「志望動機に何を書けばいいのか分からない」「本当の転職理由をそのまま書いてもいいのか」。薬剤師の転職で、多くの人がつまずくのが志望動機です。
この記事では、採用する側が志望動機で何を確かめているのかを押さえたうえで、志望動機を組み立てる手順、転職理由ごとの言い換え方、職場別の例文を紹介します。パートで働きたい人向けの例文も載せています。
この記事の要点
💊 薬剤師転職をお考えなら
- 志望動機は「なぜ転職するか」「なぜこの職場か」「何で貢献できるか」の3つで組み立てる
- いちばん大事なのは「その職場ならではの理由」。ここが抜けると、どこにでも出せる文章になる
- 本音の転職理由は、嘘にせず「次に何を実現したいか」の形に言い換える
採用する側が志望動機で確かめていること
志望動機は、単に熱意を見るためのものではありません。採用する側は、主に次の3点を確かめています。
| 確かめていること | 伝わらないと思われること |
|---|---|
| なぜこの職場を選んだのか | 条件が合えばどこでもいいのでは |
| 長く働いてもらえそうか | 入職しても、すぐに辞めてしまうのでは |
| 入職後に何ができるのか | どの業務を任せられるのか分からない |
この3点に答える形で書けば、志望動機は大きく外れません。
志望動機の作り方(3ステップ)
ステップ1:転職の理由を、前向きな言葉に置き換える
まず、なぜ転職したいのかを正直に書き出します。そのうえで「何が嫌だったか」を「次の職場で何をしたいか」に置き換えます。言い換え方は、次の章で転職理由ごとに紹介します。
ステップ2:応募先ならではの理由を1つ見つける
求人情報、応募先のホームページ、見学で見たことの中から、その職場にしかない特徴を1つ選びます。たとえば、在宅訪問に力を入れている、特定の診療科の処方が多い、教育の仕組みがある、といった点です。
ステップ3:自分の経験とつなげる
ステップ2で選んだ特徴に、自分のどの経験が活かせるのかを書きます。経験は、応需科目や担当した業務など、具体的な言葉で書くほど伝わります。
長さの目安
- 履歴書:志望動機の欄に収まる長さ(200〜300字程度)
- 面接:1分前後で話せる長さ。履歴書の要点に、経験を1つ加える
転職理由別:本音の伝え方
本音の転職理由を隠す必要はありません。ただし、そのまま伝えると不満に聞こえやすいので、次に何を実現したいのかの形に言い換えます。言い換えた内容は、面接で深く聞かれても説明できる範囲にとどめましょう。
| 本音の理由 | 伝え方の例 |
|---|---|
| 人間関係がつらい | 薬剤師同士で相談しながら業務を進められる体制で働きたい |
| 残業が多い | 生活と両立しながら、長く働き続けられる環境を求めている |
| 年収を上げたい | 経験や役割が評価に反映される環境で、責任ある立場を担いたい |
| 成長できないと感じる | 〇〇の分野の経験を積み、専門性を高めたい |
| 育児や介護と両立したい | 家庭と両立しながら、地域の患者さんに継続して関わりたい |
勤務時間や曜日など、どうしても譲れない条件がある場合は、志望動機ではなく履歴書の本人希望記入欄に書くと、志望動機が条件の話だけにならずに済みます。
NG例と改善例
NG例1:前の職場への不満をそのまま書く
NG:前の職場は人間関係が悪く、残業も多くて限界でした。御社は残業が少ないと聞いたので応募しました。
改善例:前職では調剤と疑義照会を通じて、処方内容を確認する力を身につけました。今後は患者さんへの服薬指導により時間をかけられる環境で働きたいと考え、在宅医療に力を入れている貴薬局を志望しました。
NG例2:条件だけを並べる
NG:年収が高く、土日が休みで、家から近いので応募しました。
改善例:腰を据えて長く働ける職場を探しており、貴社の研修の仕組みに魅力を感じました。前職での〇〇の経験を活かし、早い段階から店舗の業務を担えるよう努めます。
NG例3:抽象的すぎる
NG:患者様のために頑張りたいと思い、応募しました。
改善例:前職で在宅訪問を担当し、患者さんの生活に合わせた服薬指導の大切さを実感しました。地域の在宅医療に取り組んでいる貴薬局で、この経験をさらに深めたいと考えています。
職場別の例文
〇〇の部分は、ご自身の経験や応募先の特徴に置き換えて使ってください。
調剤薬局へ応募する場合
