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OTC類似薬の保険外しに多くの薬剤師が肯定的──現場の賛否と今後の影響とは?

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政府が2026年度にも実施を目指す「OTC類似薬の保険適用除外」方針に対して、薬剤師の多くが前向きな意見を示しています。一方で、現場では患者への影響や薬局経営への懸念も根強く、慎重な議論が求められています。


■ OTC類似薬「保険外し」って何?

政府は「骨太の方針2025」で、OTC(市販薬)と成分が重複する医療用医薬品=OTC類似薬について、保険適用の見直しを検討中です。

対象はフェキソフェナジン(アレルギー薬)やロキソプロフェン(鎮痛薬)など、約7000品目に及ぶとされ、2026年度から一部薬効群の保険除外が始まる可能性があります。


■ 【調査結果】薬剤師の7割が「保険外し」に肯定的

「日経ドラッグインフォメーション」の調査(2025年7月/有効回答1311人)によると、**「賛成」「どちらかといえば賛成」と答えた薬剤師は69.6%**に上り、多くの現場薬剤師が改革に理解を示しています。

肯定的な理由は以下の通り:

  • 国民医療費を抑制するため(817人)
  • 医薬品目的の安易な受診を減らすため(665人)
  • OTC薬と効果が大きく変わらないため(483人)

■ それでも根強い「反対」の声──薬剤師会・医師会は慎重姿勢

ただし、日本薬剤師会は公式に反対を表明しており、記事内でも紹介されている「自由記述欄」には慎重な意見も数多く見られました。

  • 高齢者や慢性疾患患者の自己負担増加
  • 経済的理由による受診控えの可能性
  • 医療機関・薬局経営への影響
  • セルフメディケーションによる重大疾患の見落とし

特に、経営影響については「悪化」「やや悪化」と答えた人が66.9%に達しており、現場での不安は決して小さくありません。


■ 「全除外」は少数派、対象はビタミン剤・湿布などに限定?

「保険適用から外してよい薬効群」(複数回答)としては、以下が上位に。

  1. ビタミン剤(855件)
  2. 外用消炎鎮痛薬(湿布など)(779件)
  3. かぜ薬、口腔用薬、美容目的の医薬品(自由記述より)

一方で、「すべて外すべき」と答えたのはわずか275件にとどまり、「一部のみ除外」への支持が主流でした。


■ セルフメディケーションの課題と期待

政府はOTC化の加速も打ち出しており、2026年末までに60成分以上のスイッチOTC(医療用から市販薬への転用)を目指しています。

これには7割超の薬剤師が賛成していますが、「使用判断の難しさ」「リスク見落とし」への懸念も多数。現場では薬剤師のスキル強化やトレーニングが前提条件とされています。


■ 「保険外し」は転職のきっかけになる?薬剤師の将来展望

今後、薬局経営や業務体制が変化する中で、「より専門的に」「より裁量ある環境で」働きたいと考える薬剤師も増えるかもしれません。

特に以下のような方にはキャリアの見直しもひとつの選択肢です:

  • 零売やOTC販売に不安がある
  • 調剤偏重から脱却したい
  • 地域連携や在宅に関わりたい
  • 経営方針と価値観が合わないと感じる

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■ 結論:改革の是非より「実行設計の透明性」と「多面的な議論」が鍵

本調査は薬剤師の「現場感」を知るうえで有益ですが、以下の点も重要です。

  • 患者側の影響(特に社会的弱者への配慮)
  • 政策の実行段階での制度設計
  • 医師・薬剤師・患者の三者の対話
  • OTC類似薬の範囲・定義の明確化

「セルフメディケーション」はあくまで手段であり、それが全ての人に適応可能という前提は危ういものです。医療の本質は「誰でも必要な時に、適切な医療が受けられる」ことであり、制度改革もその原則に則るべきでしょう。


📢 最後に:薬剤師のキャリアは「制度改革」にも左右される

働く環境が変化する今、今後のキャリアを見直したい薬剤師の方は、早めに情報収集を始めるのが賢明です。

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【参考】

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