調剤薬局やドラッグストアへの就職・転職を考える場合、大手or中小は外せない要素です。
どちらが絶対的に良いということはないのですが、
🤔「大手の方が福利厚生が良さそうだから大手が良いかなぁ」
😙「中小の方が社長と距離が近いし風通しが良さそうだから中小が良いかなぁ」
こういった先入観や感覚で決めてしまうのは危険です。
両者の違いを洗い出した上で本当に自分に合った職場を選ぶことが薬剤師としてのキャリアデザインを描く上で大切です👆
そこで本日は大手薬局と中小薬局の違いとメリット・デメリットを解説していきます🧑🏫
この記事を読めば以下のメリットが得られます🔦
✅大手薬局(ドラッグストア)と中小薬局の違いが分かる
✅自分に合った職場が分かる
✅今の職場が合っていない場合の対応策が分かる

◆“大手”と“中小”の定義◆
そもそも中小企業とは「中小企業法」によるとサービス業では常時使用する従業員の数が100人以下、小売業では常時使用する従業員の数が50人以下、または資本金の額、または出資の総額が5000万円以下と定められています。
大企業については、明確な定義はありませんが中小企業よりも規模が大きい企業であり知名度が高いことなどが特徴です。
薬局やドラッグストアにおいても同様です。
「中小薬局」は関東圏、関西圏のように地方に根付いていたり、全国的であっても数件から20〜30件程度の店舗を展開する薬局を指すことが多く、「大手薬局」は全国展開している企業を指すことが多いです。

例えば「日本調剤」や「マツモトキヨシ」などは文句なしに大手企業と言えるでしょう。
①研修・教育制度

大手薬局の場合は教育に力を入れていることが多く、教育制度が整っています。
新卒薬剤師を毎年100人以上採用している企業も多いため、知識・経験が0の人への教育に慣れていると言って良いでしょう。
人事部門に教育専門の部署があり、教育のエキスパートからノウハウを学ぶことが出来ます。
そのため、調剤スキルや知識が不十分な新卒、薬局での勤務が初めての転職者などには安心して働ける環境です。
研修を労働時間とみなしている場合も多いので、スキルアップのための資格取得や勉強会へ積極的に参加しやすいと言えます✍
しかしながら、1対多数への教育であるため、ステレオタイプな教育である事が多いです。
イメージは学校の授業のような教育です。
従業員数が多い分、より多くの人や店舗に当てはまるような教育になりがちです。
そのため社内の研修のみでは店舗独自の特殊事情には対応しきれないでしょう。
結局のところは、自分で学習する事が必要になると思います。
中小薬局は大手のような教育専門の人事担当が在籍していないことがよくあります。
体系的な教育・研修制度が整っていないことが多く、入職してすぐに実地で働くことを求められるケースがほとんどです。
そのため、新卒や未経験からの転職では働きづらさや不安を感じることもあるでしょう。
整った制度のなかでスキルアップを目指したい人にとっては、少しハードルが高くなるかもしれません。
認定薬剤師などの研修についても基本的には勤務時間外で受講する事がほとんどです。
プライベートの時間を削らなければならなくなることも覚悟しておいた方が良いでしょう。
また、薬剤師は生涯勉強し続けなければならない職種でもあります。
大手薬局にしても中小薬局にしても、職場の研修だけでは知識が不足する事も出てきますので自己学習が必須です。
何をして良いか分からない人は下記の書籍から勉強しておきましょう👇
\「コレだけは知っておきたい!」自己研鑽にオススメの書籍/
研修という点でみるなら、新卒時は大手薬局・ドラッグストアへの就職を勧めています。
なぜなら、先述した通り経験が0の人への教育体制が整っているからです。
私は現場で薬局長として働く中で、中小薬局から転職してきた方と一緒に仕事をすることもあります。
中小薬局から転職されてきた方の中には〝個性的な仕事の進め方〟をする方もいらっしゃいます。
中小薬局では体系的な研修制度が無いことが多いため仕方ありませんが、一度ついたクセは自分ではなかなか直りません。