前職の調剤薬局では〇年間、服薬指導・疑義照会・在庫管理を担当してきました。今後は、かかりつけとして同じ患者さんに継続して関わりたいと考えています。貴薬局が地域の医療機関と連携して在宅医療に取り組んでいることを知り、これまでの経験を活かせると考えて志望しました。
病院へ応募する場合
調剤薬局で働くなかで、医師や看護師と連携しながら治療に関わりたいと考えるようになりました。貴院では病棟業務やチーム医療に薬剤師が参加していると伺い、外来処方で身につけた薬の知識と患者さんへの説明の経験を、入院治療の場で活かしたいと考えています。
ドラッグストアへ応募する場合
調剤業務で身につけた薬の知識を、OTC医薬品の相談にも活かしたいと考えました。貴社は調剤併設の店舗を展開しており、処方箋への対応と市販薬の相談の両方を通じて、地域の方の健康を幅広く支えられる点に魅力を感じています。
企業(製薬会社・CRO・DIなど)へ応募する場合
調剤薬局での服薬指導を通じて、正確な医薬品情報を分かりやすく伝えることの大切さを実感しました。薬剤師として現場で得た視点を、医薬品の情報を扱う立場で活かしたいと考え、〇〇の領域に力を入れている貴社を志望しました。
パートで応募する場合
子育てと両立できる働き方を考え、〇〇の時間帯で勤務できる職場を探しています。前職では〇年間、内科を中心とした処方の調剤と服薬指導を担当してきました。貴薬局は近隣の医療機関の処方が中心で、これまでの経験をすぐに活かせると考え、志望しました。
パートの場合は、勤務できる曜日や時間帯を最初にはっきりさせておくと、応募先とのすれ違いを防げます。午前中だけ働きたい場合の求人の探し方は薬剤師パートで午前のみ働くには、希望の曜日や退勤時間に合わせた相談先の選び方は薬剤師パートの転職エージェント比較で詳しく紹介しています。
履歴書と面接での使い分け
- 履歴書:3つの要素を簡潔にまとめる
- 面接:履歴書の内容に、それを裏づける経験を1つ加えて話す
- 面接では「なぜ当社なのか」「入職後に何をしたいか」を深く聞かれることが多い。履歴書に書いたことを、自分の言葉で説明できるようにしておく
面接の最後に聞く質問も、志望動機とつながっていると説得力が増します。質問の例は薬剤師の転職面接で使える逆質問30選にまとめています。
提出前のチェックリスト
- 「なぜ転職するか」「なぜこの職場か」「何で貢献できるか」の3つが入っている
- 応募先ならではの理由が1つ入っている
- 前の職場への不満がそのまま書かれていない
- 条件の話だけになっていない
- 面接で深く聞かれても説明できる内容になっている
- 応募先の名称や特徴に誤りがない
志望動機の作成は、転職エージェントにも相談できる
薬剤師向けの転職エージェントの多くは、応募書類の添削や面接対策に対応しています。応募先の特徴を踏まえて、志望動機の伝え方について意見をもらえるのが利点です。対応の範囲はサービスによって異なるので、登録時に確認してください。


よくある質問
Q. 年収を上げたいことを、志望動機にしてもいいですか?
年収だけを理由にすると「条件が合えばどこでもいい」と受け取られやすくなります。経験や役割が評価に反映される環境で働きたい、責任ある立場を担いたい、というように、何をして評価されたいのかとあわせて伝えましょう。
Q. 前の職場への不満は、正直に話した方がいいですか?
嘘をつく必要はありませんが、不満をそのまま並べるのは避けます。「何が合わなかったか」ではなく「次の職場で何を実現したいか」の形に言い換えると、同じ事実でも前向きに伝わります。
Q. 面接では、志望動機をどのくらいの長さで話せばいいですか?
1分前後で話せる長さが目安です。履歴書に書いた要点に、それを裏づける経験を1つ加えると伝わりやすくなります。
Q. 同じ志望動機を、複数の応募先で使い回してもいいですか?
骨組みは共通でも構いませんが、「その職場ならではの理由」の部分は応募先ごとに書き換えます。ここが同じだと、どこにでも出せる文章になってしまいます。
まとめ
- 志望動機は「なぜ転職するか」「なぜこの職場か」「何で貢献できるか」の3つで組み立てる
- 応募先ならではの理由を必ず1つ入れる
- 本音の転職理由は、次に何を実現したいかの形に言い換える
履歴書の他の項目や職務経歴書の書き方は、薬剤師転職の履歴書・職務経歴書の書き方で解説しています。
エージェント選びで迷う場合は、ファルマスタッフとレバウェル薬剤師の比較も参考にしてください。


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