薬剤師が育休を取得すべき理由5選 ※筆者は1年間取得しました

メリット・デメリット

今度子どもが産まれるんだ!奥さんからは育休取って欲しいって言われているんだけど、どうしようか迷うなぁ…。

ぴろしき
ぴろしき

それはおめでとうございます!私は自分の時は育休を1年間取りましたが、薬剤師が育休を取るとたくさんのメリットがあります!その中でも代表的なものを紹介していきますね!

本日は、薬局長兼管理薬剤師でありながらも育休を1年間取得した私が感じる、薬剤師が育休を取得すべきメリットを紹介していきます。

昨今、男女平等が叫ばれていますが、日本の男性の育休取得率はなかなか思うようには伸びていません。

今回の記事では男性の育休取得率アップに少しでも貢献できればとの思いから、男性側の視点が強くなっていますがご了承ください🙏

\この記事を書いた人/

🌟30代薬剤師 一児の父🌟

OTC薬剤師🐣

大手企業の人事採用担当👔

調剤併設ドラッグストアの調剤室の薬局長💊

ドラッグストア勤務に興味ある薬剤師さんに向けて、役に立つ記事を書いていきます!

◆保有資格◆
✅研修認定薬剤師
✅日商簿記3級
✅販売士検定2級

◆趣味◆
🥊格闘技全般

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小児処方の服薬指導がレベルアップする

小児処方の服薬指導って苦手…。投薬の時に保護者の方からの質問に答えられるかドキドキしてしまうよ💦

“小児の服薬指導”といえば、若手薬剤師の中でも苦手としている人は少なくないですよね。

なぜ苦手意識があるかというと、自分が育児を経験しておらず、イメージが湧きにくいからです。

❓「月齢がどれくらいの子だと離乳食の状況はどうだろうか」

❓「何時頃に起きて何時頃に寝ているだろうか」

❓「保育園や幼稚園に通っている場合の生活リズムはどうだろうか」

など、小児の服薬指導は大人の患者さんへの服薬指導と違って個々のパターンが多いです。

😏「小児の服薬指導なんて教科書通り“粉薬はペースト状に練って頬の裏貼り付けて下さい”でいけるっしょ!」

という声も聞こえてきそうですが、実際に子育てを経験してみると教科書通りにいくケースの方が少ないという現実に直面するでしょう。

小児用のドライシロップなどは甘めに味付けされているものも多いですが、「甘い薬だと飲まない」という子もいたりします。

クラリスとムコダインを混ぜると苦味が強く出るのは有名ですが、全く問題なく飲める子もいます。

何が言いたいかというと、子どもは個々人によって様々な服薬方法があることを知っておくことが大切だという事です。

その上で、「自分の子どもの場合は○○な方法で飲ませています」というようなアドバイスが出来れば保護者からの信頼度アップにも繋がります。

これがもし仮に育休を取っておらずフルタイムで働いているとしたらどうでしょうか。

9:00-18:00のシフトだったとしても、

⏰7:00起床

🚶8:00家を出る

🥼9:00~18:00働く

🏠19:00帰宅

というような生活リズムになってしまい、子どもの服薬にはほとんど対応出来ないでしょう。

育休を取得していれば子どもの服薬を実際に経験することが出来ます。

自分の子どもに初めて薬を飲ませるのは多くの親御さんが不安に感じます。

実体験をもって服薬指導すれば、保護者の方の安心感アップにも繋がるでしょう。

ぴろしき
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自分の子どもと普段から接する時間が長いと、患児のお子さんへの自然な対応も出来るようになってきます。そういった側面からも、保護者の方を安心させることが出来ますね✨

読んでおくと安心!

マルチタスク対応が得意になる

今の勤務先って本当に人手が足りなくて…。調剤事務もいないから、受付から薬剤師がやったりもするんだよ💦

昨今の薬局やドラッグストアなどは人件費削減を強く言われているところが多く、業務量の多さに疲弊している方も少なくないのではないでしょうか。

調剤報酬や薬価の改定で業界全体に逆風が吹いているような状況が続いていけば、人件費削減というのは経営層にとっては外せない手段となってくるでしょう。

そんな中で我々現場の薬剤師に求められる能力は“マルチタスクに対応出来るスキル”です。

このスキルは育児を経験すると大きく成長します。

子育ては、複数のタスクを同時に進めなければならない状況やイレギュラー発生の連続です。

ミルク作り(飲ませ)、離乳食作り(食べさせ)、げっぷ、寝かしつけ、遊び、絵本読み聞かせなどに加えて、普段の家事もこなしていかなければなりません。

これ、文字で書き起こすと大したことないように思えるかもしれませんが、実際に育児を経験している方にとっては響くのではないでしょうか。

ちなみに以下は、イギリスで実際に出された世界一過酷な職業の求人広告です。

職  種:Director of Operation(現場総監督)

勤務時間:基本24時間(週135時間以上/週7日)、徹夜あり、休憩はほとんど無し

必須能力:交渉力、交際力、医学、金融学、栄養学

特  徴:複数のプロジェクトを担う、立ち仕事で体力を使う仕事が多い、常に周りに注意を払う必要がある

備  考:休日やクリスマス、正月にはさらに仕事が増える、ランチはすべての同僚の後に食べることになる、すでにこの仕事を担ってきた人(先輩)が数十億人いる

給  与:0円(ボランティアのような感じで完全無給)

とんでもないブラック企業のように思えますが、何の職業を示しているか分かりますか?

