2026年8月、警視庁の警察官が約3,000人不足していると報じられました。 「警察の話でしょう」と思われるかもしれません。ただ、この記事で注目したいのは不足そのものではなく、「足りないと分かったあとに何をしたか」のほうです。 そして、その比較をしたとき、多くの薬剤師が自分の職場について考え込むことになるはずです。
まず、何が起きているのかを整理します
報道によると、警視庁の警察官は2026年4月1日時点で40,559人。東京都の条例で定められた定数は43,619人なので、3,060人、率にして約7%が足りていない計算になります。
充足率は93.0%。全国平均が97.1%とされているので、東京だけが突出して埋まっていないことになります。
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原因として挙げられているのは、採用がうまくいっていないこと。大企業が集中する東京では民間に人材が流れやすく、若手・中堅の離職も増えているとされています。
そして採用試験の受験者数は、この10年で半減しました。
ここまでは、薬剤師業界の話としても違和感なく読めるのではないでしょうか。
足りないと分かってから、警察が実際にやったこと
注目したいのはここからです。人が来ないという事実に対して、警察は募集を出し続けるのではなく、採用の前提そのものを変えました。
- 社会人採用の年齢制限を、従来の35歳未満から23歳以上60歳未満へ引き上げた
- 令和7年度から教養試験を廃止し、一次選考を論文と適性検査に変更した
- 身長・体重といった体格基準を撤廃する自治体が出てきた
- 大学3年生相当の年齢から受験できるようにするなど、試験の時期を前倒しした
長く続いてきた基準を、複数まとめて外しています。
「人が来ないのは応募者のせい」ではなく「来ない設計になっている自分たちの側の問題」として扱ったということです。
では、薬剤師業界はどうでしょうか
薬剤師の有効求人倍率は、2倍前後で推移しているとされています(令和5年3月時点で2.17倍)。求職者1人に対して2件以上の求人があるということです。
さらに厚生労働省が令和5年に公表した薬剤師偏在指標では、病院薬剤師が充足している都道府県はひとつもないという結果でした。薬局薬剤師も、充足しているのは19都道府県にとどまります。
つまり、業界全体として人が足りていないことは、統計としてはっきり出ています。
ではあなたの会社は、その事実に対して何を変えたでしょうか。
「募集はかけています」は、アクションではありません
人が足りない職場でよく聞くのが、この言葉です。
ただ、条件を据え置いたまま同じ求人を出し続けることは、動いていることにはなりません。それは、来なかった去年と同じことを繰り返しているだけです。
警察がやったのは、募集を増やすことではなく、応募できる人の範囲を広げることでした。年齢の上限を上げ、試験の中身を変え、基準を外した。
この差は決定的です。
同じ「人手不足」という言葉を使っていても、前提を変えた組織と、変えずに現場に吸収させている組織は、数年後にまったく違う場所にいます。
動いている会社と、動いていない会社の見分け方
転職を考えるかどうかは別として、今いる会社がどちら側なのかは知っておいて損はありません。
- 欠員が出たあと、募集条件(給与・勤務時間・雇用形態)を実際に見直したか
- パートや時短、週3日勤務など、応募できる働き方の幅を広げたか
- ブランクのある人や、調剤未経験者を受け入れる体制を作ったか
- 近隣店舗からの応援を、個人の好意ではなく制度として組んだか
- 業務そのものを減らす判断(開局時間の見直し、受け入れ件数の調整)をしたか
- 人が抜けた店舗の負担を、数字で把握しているか
ひとつも当てはまらないなら、その会社は「足りない」という事実を、現場の頑張りで吸収する方針を選んでいます。
アクションを起こせない会社に起きること
前提を変えられない組織がどうなるかは、想像しやすいと思います。
残った人の負担が増え、その負担に耐えられなくなった人から辞めていきます。辞めるたびに残った人の負担がさらに増えるので、離職は加速します。
採用がうまくいかない理由は、たいてい待遇や働き方にあります。そこを変えないまま「最近の人はすぐ辞める」と言っている限り、循環は止まりません。
そして、この循環の中にいる限り、あなたの時間も消えていきます。在宅にも認定資格にも手が回らないまま、数年が過ぎることになります。
会社が変わるのを待つあいだ、失われているのはあなたのキャリアの時間です。
確かめる順番があります
STEP1:会社が何を変えたのかを、事実として確認する
まず、感情ではなく事実を集めてください。欠員が出てから今日まで、募集条件は変わったのか。応援体制は組まれたのか。業務量の調整はあったのか。
何も変わっていないなら、それが答えです。
STEP2:前提を変える提案をしてみる
「人を増やしてください」ではなく、「時給を上げないと応募が来ない」「週3日勤務でも受け入れられるようにしませんか」と、具体的な設計の話にしてください。
警察がやったのと同じことです。応募できる人の範囲を広げる提案なら、会社も検討しやすくなります。
STEP3:それでも動かないなら、動いている会社を見る
