2026年5月1日、改正薬機法の販売制度に関する規定が施行されました。 その中に、これまであまり語られていない変化があります。要指導医薬品が、条件付きでオンラインでも販売できるようになりました。 「店舗に来た人に、対面で渡す」という前提が崩れたということです。 これは、薬剤師の働き方そのものに関わる話です。
何が変わったのか
要指導医薬品は長く、対面での情報提供と指導が必須とされてきました。ネットで売ることはできませんでした。
2026年5月1日の施行により、薬剤師がビデオ通話等を通じて適切な情報提供・指導を行った場合に限って、店舗以外の場所への特定販売、つまりインターネット販売等が可能になりました。
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あわせて、オンライン販売では次のことが義務になっています。
- 年齢確認(テレビ電話等による対面確認、またはオンラインでの本人確認)
- 数量制限の適用
なお、特定要指導医薬品については対面販売の継続が求められています。すべてが解禁されたわけではありません。
「店舗にいなくてもできる仕事」が生まれました
ここが本題です。
ビデオ通話で情報提供と指導を行うということは、その業務は物理的に店舗にいなくても成立するということです。
調剤は、原則として薬局の調剤室で行う必要があります。だから薬剤師の働き方は、店舗に縛られてきました。
ですが、オンラインでの情報提供は違います。設備と体制さえ整えば、場所の制約が外れます。
すぐに在宅勤務が広がるという話ではありません。ただ、これまで存在しなかった働き方の入口が、制度として開いたことは確かです。
この変化に乗れる会社と、乗れない会社
制度が変わっても、それを活かせるかどうかは会社次第です。
- オンライン販売の体制を作るには、システム投資と手順の整備が要る
- 年齢確認や数量管理を確実に行う運用を設計する必要がある
- ビデオ通話に対応する時間を、誰かの業務として確保しなければならない
- 店舗業務と兼務させると、結局どちらも中途半端になる
3つ目と4つ目が現実的な分かれ目です。
「今の人員のまま、空いた時間でやって」という運用にすると、現場の負担が増えるだけで終わります。
逆に、専任の体制を作る会社が出てくれば、そこには新しい働き方の枠が生まれます。
キャリアの観点で見ると
オンラインでの情報提供は、対面とは求められるものが少し違います。
- 画面越しに相手の状態を読み取る力
- 短時間で必要な情報を過不足なく伝える構成力
- 記録を確実に残す習慣
- システムやツールへの抵抗の少なさ
これらは、オンライン服薬指導や在宅での多職種連携にもそのまま応用できます。
今後の薬剤師にとって、対面以外のチャネルで患者と関わる経験は、職務経歴として意味を持つようになるはずです。
逆に、その経験を積める職場にいなければ、数年後に差がつく部分でもあります。
確かめる順番
STEP1:会社が対応するかを聞く
「要指導医薬品のオンライン販売について、うちは対応する予定がありますか」と聞いてみてください。
検討している、していない、そもそも把握していない。どれかで会社の位置が分かります。
STEP2:やるなら体制を確認する
対応する場合、専任を置くのか、現場が兼務するのかを確認してください。
兼務なら、その分の業務がどこから捻出されるのかまで聞いておくと、後で困りません。
STEP3:新しい働き方を試せる場所を知っておく
オンラインでの対応や在宅に、実際に人を割いている会社はあります。
経験を積める場所にいるかどうかは、数年後の選択肢に直結します。
新しい枠を作りにいく会社は、確かにあります
制度が変わったときに、体制を作って新しい業務の枠を用意する会社は実在します。
どちらの側の会社かは、外からは見えません。求人票に書かれるのは条件だけで、「数字が動いたときに何をした会社なのか」は載らないからです。
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まとめ|制度が開いた入口を、誰が使うかはまだ決まっていません
要指導医薬品のオンライン販売は、始まったばかりです。どの会社がどこまでやるかは、これから決まります。
つまり今は、動く会社と動かない会社の差が生まれる直前の時期です。
「店舗にいなくてもできる仕事」が制度として認められた意味は、思っているより大きいかもしれません。
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この記事の運営者:ぴろしき
調剤併設ドラッグストアで働く現役の管理薬剤師・薬局長。自身のパワハラ・転職経験をもとに、薬剤師が働きやすい環境を選ぶための情報を発信しています。詳しいプロフィールはこちら


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