オルガノンは2026年10月、脂質異常症の治療薬「アトーゼット配合錠LD」「アトーゼット配合錠HD」の販売を中止すると、医療関係者向けのサイトで案内しました。両製品は、7月(HD)と9月(LD)から限定出荷が続いていました。代替候補として、日本ジェネリックの「エゼアト配合錠LD/HD「JG」」が案内されています。
この記事では、案内の内容と経緯、薬局で確かめておきたいこと、患者さんへの説明の例をまとめます。
※2026年10月29日時点のオルガノンの案内の内容をもとにしています。供給の状況は変わることがあるため、最新の情報はメーカーのお知らせで確かめてください。治療薬の選び方は処方医の判断です。
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この記事の要点
- アトーゼット配合錠LD/HDは販売中止。経過措置期間の満了は2028年3月末の予定
- すでに限定出荷中:HDは7月初旬から(出荷量は約50%)、LDは9月初旬から(約25%)の見込みと案内されていた
- 代替候補は、エゼアト配合錠LD「JG」・HD「JG」(日本ジェネリック)
- 新しい患者さんへの供給は難しく、いま飲んでいる患者さんにも必要な量を届けにくい状況
- 薬局は、該当の患者さんを洗い出し、処方の書き方を確かめ、処方医と早めに相談する
案内の内容
| 時期 | 対象 | 内容 |
|---|---|---|
| 2026年7月 | アトーゼット配合錠HD | 限定出荷(7月初旬から)。出荷量は2026年1〜6月と比べて約50%の見込み |
| 2026年9月 | アトーゼット配合錠LD | 限定出荷(9月初旬から)。出荷量は2026年2〜7月と比べて約25%の見込み |
| 2026年10月 | アトーゼット配合錠LD・HD | 販売中止。経過措置期間の満了は2028年3月末の予定 |
| 代替候補 | 販売元 | 薬価基準収載医薬品コード |
|---|---|---|
| エゼアト配合錠LD「JG」 | 日本ジェネリック | 2189101F1038 |
| エゼアト配合錠HD「JG」 | 日本ジェネリック | 2189101F2034 |
オルガノンは、代替候補の製品について「製造販売元より代替供給が可能であることの了承を得ております」としています。経過措置の満了日と薬価削除日は、官報の告示を受けた時点で改めて案内する予定です。
出典:オルガノン「販売中止のご案内 アトーゼット配合錠LD/HD」(2026年10月)、「アトーゼット配合錠LD 限定出荷のご案内」(2026年9月)、「アトーゼット配合錠HD 限定出荷のご案内」(2026年7月)、オルガノン 供給関連情報
限定出荷から販売中止までの経緯
7月の案内によると、アトーゼット配合錠HDの製剤の製造所で製造設備のトラブルが起き、生産計画に遅れが出ました。このため、7月初旬から卸への限定出荷が始まりました。9月には、LDも同じ製造所のトラブルで生産が遅れ、限定出荷になりました。
どちらの案内でも、新しい患者さんへの供給は難しく、いま飲んでいる患者さんにも必要な量を届けるのが難しい(HDは「十分にお応えできない可能性」)とされ、代替製品への処方変更の検討と、必要最小限の注文への協力が求められていました。そして10月、「諸般の事情」により販売を中止すると案内されました。
薬局で確かめておきたいこと
該当する患者さんの洗い出し
- アトーゼット配合錠LD・HDを使っている患者さんの人数と、1か月に使う量
- それぞれの次の受診日と、残薬・在庫で何日分を出せるか
- LDとHDを分けて把握する(LDは出荷量が約25%と、より少ない見込み)
処方の書き方と切り替えの手順
処方箋が銘柄名か一般名か、「変更不可」の指示があるかによって、薬局で代替候補の製品に切り替えられるか、処方医への確認が必要かが変わります。処方の書き方を確かめたうえで、必要に応じて処方医に問い合わせましょう。