今までなんとなく先輩のマネをしてきたけど、これって本当に合ってるのかな…。
今の職場だと聞ける人もいなくて不安だなぁ…。
このように考えている方も少なくないと思います。
特に中小企業しか経験したことのない薬剤師の方にお伝えしたいのですが、
今の自分の仕事の進め方や薬剤師としての能力に不安がある人は他の職場を見てみてください。
あなたにあった研修制度を持つ職場は必ずあります。
調剤薬局は薬局内の常識や内規が強く表れやすいですが、
実は新人の頃から教えられていたことが間違っていた
ということも往々にしてあります。
薬剤師として正しく成長していきたい人は、お試しでも良いので気軽に転職スタッフに相談して見て下さい。
②異動・転勤

大手薬局は店舗数が多く、スタッフがエリア・ブロック単位で人事を組まれることが多いため、転勤・異動はつきものです。
また、管理薬剤師以外は店舗間のヘルプに出ることもあるため、身体的にも精神的にも落ち着かないと感じる方もいます。
場合によっては地方転勤や本社勤務なども発生する事もあるため、バリバリ働いて上を目指していきたいという方にはオススメです。
しかしながら、1つの地に根を張って実力をつけていきたいと感じる方には向かないかもしれません。
最近業界ではM&Aが活発です。大企業が小型企業を吸収合併するだけでなく、大企業同士の合併も散見されます。
例えば、マツモトキヨシとココカラファインの合併や、ツルハドラッグとウエルシアの合併などが有名でしょうか。
この規模の合併になると、もともとマツモトキヨシに入社していたのにココカラファインの店舗へ異動…などという事も珍しくありません。
もともと別会社であったため、機材や内規などの違いで疲弊するリスクも考慮しておきましょう。
中小薬局は店舗数が限られているため基本的に異動が少なく、あったとしても自宅から通える範囲である場合が多いのが特徴です。
1つの薬局で長く働けることも多く、患者さんと接する機会が多いため、地域に根付いた薬局の顔として活躍することができます。
スタッフの出入りも少ないので、慣れてくると落ち着いて働けるでしょう。
地域に密着して安心して働きたいという方には向いている一方、キャリア志向の方には物足りなさを感じるかもしれません。
後述しますが、薬局勤務の悩みとしてよくトップに挙げられるのが“人間関係”です。
気の合うスタッフばかりではないのが雇われの身の定めですが、中小の薬局だと異動が少ない分、気の合わない人と同じ店舗になった時が絶望的です。
そのような状況になっても、大手薬局のようにすぐに異動出来ない可能性の方が高い事は頭に入れておくと良いでしょう。
今現在、職場の人間関係で不満を持っている方はまずは職場の上司に相談してみましょう。
異動などで環境が改善できるかもしれないので、試してみない手はありません。
上司に相談しても話を聞いてもらえなかったり、
そもそもその上司との人間関係が良くないのであれば、
転職を検討してください。
そのまま待っていても状況は変わりません。
そのような職場に毎日通い続ければ、あなたの精神が擦り減るばかりです。
③調剤機器や設備などのハード面
ここまで進化した!散剤(散薬)調剤の自動化 | ユヤマ公式コラム (yuyama.co.jp)
大手薬局はその資本の大きさから最新の設備を導入している傾向にあります。
「自動分包機」「軟膏練り機」「自動監査システム」「自動錠剤払い出し機」などの設備が整っているのも大手薬局の魅力です。
❌薬剤師がミスを起こしやすい部分や、
💦手間がかかる部分
を機械化しているので本来力を入れるべき対人業務に専念することができます。
注意点としては、
大手薬局は高級な機器を一店舗にしか導入していなくても、まるで全店に導入しているかのような宣伝(採用活動)をする傾向にあります。
機器の充実さを重視するのであれば、採用担当者には突っ込んで確認しておくべきでしょう。
中小薬局は大手薬局ほどの充実した設備を導入出来ているところは多くなく、業務においてアナログな要素が強くなりがちです。
そのため、対人業務に割く時間が限られてしまい理想とするような服薬指導が難しくなるかもしれません。
インク代や分包紙代などのコスト削減を強化しているところも多いため、働きにくさを感じる事もあるでしょう。
中小薬局は各企業で諸事情があると思いますが、正直この辺りの備品への投資をケチる会社はイマイチだと考えます。
例えば、分包紙への印字をケチってマーカーを引いて対応していたりする薬局もあるかと思いますが、そのマーカーを引く薬剤師の人件費というものも考えなければなりません。
マーカーを引くことに時間を使っている間に他の作業ができるかもしれません。
薬剤師の労働力はタダではありません。
あなたの今の職場が労働力や経費の分配を効率的にできていないと思うのであれば、その薬局は遅かれ早かれ淘汰されると思います。
今の職場に危機感や不満を抱いているのであれば、一度他の職場を見てみましょう。
④給与・待遇面

