薬剤師として働く中で、同じシフトに入っているのに
「仕事が早く終わる人」と「いつもバタバタしている人」―――
この2者に分かれてしまうのはなぜでしょう。
その違いの大きな要因の一つが、
「やりたい作業」を優先するのか、それとも「やるべき作業」を優先するのか
という“優先順位の付け方”です。
調剤・服薬指導・薬歴記載・在庫管理――薬剤師の仕事は多岐にわたります。
しかし、同じ1日8時間の中でも、何から手を付けるかによって業務効率も評価も大きく変わります。
本記事では、薬剤師の仕事の進め方における2つのタイプの違いを具体例とともに解説し、
信頼される働き方とキャリアアップにつながる優先順位の付け方をお伝えします。
「やりたい作業」を優先する薬剤師とは
特徴
- 気分が乗る仕事から始める
- 得意分野・好きな業務に集中する
- 苦手な作業や雑務は後回しにしがち
例
- 調剤が好きな薬剤師が、先に調剤棚の整理や計数調剤を黙々と進める
- 患者対応が好きな薬剤師が、服薬指導の時間を長く確保する→なんなら薬歴も
ダラダ、丁寧に書く - 在庫管理が好きな薬剤師が、在庫チェックを朝一で始める
このスタイルのメリットは、気分が乗りやすく、モチベーションが高く保てること。
しかし、後回しにした「やるべき作業」が時間切れになったり、急ぎの依頼に対応できず他人に迷惑をかけるリスクがあります。
「やるべき作業」は必ずやらなければならないので、誰か他の人が割を食う形にも繋がってしまいます。そうなると、店舗メンバーからの信頼も落ちてしまいます。
「やるべき作業」を優先する薬剤師とは
特徴
- 緊急度や重要度の高い作業から取りかかる
- 苦手な業務でも先に片付ける
- 全体の流れを見て段取りを組む
例
- 期限の迫った薬歴記載や監査を朝一で終わらせる
- 午後に患者が集中する時間を見越し、先に準備業務を済ませておく
- シフト全体の業務量を見て、人手が足りないところに回る
このスタイルは、チーム全体の業務がスムーズに進む反面、好きな作業に割ける時間が減り、モチベーション維持が難しい場合があります。
しかしながら、タスク処理そのものにやりがいを見いだせれば、店舗が上手く回っていることにモチベーションを感じられるようにもなります。
評価・信頼度の差
実際の現場では、上司や同僚の信頼は「やるべき作業」を優先できる人に集まりやすいです。
理由はシンプルで、
職場全体のリスクや遅延を減らせる人が組織では重宝されるからです。
一方で、「やりたい作業」ばかり優先すると…
- 自分の満足度は高いが、周囲のサポートが遅れる
- 「マイペース」「協調性に欠ける」と見られることも
バランスを取るための考え方
理想は、「やるべき作業」を先に片付けつつ、その後に「やりたい作業」で気分を上げる流れ。
おすすめの優先順位の組み方
- 緊急度・重要度の高い作業(期限・患者安全に関わるもの)
- 苦手だけど避けられない作業(薬歴記載、在庫発注など)
- モチベーションが上がる作業(得意・好きな業務)
この順で動くと、トラブル防止と気分の維持の両立が可能になります。
タスク処理の優先順位付けについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
仕事をスピーディに進めるエッセンスを詰め込んでいるのでぜひ読んでみて下さい👇
キャリアへの影響
- やるべき作業優先型 → 管理職やリーダー職に抜擢されやすい
- やりたい作業優先型 → 専門性やスキルを深掘りしやすいが、組織運営面では評価が低くなりがち
もし将来、薬局長や管理薬剤師を目指すなら、「やるべき作業優先」のスキルは必須です。
まとめ
薬剤師としての1日の過ごし方は、
「やりたい作業」から始めるか、
「やるべき作業」から始めるかで変わります。
- 気分優先 → モチベ維持には◎だが、信頼構築には△
- 優先度重視 → 信頼度◎だが、楽しみは後回し
最も成果が出やすいのは、
やるべきことを片付けてから、やりたいことを全力で楽しむスタイルです。
コメント