- 処方医に伝える情報:在庫の見通し、次回の受診日、メーカーが案内している代替候補(エゼアト配合錠「JG」)
- 近くの医療機関とは、次の処方が出る前に供給の状況を共有しておく
- 代替候補の製品の在庫と入荷の見込みも、卸に確かめておく(注文が集まって供給が絞られることがあるため)
患者さんへの説明の例
薬の名前や見た目が変わると、不安に感じる患者さんもいます。たとえば次のように説明できます。
「メーカーの事情で、アトーゼットの販売が中止になることになりました。先生と相談のうえ、代わりのお薬にすることがあります。お薬の名前や見た目が変わる場合は、その都度ご説明します。自己判断で飲むのをやめたり、量を変えたりしないでください。」
- 名前や見た目が変わっても、自己判断で中止しないよう伝える
- 変わったあとに体調の変化があれば、相談してもらう
- 次回の受診までの日数分を確保できるか、早めに伝える
供給の状況の確かめ方
- メーカーの医療関係者向けサイトのお知らせ(オルガノン 供給関連情報)
- 卸の担当者や、卸の発注システムの在庫情報
- 厚生労働省が公表している医療用医薬品の供給状況
- 経過措置の満了日と薬価削除日は、官報の告示とメーカーの続報
出荷調整・販売中止の対応が続く職場で働く薬剤師へ
限定出荷や販売中止への対応は、在庫の確認、処方医への問い合わせ、患者さんへの説明と、窓口の仕事を増やします。本部が情報をまとめて流してくれるか、店舗の間で在庫を融通できるかは、会社によって違います。転職や異動を考えるときは、次の点も確かめておくと安心です。
| 確かめること | 聞き方の例 |
|---|---|
| 供給の情報の共有 | 「限定出荷や販売中止の情報は、本部からどのように共有されますか」 |
| 店舗の間の在庫の融通 | 「在庫が足りないとき、ほかの店舗から融通する仕組みはありますか」 |
| 処方医への問い合わせの体制 | 「疑義照会や処方変更の相談は、1日にどれくらいありますか」 |
職場の体制は、見学で確かめるのがいちばんです。見学の申し込み方は薬局見学の申し込み方で紹介しています。ほかの出荷調整の動きはモビコールの限定出荷、業界の動きは薬剤師業界ニュース解説まとめで解説しています。
よくある質問
Q. アトーゼットは、いつまで使えますか?
オルガノンは、経過措置期間の満了を2028年3月末と予定しています。ただし、7月からHD、9月からLDが限定出荷になっていて、いまも必要な量を届けるのが難しい状況だと案内されています。経過措置の満了日と薬価削除日は、官報で告示されたあとに改めて案内するとしています。
Q. 代わりの薬はありますか?
オルガノンは代替候補として、日本ジェネリックの「エゼアト配合錠LD「JG」」「エゼアト配合錠HD「JG」」を案内しています。製造販売元から、代わりに供給できることの了承を得ているとしています。実際にどの薬にするかは、処方医と薬剤師が判断します。
Q. 薬が変わるとき、患者さんが気をつけることはありますか?
自己判断で飲むのをやめたり、量を変えたりしないことです。薬の名前や見た目が変わることがあるので、受け取るときに薬剤師の説明を聞き、分からないことはその場で聞いてください。
Q. なぜ販売中止になるのですか?
販売中止の案内では「諸般の事情」とされています。それより前の限定出荷の案内では、製剤の製造所で製造設備のトラブルが起き、生産計画に遅れが出たことが理由とされていました。
まとめ
- アトーゼット配合錠LD/HDは販売中止。経過措置期間の満了は2028年3月末の予定
- HDは7月から(約50%)、LDは9月から(約25%)限定出荷が続いている
- 代替候補はエゼアト配合錠LD「JG」・HD「JG」(日本ジェネリック)。切り替えは処方医と薬剤師の判断
- 該当の患者さんを洗い出し、処方の書き方を確かめ、次回の受診の前に処方医と相談する
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