2026年度調剤報酬改定に向け、中医協の議論が一気に動き始めました。
特に今回多くの薬剤師から注目されているのが、
「かかりつけ薬剤師制度のノルマ化」
「地域支援体制加算・在宅体制の地域格差」
「小規模薬局の乱立と調剤基本料1の見直し」
「調剤報酬体系そのものの簡素化」
といった、“現場の働き方を根本から揺さぶる変更”が議論対象になっている点です。
この記事では、調剤報酬改定案を現場視点で読み解きながら、
「薬剤師がキャリアを守るためには、どのタイミングで“動く”べきなのか?」
という核心にも触れていきます。
厚労省が2025年11月に示したデータでは、
2015年に掲げられた「門前薬局からの脱却」という国家方針にもかかわらず、
- 処方箋集中率85%以上の薬局は32.5% → 39.3%へ増加
- 都市部を中心に小規模薬局が乱立
- 薬局数だけ増えて薬剤師数は横ばい
という、完全に「逆方向」へ進んでいる実態が浮かび上がりました。
特に薬局の増加ペースが速い都市部では、
“薬剤師が足りないのに薬局が増える”という構造的な歪みが深刻化しています。
結果として:
- 1人薬剤師の「薄いシフト」
- 忙しすぎて加算が取れない
- 在宅に出られない
- かかりつけ算定どころではない
という悪循環が、いま多くの現場で起きています。
増え続ける門前薬局は「薬局ビジョンと逆行」の現実を表していると言えます。
また、創設から約10年が経つ「かかりつけ薬剤師指導料」。
厚労省が示した現状は衝撃的で、
算定割合は処方箋受付のうち “5%未満”。
制度にインセンティブ(=診療報酬)を入れたのにも関わらず、
ほとんど普及していません。
さらに問題となっているのが、
一部薬局では、かかりつけ薬剤師の同意取得数に“ノルマ”が課されている
という、現場では“あるある”の実態。
「今日5件はかかりつけ取ってきて」
「算定が少ないと評価が下がる」
「月末になると“巻き取り”が始まる」
こうした光景を経験した薬剤師も少なくないでしょう。
日薬副会長も中医協で、「ノルマ化は本来の姿ではない」
と明言しており、
“制度そのものの見直し”に舵が切られる可能性が極めて高い状況です。
かかりつけ薬剤師の算定率「5%以下」という現状は、制度10年で成果なしと判断されているという事です。
地域支援体制加算・在宅体制加算についてですが、
地域支援体制加算2(40点)を算定するには、10実績要件のうち8つ以上を満たす必要があります。
しかし、地方では「患者数」「他職種連携の機会」そのものが少ないため、
努力ではどうにもならないケースが多く、都市部との格差が開き続けています。
松本委員は、地域差の是正のために
- 医療資源に応じた要件を地域別に調整
- 調剤室面積や薬剤師数の要件化
など、薬局の構造改革レベルの提案をしています。
特に注目したいのはこれ👇
「集中率85%以上なのに調剤基本料1を算定している薬局を除外すべき」
という点です。
これは門前薬局に対する“強烈なメス”であり、
都市部の小規模薬局の経営を直撃する可能性が高い論点です。
そして、今回は2024年答申書の付帯意見を引き継ぐ形で、
調剤報酬体系の簡素化もセットで議論されています。
主な論点は、
- 調剤管理料を“一律点数化”する案
- 重複投薬・相互作用防止加算の見直し
- 吸入薬指導加算の対象拡大(抗インフル薬の追加)
驚く薬剤師も多いでしょうが、
この案は“業務量の大小に関わらず”一律点数にするというもの。
つまり、
- 14日処方でも
- 90日処方でも
- 多剤併用でも
- 単剤でも
同じ点数となり得る改革です。
すでにICT(電子処方箋・レセ電)で業務軽減が見えてきているため、
報酬を“圧縮”する方向に議論が進みやすくなっています。業務量に見合わない算定が消えていくかもしれません。
2026年改定は「薬局の淘汰」に直結します。
今回の議論を一言でまとめると、
「都市部の小規模薬局と“算定頼み経営”の薬局は生き残れない」
という方向性が色濃く感じられます。
- 調剤基本料1の厳格化
- かかりつけ薬剤師制度の抜本見直し
- 地域支援体制加算の要件改善 or 絞り込み
- 小規模薬局の乱立抑制
- ICTによる加算の縮小
これらが同時に動けば、
2026年改定は「構造改革レベル」になる可能性が高い
と言えます。
そしてこの流れは、薬剤師個人にも確実に影響します。
現場薬剤師への影響としては、“働き方の二極化”がさらに進むと考えられます。
2026年度改定の方向性を踏まえると、薬剤師の働き方は以下のように二極化します。
- 在宅・地域連携ができる
- かかりつけ業務に抵抗がない
- 多職種との情報共有がスムーズ
- ICTツールの活用が得意
- 大型薬局・グループ薬局で働く
- 1人薬剤師で手一杯
- 加算が取れない小規模薬局勤務
- 在宅経験なし
- そもそも制度改定に追いつけない
- 門前薬局に依存した働き方
2026改定を見据えたとき、
特に“早めの転職”を検討した方がいい人のは、以下に当てはまる薬局で働く薬剤師です。
■ かかりつけの“ノルマ化”が続く薬局
→ 今後さらに負担が増え、業務は厳しくなる一方
■ 小規模薬局(薬剤師が1~2名)の薬局
→ 調剤基本料の見直しで経営リスクが高まる
■ 在宅業務がほぼない or 拒否できない文化の薬局
→ 今後は在宅経験がキャリアの必須条件に
■ 多店舗展開しておらず、地域支援体制加算を取り切れていない薬局
→ “評価されない職場”で働き続けることになる
では、どのタイミングで転職すべきなのでしょうか。
結論、2026年度改定前の“今”がもっとも適しています。
理由はシンプルです👇
■ 改定後は薬局側が採用を絞るから
→採用枠そのものが縮小する恐れがある
■ 在宅・かかりつけ経験者の価値が急上昇するから
→未経験者は応募が通りづらくなる
■ 大手ドラッグ/大手チェーンは、改定前に薬剤師確保に動くから
→今が交渉しやすく、年収も上がりやすい
まとめとなりますが、これからの薬剤師には「制度改定の波」に飲まれないキャリア戦略が必要です。
2026年度の調剤報酬改定は、
これまでの“小幅調整”とはレベルが違う、「構造改革」寄りの改定になる可能性があります。
- 門前薬局の扱い
- 調剤基本料の見直し
- かかりつけ薬剤師制度の再設計
- 地域支援体制加算の地域格差
- 業務のDX化による加算調整
これらはすべて、
あなたの職場の働き方・負担・収入・評価に直結する問題。
「気づいたら取り残されていた…」
という未来を避けるために、
✔ いまのうちに働き方の選択肢を持っておく
✔ 改定に強い薬局へキャリアをシフトしておく
✔ 転職市場の動きを把握しておく
これが2026年改定を生き抜く最も確実な方法です。
改定に強い薬局へ“安全に”移りたい薬剤師の皆さんにとって、
薬剤師特化の転職エージェントに一度相談しておくのが最も安全な対策です。
2026年改定で有利になる薬局は、
- 在宅体制がある
- 地域支援体制加算を取れている
- 多店舗で連携が強い
- ICT活用が進んでいる
- 人員配置に余裕がある
といった“制度改定に強い薬局”です。
ただ、これらは求人票だけでは一切わかりません。
そこで、
内部事情を把握し、制度改定に強い職場を知っている 薬剤師特化の転職エージェント を使う手段が、最も確実です。
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