勘の良い皆さんならお分かりいただけてますかね。

正解は……「お母さん」です。

育児(+家事)は多くのタスクを同時に進める必要があります。

世のお母さん方は毎日をこなすために激務、マルチタスクをさばいているのです。

育休を取得し、育児に集中する日々を送れば子育てに必要な基礎的な力が身につきます

子育てに必要な基礎的な力とは、

マルチタスク処理能力、リスク回避能力、情報収集力、瞬発力、判断力など多岐に渡ります。

これらの能力が身につけば職場に復帰した時に相当な戦力となるはずです。

実際私も薬局長として復職した時に感じたことは、

😱「薬局長として薬局を回すよりも子育ての方が全然大変じゃん

です。(薬局長の仕事がカンタンという意味ではないのであしからず。)

皆さんも一度は主婦のパートさんと働いたことがあるのではないでしょうか。

パートさんの多くは仕事がデキる人達なのではないかと思います。

個人的には、主婦のパートさんの有能さは子育て経験からくるものと感じています。

今よりもさらに有能になれるかもしれない育休に、あなたもトライしてみませんか?

ぴろしき
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もちろん、「取るだけ育休」ではスキルは身につきません。育休は休暇ではなく、”仕事”→”育児”に切り替わっているだけです。育休を取ったのならキチンと”育児”しましょうね👍

あわせて読みたい!

他人の主張に対して寛容になれる

あの患者さん、「この薬はここのメーカーが良い」だの「この薬は先発が良い」だのワガママなんだよなぁ…。今は出荷調整の嵐で大変なのに💦

薬剤師は医療職であると同時に、サービス業でもあります。

日々多くの患者さんと接する中で無理難題を言われたり、心無い言葉がけをされたことがある人もいるでしょう。

加えて、我々薬剤師は医師などの他の医療職と接する事もあります。中には、キツイ言い方をしてきたり、要領を得ない対応をする人もいると思います。

そのような人間関係の中で感じるストレスは決して小さくないはずです。

理想は、みんなが自分の思い通りになれば良いのでしょうが現実的ではありません。

他人の行動は下図の“関心の輪”に入るからです。

自分がコントロールできる領域ではないのです。

「影響の輪」と「関心の輪」とは?人生を好転させる主体的な生き方のポイント|7つの習慣|HRドクター|株式会社JAIC (hr-doctor.com)

ちなみに、“影響の輪”と“関心の輪”について詳しく知りたい方はこちらの書籍がオススメです👇

育児をしているとあらゆることが思い通りにはいきません。

子どもは親の都合の良いタイミングで泣くわけではないですし、寝てくれるわけでもありません。

というか基本的には、

😱「なんで今…💦」

というタイミングでトラブルが発生します。

育休を取得し、育児に集中している期間が長いとそれだけ思い通りにならない赤ちゃんと接している時間が長くなるので忍耐力がつきます

また、自分の事よりも子どものことを優先する日々を送る事で自分の機嫌を自分で取るスキルが身につきます。

一言で表すと、他人の主張を受け止める器が大きくなるのです。

他人の主張を受け止めるスキルが身につくと、対患者さんだけでなく社内の人とのコミュニケーションも円滑になります。

患者さんのわがままにイライラする事も無くなりますし、モンスター上司(部下)と接する時にも余裕を持って対応することが出来ます。

対人業務が多い薬剤師にとって、思い通りにならない赤ちゃんと過ごす事は仕事においても明らかに良い影響があります。

加えて、子どもが出来てしっかりと育児をするようになると、異性を好きになるのとは違う「人を愛する」という感覚が芽生えます。

腹の立つ上司や患者さんも

😌「この人も誰かに愛され、育てられてきたんだろうな…」

と感じる事でおおらかな気持ちで接することが出来ますよ。

ぴろしき
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私自身、子どもが出来るまでは感じる事の無かった感情です(笑)しかしながら、明らかに仕事においてプラスに働いていると感じます✨

時短社員の事情が分かる

うちの薬局、時短勤務の薬剤師さんがいるんだけど、その人が帰った後忙しくて大変なんだよ💦

薬剤師の男女比は令和2年のデータでおよそ、

男:女=4:6

となっています。

皆さんが在学していた薬学部も大体これくらいの割合だったのではないでしょうか。

薬剤師の職場はやや女性の方が多い比率です。

現在の日本は夫と妻、どちらが育児の為に時短社員となるかでいえば圧倒的に妻の方が多いと思います。

ぴろしき
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我が家も、現在は妻が時短社員として勤務しています。

