「気づいたら、面倒な患者さんはいつも自分の担当になっている」「監査も、在庫も、クレーム対応も、なぜか自分に回ってくる」「でも、評価も給与も他の人と変わらない」 その違和感は、気のせいではありません。 仕事は、できる人のところに黙って集まります。そしてそれは「頼られている」のとは違います。
仕事は、できる人のところへ静かに寄っていきます
職場の業務量は、誰かが意図的に配分しているとは限りません。
多くの場合、いちばん確実に処理してくれる人のところへ、自然に流れていくだけです。
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「あの人に頼めば確実だから」「説明しなくても分かってくれるから」──こうした理由で、判断の要る仕事、面倒な仕事、責任の重い仕事が集まっていきます。
最初のうちは、信頼されている実感があります。実際、信頼されているのは事実です。
問題は、その信頼が待遇に反映される仕組みがない場合です。
なぜ薬剤師の職場でこれが起きやすいのか
- 業務が個人完結型で、誰が何をどれだけやったかが可視化されにくい
- 処理速度や正確さの差が大きく、実際に「頼んだほうが早い」状況が生まれる
- 患者対応という性質上、断ることに抵抗を感じやすい
- 少人数の職場では、代わりに回せる相手がそもそもいない
- 評価が在籍年数と役職で決まる仕組みだと、業務量が反映されない
構造的に、真面目で処理能力の高い人ほど損をしやすい環境だと言えます。
「頼られている」と「便利に使われている」の分かれ目
同じように仕事が集まっていても、意味がまったく違う場合があります。見分ける基準はこの3つです。
- ① その負担を、上司が把握しているか。把握していないなら、存在しないのと同じです
- ② 負担に対して、権限が増えているか。決められる範囲が広がらないまま作業だけ増えるのは、役割ではなく処理です
- ③ 評価や待遇に反映される道筋が示されているか。「いずれ」ではなく、時期と条件が言えるかどうか
3つとも当てはまらないなら、それは役割を任されているのではなく、業務が寄せられているだけです。
我慢のコストは、数年後にまとめて来ます
この状態を続けたときに起きることは、だいたい決まっています。
まず、体力的な限界が先に来ます。次に、割り切って手を抜き始めた自分に落ち込みます。
そしてある時期から、周囲が「あの人がやるもの」として扱い始めます。ここまで来ると、自分から降りるのが難しくなります。
さらに厄介なのは、業務量が多いこと自体は職務経歴書に書けないという点です。
「処方箋を月◯枚さばいた」よりも、「教育制度を作った」「在庫の廃棄額を◯%減らした」のほうが評価されます。量をこなすだけの働き方は、市場価値に変換されにくいのです。
行動の順番を間違えないでください
STEP1:まず可視化する
上司は、あなたの業務量を正確には把握していません。悪意ではなく、見えていないだけです。
1か月でよいので、担当した業務と時間を書き出してください。感覚ではなく記録で示すと、話が具体的になります。
STEP2:役割として正式に扱ってもらう交渉をする
「減らしてください」ではなく、「この範囲を担当しているので、役割として整理してほしい」と伝えます。
権限を伴う役職にするのか、手当を付けるのか、あるいは業務を分散するのか。会社に選ばせる形にすると、話が前に進みやすくなります。
STEP3:反映されないなら、評価の仕組みごと変える
交渉して何も変わらないなら、それはその会社の評価制度がそういう設計だということです。個人の努力では変わりません。
同じ働き方をしても、それが役割として扱われて処遇に反映される職場は実在します。
転職先で同じことを繰り返さないために
環境を変えても、評価の仕組みが同じなら結果は同じです。面接では次を確認してください。
- 「評価制度はどのような項目で決まりますか」
- 「主任や管理薬剤師になるまでの平均年数はどれくらいですか」
- 「業務の分担はどのように決めていますか」
- 「直近1年で、この店舗の人員に変動はありましたか」
- 「資格取得や研修への支援制度はありますか」
評価の項目を即答できない会社は、実質的に年功と役職で決まっていると考えたほうがよいと思います。
働き方の量ではなく、役割で評価する職場はあります
同じ量の仕事をしていても、それを役割として扱い、処遇に反映する会社は確かにあります。
外から見ただけでは、その職場が本当に変わるのかどうかは分かりません。人員配置の考え方、欠員が出たときの対応、評価の仕組み──こうした内側のことは、求人票には書かれていないからです。
ただ、複数の薬局を見ているエージェントであれば、応募前に確認してもらえます。「今すぐ転職する」ではなく「今の職場が普通なのか知りたい」という相談の仕方で構いません。
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まとめ|配分を決めているのは、あなたではありません
業務が集まってくるのは、あなたが有能だからです。そこは誇っていい部分です。
ただ、その配分を決めているのは会社であって、あなたではありません。
断れない自分を責める必要はありません。責めるべきは、可視化も評価もしない仕組みのほうです。
記録を取る。役割として扱ってもらう交渉をする。変わらなければ、評価の仕組みが違う場所へ移る。
その順番で動けば、同じ力を使っても結果は変わります。
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薬剤師業界を取り巻く環境は、ここ数年で大きく変わってきています。最新の業界ニュースをもとに、キャリアを考えるうえで知っておきたいポイントを整理しました。
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こうした業界の動きを踏まえると、今の職場環境や将来のキャリアについて改めて考えてみる価値はあります。転職するかどうかは別として、まずはエージェントに相談して求人情報を見てみるのもひとつの方法です。登録・相談は無料です。
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この記事の運営者:ぴろしき
調剤併設ドラッグストアで働く現役の管理薬剤師・薬局長。自身のパワハラ・転職経験をもとに、薬剤師が働きやすい環境を選ぶための情報を発信しています。詳しいプロフィールはこちら



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