はじめに
「育休って取れるの?」
「生活できるの?」
そう不安になる薬剤師は多いと思います。特に年収がそれなりにある人ほど、「給付金じゃ足りないんじゃ…?」と心配になるものです。
そこで今回は、
年収600万円の薬剤師(30代)が、2025年の法制度を活用して1年間の育休を取得した場合のリアルな家計シミュレーション
をお届けします。
年収600万円という数字は、薬剤師にとってはある程度の昇進や転職によって充分に狙える年収であるため、今回はこの数字でシミュレーションしてみることとしました。
私自身も育児休業を1年間取得してきておりますので、記事に一定の信頼性は担保できると考えております。
育休取得を悩んでいる皆さんの参考になれば幸いです。
① 収入面:1年間の給付金はいくらもらえる?
■ 年収600万円薬剤師のモデル収入
- 月収(ボーナス含む12等分):50万円
- 育休中の給与:ゼロ(無給)
- 受け取れるのは【出産手当金】【育児休業給付金】【出産育児一時金】
■ 支給内容シミュレーション

給付種別 | 支給額 | 備考 |
---|---|---|
出産育児一時金 | 50万円 | 健康保険から。出産費用補填 |
出産手当金 | 約108万円 | 出産前42日+出産後56日 |
育児休業給付金(前半) | 約31.5万円 × 6カ月 = 189万円 | 180日まで:67%(上限あり) |
育児休業給付金(後半) | 約23.5万円 × 6カ月 = 141万円 | 181日以降:50%(上限あり) |
合計 | 約438万円 | 給与ゼロでもここまで支給される!👌 |
※給付金は非課税です。
✅ 収入のまとめ
- 年収600万円 → 育休中収入は約 438万円
- 実質的な「手取り換算」だと、育休中の収入は通常の手取り年収(約470万円)の9割近く
② 支出面:30代薬剤師家庭の平均支出は?
ここでは、以下のような家族構成を想定します:
例)夫:薬剤師(育休取得中)/妻:パート勤務(年収100万円程度)/0歳児1人

■ 月間支出のモデル(総務省家計調査2024年 + 育児費加味)
項目 | 金額(目安) | 備考 |
---|---|---|
住居費 | 8万円 | 賃貸 or ローン |
食費 | 7万円 | 離乳食など加わる |
光熱水道 | 2.5万円 | 電気代・水道・ガス |
通信費 | 1.5万円 | スマホ2台+Wi-Fi |
日用品・雑費 | 1.5万円 | オムツ、ミルク、洗剤など |
教育・保育費 | 1万円 | 保育園なし・習い事なし(0歳児) |
保険料 | 2万円 | 生命・医療保険等 |
医療費 | 0.5万円 | 子ども医療費助成により自己負担少 |
車関連 | 3万円 | 維持費・ガソリン代 |
趣味・娯楽 | 1万円 | 外食・レジャーなど控えめに |
交際費 | 1万円 | 友人・親戚関係 |
予備費・突発支出 | 2万円 | 急な出費・医療・プレゼントなど |
合計 | 約32万円 | 月支出 |
✅ 年間支出のまとめ
- 月支出:約32万円 × 12カ月 = 384万円/年
- 年間収入(給付金合計):約 438万円
- 年間収支:+54万円の黒字見込み
ちなみに、育休に入ると家に居ることが多くなるので水道ガス光熱費はもう少し高く見積もっても良いかもしれません。
③ 家計の現実的ポイントと注意点
✅ 黒字になるとはいえ、こんな落とし穴も…
- ✅ ボーナスは基本出ない
→ 所得ベースで比較すると、育休中はボーナス分の収入がゼロになるため、想定よりも「ゆとり」は減る可能性があります。 - ✅ 住民税は前年の収入に基づいて発生
→ 収入が減っても、前年分の住民税はしっかり請求されます。毎月1〜2万円程度の支払いは覚悟。 - ✅ 保育園申し込みタイミングに注意
→ 1歳復帰を狙うなら、0歳児クラスでの途中申し込みがカギ。地域により難易度が大きく異なる。保活をしっかりやる!! - ✅ 妻の扶養に入れるとは限らない
→ 給付金は「収入」としてカウントされないが、他の条件次第では妻の扶養に入れないケースも。
④ 結論:薬剤師でも育休は“現実的”に取れる時代へ
- 最新制度では「転職後すぐ」「男性でも」育休が取りやすくなり、金銭面も十分にサポートされる
- 一般的な支出を抑えられれば、1年間の育休でも家計は黒字になる可能性あり
- 不安なら「ふるさと納税」「支出の見直し」「パート収入の活用」などでさらに家計を安定化させることも可能
✍️ 最後に一言(体験談から)
正直「年収が下がるのが怖い」と思っていたけど、実際に育休を取得してみたら、“心の余裕”と“時間”こそが何よりの資産”だったと気づけました。
子どもの成長を毎日そばで見られる経験は、何にも代えがたいものです。
また、育休を取れる期間に育休を取っても取らなくても育児は続いていきます。
育休を取る事で集中して家事や育児に取り組む時間ができ、それらのスキルが伸びるので家に帰ってからも自信を持って取り組めます。
一定レベル以上に家事育児が出来ると奥様からの信頼も上がりますので、家での居心地も良くなりますよ☺
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