提案しても前提を変えないなら、それはその会社の方針です。個人の努力では変わりません。
同じ人手不足の中でも、条件を上げてでも人を採る会社は実在します。在職のまま、そういう会社があるかどうかを見ておくだけでも構いません。
前提を変えた会社は、確かにあります
足りないと分かったときに、募集条件を変え、働き方の幅を広げた薬局は実際にあります。
動いている会社かどうかは、外からは見えません。求人票に書かれるのは条件だけで、「欠員が出たときに何をした会社なのか」は載らないからです。
ただ、複数の薬局を見ているエージェントであれば、応募前に確認してもらえます。「今すぐ転職する」ではなく「動いている会社を知りたい」という相談の仕方で構いません。
自分の市場価値がいくらなのかを知るだけでも、判断材料になります。登録・相談は無料です。
▶ 動けない会社から抜け出す一つの道:【必見】企業薬剤師という選択肢|病院・薬局に限界を感じたあなたへ
まとめ|足りない業界にいること自体は、悪いことではありません
人が足りない業界は、裏を返せば求められている業界です。薬剤師の有効求人倍率が2倍前後で推移しているのは、そういう意味でもあります。
問題は、足りないという事実に対して、あなたの会社が何をしたかです。
警視庁は3,000人足りないと分かって、60年近く続いた採用の枠組みに手を入れました。
あなたの薬局は、この1年で何を変えたでしょうか。
何も変わっていないのであれば、その会社が変わるのを待つ理由は、あまり多くないはずです。
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【最新業界動向】今の薬剤師が知っておきたいこと
薬剤師業界を取り巻く環境は、ここ数年で大きく変わってきています。最新の業界ニュースをもとに、キャリアを考えるうえで知っておきたいポイントを整理しました。
📰 ヘルスデーニュース‐FDA関連‐
出典:薬事日報
この動向が示すとおり、薬剤師を取り巻く環境は変化しています。転職エージェントで最新の求人情報を確認し、自分に合った職場を探してみることをおすすめします。
📰 薬事日報 薬学生新聞デジタル トップ
出典:薬事日報
業務のデジタル化が進む中で、薬剤師に求められる役割も少しずつ変わってきています。DXに積極的な職場へ転職することで、将来にわたって安定したキャリアを築きやすくなります。
📰 【27年度概算要求】創薬力強化へ1969億円要求‐人材育成、治験倍増を推進
出典:薬事日報
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📰 2028年度までに療養除く200床以上病院で、30年度までに全医療機関で「電子カルテ導入率100%」を目指す—社保審・医療部会等
本邦における医療・介護DXの基礎となる「医療情報化推進方針」を厚生労働大臣が定め、医療等サービスの安定提供や質の向上、国民の健康増進、医療・介護制度の持続可能性確保などを図っていく—。 こうした点の実現に向けて全国医療等情報プラットフォーム…(GemMed)
医療機関の再編が進む中、病院薬剤師の求人動向にも変化が出ています。早めに情報収集しておくことで、条件の良い病院求人をタイムリーに押さえられます。
こうした業界の動きを踏まえると、今の職場環境や将来のキャリアについて改めて考えてみる価値はあります。転職するかどうかは別として、まずはエージェントに相談して求人情報を見てみるのもひとつの方法です。登録・相談は無料です。
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よくある質問(FAQ)
Q. 転職エージェントは本当に無料で使えますか?
A. はい、求職者(薬剤師)側は完全無料です。エージェントは採用企業から成功報酬をもらうビジネスモデルのため、転職者に費用は一切かかりません。
Q. 複数のエージェントに登録しても問題ありませんか?
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Q. 登録したら必ず転職しなければなりませんか?
A. いいえ、転職しなくても問題ありません。「まず求人を見てみたい」「自分の市場価値を確認したい」という目的での登録も歓迎されています。
Q. 在職中でも転職活動はできますか?
A. 可能です。在職中の方が精神的・経済的に余裕があり、好条件の求人をじっくり吟味できます。エージェントも在職中のサポートに慣れているので安心です。
Q. 年収交渉はエージェントに任せられますか?
A. はい、ほとんどの薬剤師専門エージェントが年収交渉を代行しています。自分では言いにくい交渉もプロが代行するため、年収アップの確率が高まります。
Q. ファルマスタッフとレバウェル薬剤師はどちらに先に登録すべきですか?
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この記事の運営者:ぴろしき
調剤併設ドラッグストアで働く現役の管理薬剤師・薬局長。自身のパワハラ・転職経験をもとに、薬剤師が働きやすい環境を選ぶための情報を発信しています。詳しいプロフィールはこちら



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