記録が残ります。次に人員配置を検討するとき、優先されるのは回っていない店舗のほうです。
つまり、頑張って回すほど、補充の順番は後ろに下がっていきます。
なぜ薬局は欠員を放置できてしまうのか
担当者が怠けているわけではありません。構造的にそうなりやすい理由があります。
- 人件費は薬局の費用の中で大きな割合を占めるため、一人減った状態は数字の上では改善に見える
- 薬剤師の採用は時間がかかり、条件を上げないと決まらないことが多い
- 本部から見える情報は、処方箋枚数や残業時間といった数字が中心で、現場の疲弊は数字になりにくい
- 現場が「無理です」と言わない限り、優先度は上がらない
- 一人あたりの負担が増えても、法令上の配置基準を満たしていれば、すぐに問題化しない
悪意ではなく、放置しても表面化しないから放置される。これが実態に近いはずです。
補充される職場と、されない職場の違い
同じ「募集はかけています」でも、中身はまったく違います。
- 募集の条件を上げているか(時給・年収を据え置いたままの募集は、実質的に動いていない)
- 近隣店舗からの応援が制度として組まれているか、個人の好意で回しているか
- 欠員が出た店舗の業務量を減らす調整(開局時間、在宅の受け入れ数など)をしたか
- 管理者が本部に対して具体的な数字で状況を伝えているか
- 過去に欠員が出た他店舗が、どれくらいの期間で補充されたか
最後の項目が一番わかりやすい指標です。前例が「半年放置」なら、あなたの店舗もそうなります。
このまま続けると、失うのは体力だけではありません
人が足りない状態が長引くと、削られるのは時間と体力だけではありません。
在宅にも、勉強会にも、認定資格の取得にも手が回らなくなります。目の前の処方箋を捌くことに一日が消えていきます。
その期間が長いほど、職務経歴書に書けることが増えません。
数年後に転職しようとしたとき、「忙しかった」は経験として評価されないという現実にぶつかります。評価されるのは、忙しさの中で何を積み上げたかのほうです。
欠員の放置は、あなたのキャリアの時間を静かに削っていきます。
動く順番を間違えないでください
いきなり辞める話にする必要はありません。順番があります。
STEP1:会社のリスクとして伝える
「つらいので人を増やしてください」は個人の訴えとして処理されます。そうではなく、会社が負うリスクとして伝えてください。
「この人数では監査の目が足りず、過誤が起きたときに会社の責任になる」「休憩が取れておらず、労基署の指摘対象になりうる」──言い方を変えるだけで、受け取られ方は変わります。
処方箋枚数、残業時間、休憩の取得実績を記録して、数字で示すのが有効です。
STEP2:期限を決める
伝えたうえで、自分の中で期限を決めてください。3か月なら3か月。
期限のない我慢は、いつまでも続きます。「そのうち入る」という言葉に期限が付いていないことが、この問題の本質です。
STEP3:期限を過ぎたら、環境を変える判断をする
期限内に動きがなければ、それは「動かせない会社」だと判断してよいと思います。
在職中に情報を集めるだけでも構いません。他社の条件を知って初めて、今の職場が普通なのかどうかが分かります。
「後任が見つからないから」は、辞められない理由になりません
退職を伝えると、ほぼ確実にこう言われます。「今辞められると回らない」「後任が決まるまで待ってほしい」と。
ただ、後任を確保するのは会社の責任です。人員体制を整えるのは経営の仕事であって、個人が背負うものではありません。
退職の申し出そのものを止める権限も、会社にはありません。就業規則で定められた期日までに伝えれば、手続き上は問題なく進みます。
管理薬剤師の場合は後任の選任が必要になるため、日程の調整は必要です。それでも「見つかるまで」という無期限の話にする必要はありません。
人を入れる会社は、ちゃんと存在します
欠員が出たら補充する。当たり前のことですが、それができている会社とできていない会社があります。
外から見ただけでは、その職場が本当に変わるのかどうかは分かりません。人員配置の考え方、欠員が出たときの対応、評価の仕組み──こうした内側のことは、求人票には書かれていないからです。
ただ、複数の薬局を見ているエージェントであれば、応募前に確認してもらえます。「今すぐ転職する」ではなく「今の職場が普通なのか知りたい」という相談の仕方で構いません。
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まとめ|あなたが我慢するほど、補充は遠のきます
人手不足はどこも同じ、と言われます。確かに業界全体の傾向としてはその通りです。
ただ、同じ人手不足の中でも、条件を上げてでも採用する会社と、現場に吸収させる会社に分かれます。
あなたが回してしまっているうちは、後者の会社は動きません。
まず数字で伝える。期限を決める。動かなければ、場所を変える。その順番で考えてみてください。
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【最新業界動向】今の薬剤師が知っておきたいこと
薬剤師業界を取り巻く環境は、ここ数年で大きく変わってきています。最新の業界ニュースをもとに、キャリアを考えるうえで知っておきたいポイントを整理しました。
📰 ヘルスデーニュース‐FDA関連‐
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📰 【薬学教育学会大会】自主編成枠で独自教育‐薬剤師職能変化先取りを
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📰 2027年度の薬価改定、医薬品業界は「コスト増踏まえた薬価引き上げ」「米国MFN政策への対応」等要望—中医協・薬価専門部会
来年度(2027年度)には薬価の中間年改定を行うことになる。その際、医薬品製造コスト等の増加(原材料、人件費、光熱費等の増加)を踏まえた「薬価の引き上げ」や、米国のMFN政策への対応などを行い、本邦への優れた医薬品の継続的供給を確保すべであ…(GemMed)
調剤報酬改定の影響で、薬局によって年収や職場の安定性に差が出てきています。今のうちに転職エージェントで「改定に強い職場」の求人を確認しておくのが得策です。
こうした業界の動きを踏まえると、今の職場環境や将来のキャリアについて改めて考えてみる価値はあります。転職するかどうかは別として、まずはエージェントに相談して求人情報を見てみるのもひとつの方法です。登録・相談は無料です。
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Q. 登録したら必ず転職しなければなりませんか?
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この記事の運営者:ぴろしき
調剤併設ドラッグストアで働く現役の管理薬剤師・薬局長。自身のパワハラ・転職経験をもとに、薬剤師が働きやすい環境を選ぶための情報を発信しています。詳しいプロフィールはこちら


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