大手薬局の場合は収益が安定している事が多いので、給与やボーナスが安定しやすいだけでなく、福利厚生や研修手当などで社員に利益が還元されやすいこともメリットと言えます。
例えば育休は大手では男性でも最長3年取れる企業もあったりします。
また、借り上げ社宅・家賃補助や企業型確定拠出年金などの福利厚生が強いところが多いため、募集要項以上の給料がもらえると考えることも出来ます。
🗾同じ職場で長く働きたいと考える薬剤師や、
👵定年退職まで勤続することを考えている薬剤師
にとっては、安定して働ける職場です。
安定している反面、仕事での頑張りが給料に反映されづらい側面があります。
自店がどれだけ成果を上げても、大きく給料が上がるという事はありません。
大手企業で昇給していくにはとにかく社歴と年齢を積み上げていくしかありません。
年功序列の性格が強い為、若手薬剤師がやる気を削がれる可能性もあるでしょう。
中小薬局は新卒で入社した場合の給与水準が大手よりも高い傾向にあります。
小規模で経営している分、大手に比べると給料交渉もしやすいです。
また、組織として大きくないため、頑張れば役員クラスへの出世も望めます。
一方で、一般的には給料が頭打ちになりやすい為、結婚や出産などの大きなライフイベント時に不安を感じるかもしれません。
また、企業同士の吸収合併による影響を受けやすく、入社時と給料などの条件が変わってしまったということも起こる可能性があります。
福利厚生も大手と比べると見劣りします。女性であっても育休の取得が困難という話も聞きます。
「鶏口となるも牛後となるなかれ」ということわざがあります。「大きな集団の末端になるより、小さな集団であっても長になる方がよい」という意味です。
多少不安定でもバリバリ頑張って組織を引っ張っていきたいという方には中小薬局が向いているかもしれません。
中小薬局は大手と異なり企業情報が出回りにくいです。
なので、中小薬局を狙っている方は1人で転職活動していても効率の良い活動はできないでしょう。
素直に転職エージェントを活用して、プロの力を借りることをオススメします。
⑤人間関係

大手薬局はとにかく社員が多いため、異動・退職の影響で人の入れ替わりが激しいです。
同じ店舗で仲良くなっても、何年も一緒に働き続けるということはあまり無いでしょう。
逆を言えば気の合わない人と一緒になっても、ずっと同じ店舗という事は無いのでその点は安心できるかもしれません。
また、役職が多いため報告・連絡・相談の流れが煩雑です。
例えば、
◯◯を導入するためには課長の承認と次長の承認と部長の承認が必要…
などです。
はたから見ると無駄なステップを踏まなければならない事もよくあるため、煩わしさを感じやすいと言えます。
中小薬局は、規模が小さいため、大手薬局程人の入れ替わりが少ないです。
そのため、大手よりも慎重に人間関係を構築していく必要があります。
一度良い人間関係を作ってしまえば、その後は働きやすい環境が作れるでしょう。
また、大手ほど縦社会ではなく風通しが良い傾向にあるのもポイントです。
平社員でも社長と仲良くしていると言った話もよくあり、悩みがあっても言いやすい環境にあると言えるでしょう。
まとめ
大手と中小をどちらを選ぶかで働きやすさは大きく変わります。
性格によって合う合わないがあるので、選択を間違えないようにしたいところです🛣️
選択を間違えないようにするためには情報収集がカギとなります🔑
情報収集の主流と言えばネットですが、
大手薬局は偏った情報が多かったり、
中小薬局に至ってはそもそも情報が無かったりします💔
そんな時に頼りになるのが転職エージェントの力です💪
自力では手に入らない情報を持っていたり、
自分が大手と中小どちらに向いているかを客観的に見てくれたりするため、
転職の際には一度相談して見ることをオススメします✨
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