そうなれば自ずと、薬局などで勤務する場合は時短勤務の社員と働く可能性が高くなると言えます。

短時間勤務の制度を利用する事は子育てをしていく上でほぼ必須であると言えますが、ポジティブな感情を抱いてくれる人ばかりではないというのが現状だと思います。

時短社員に対してマイナスな感情を持つようになると、それは必ず時短勤務の人に伝わります

時短社員にマイナスな感情が伝われば、時短社員からマイナスな感情として返ってきます

薬剤師が働く現場はチーム戦です。

誰かが誰かに対してマイナスな感情を持ちはじめると、途端に良い結果を生むことが難しくなります。

メンバー間でギクシャクしていれば、それは患者さんに伝わり患者離れにも繋がります。

メンバー間での連携が上手く取れていなければ過誤のリスクもあり得るでしょう。

大切なことは、時短勤務をしている人への”理解”です。

仕事を早退するからといって、帰って遊んでいるわけでも休んでいるわけでもありません。

時短勤務の人は帰宅してからも“育児”という第2ラウンドの仕事が待っています。

”理解”するためには育休を取って実際に育児をしてみることです。

育児に集中した期間がある程度あれば、時短社員の人が帰宅後にどういう事をしているのか想像がつきます。

時短社員の人の帰宅後を想像出来れば、マイナスな感情を抱くことは無くなるはずです。

そうなれば、互いに良好な関係を保つことが出来、それは業績などとして結果に表れるでしょう。

ぴろしき
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もちろん、時短勤務の人も「私は子どもを育てているんだぞ!」というような横柄な態度をとる事はご法度です。過度に申し訳なさを感じる必要はないですが、チームのメンバーへの感謝は忘れないようにしたいですね。

復職しやすい

育休取ると数か月は職場から離れるんだよね。復帰した時についていけるか心配だなぁ…。

育休を取得すると数週間~1年程度職場から離れる事になります。

それによって仕事についていけなくなるのではないかと心配になる人もいると思います。

しかしながら、現場勤務の薬剤師においては自分はそうは感じません。

誤解を恐れずに言えば、薬剤師の業務はルーチンワークが多いです。

以下の図は薬局薬剤師の調剤業務のフローを表したものです。

調剤の流れと指導 (nkdesk.com)

新薬が出てきたり、各種加算の計算方法が変わったりすることはあるでしょうが、薬剤師のこの基本業務の流れは今後大きく変わる事は無いでしょう。

育休を取得する事で仕事にブランクが生まれたとしても原則最大1年間です。

1年間くらいのブランクであれば、薬剤師として現場に復帰する事はそう難しいことではないでしょう。

実際、私も1年間育休を取得した後にいきなり管理薬剤師兼薬局長として復職しました。

オンライン資格確認の導入などに最初は戸惑う事もありましたが、1週間程度で感覚を取り戻すことが出来ています

薬剤師は他の職種に比べて復帰がしやすいので、育休を存分に使わないともったいないと思います。

ぴろしき
ぴろしき

「育休を取得するメリット」というよりは、「育休が取得しやすい職種ですよ」という事が言いたいわけです。

薬剤師の仕事がカンタンだと言っているわけではないので、そこは誤解なきようお願いいたします🙇

まとめ:育休を取れる職場に身を置こう

薬剤師が育休を取るメリットは良く分かったよ!だけどうちの会社、男性が長期の育休取れるか怪しいんだよなぁ…。

育児休業は法律で定められた労働者の権利です。

就業規則に記載があるのであれば、育休を取得する事をためらってはいけません。

もし仮に育休を取得しようとした際に上司や周囲から、

😥「え、男なのにそんなに育休取るの?薬局が回らなくなるよ…。」

😏「育休取っても良いけど戻ってくるポストがあるかな?」

というようなマイナスなことを言われるのであれば、そんな職場に未来はありません。

少子高齢化対策やそれに伴う男性育休取得率の向上は国をあげて対応していくべき課題であり長期トレンドです。

そのような状況にもかかわらず、時代遅れの言葉を投げかけてくるような職場からは全力で離れる事をオススメします。

居続けてもあなたにメリットはありません。

育休を気持ちよく取らせてくれる職場に転職してください。

また、あなた自身が強い気持ちで「育休を取るんだ!」という決意をする事も大切です。

「何のために育休を取得するのか」などが自分の中でかみ砕けていないとその育休は良い結果を生まないでしょう。

育休を取得すれば金銭的なデメリットも発生します。

よく夫婦で話し合って、納得した上で取得してください。

子どもとの時間はお金で買う事の出来ないかけがえのないものです。

育休はそんな時間を手に入れることが出来る、国が用意してくれた優良な制度です。

使う権利は誰にでもありますが、タイミングを逃せばもう二度と使うことは出来ません。

この記事を読んだ皆さんが後悔の無い選択をしてくれることを心から願っています。

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