みずほフィナンシャルグループが、今後10年で全国に約1万5,000人いる事務職の業務を、最大5,000人分減らす見通しを示しました。AIによる効率化が理由です。 注目すべきなのは、その次です。 解雇はせず、個人向け営業など他の部門に再配置するとしています。 仕事が消えることが先に決まっている人たちに、会社のほうが別の役割を用意した、ということです。
銀行は、消える仕事の分だけ人を育て直しています
2020年以降、全国で毎年100店以上の銀行店舗が閉鎖されています。窓口の業務は減り続けています。
そこで銀行が選んだのは、業務量が減った人材を、資産形成のアドバイザーや法人向けのコンサルタントとして育てることでした。
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そのために、社内の育成の仕組みそのものを作り直しています。
リスキリングという言葉が銀行業界で真剣に使われているのは、そうしなければ人が余ってしまうからです。
減らす判断と、育てる判断を、同時にしています。
このセットになっているところが重要です。
薬剤師も、同じ入口に立っています
調剤は機械化と効率化が進んでいます。
制度の側も、対物業務から対人業務へという方向を、繰り返し示してきました。
つまり、今やっている業務の一部が減っていくことは、すでに前提になっています。
問題は、減った分の時間で何をするのかを、会社が用意しているかどうかです。
用意していない会社では、空いた時間はただ別の作業で埋まります。棚卸し、レセプト、清掃、事務。
それは再配置ではなく、穴埋めです。
「対人業務をやろう」と言うだけの会社が、いちばん多いです
方針として対人業務を掲げている会社は、たくさんあります。
ただ、方針と仕組みは別のものです。
在宅に行くなら、そのあいだ調剤を回す人が必要です。研修に出るなら、その日のシフトを誰かが埋める必要があります。
そこまで手当てして、はじめて方針は仕組みになります。
「やっていいよ」と言われるだけで、時間も人も出ないなら、それは個人の努力に投げられている状態です。
銀行がやったのは、業務を減らすことと、その人の行き先を作ることをセットにすることでした。片方だけなら、誰にでも言えます。
育てている会社かどうかは、時間の使われ方に出ます
お金より先に、時間を見てください。
- ① 研修や勉強会が、勤務時間内に行われているか
- ② 在宅や新しい業務に出るとき、その分のシフトが調整されるか
- ③ 認定や専門の取得費用と、そのための時間が用意されているか
- ④ 新しい業務を始めた人の評価や手当が、実際に変わっているか
- ⑤ 会社が「減らす」と決めた業務が、具体的な名前で挙がっているか
⑤が特に効きます。何を減らすかを決められない会社は、何も増やせません。
①は、勤務時間外に無給で行われているなら、会社は教育に投資していないと考えていいと思います。
育てない会社にいると、自分の値段が静かに下がります
調剤の速さと正確さは、大事な力です。
ただ、それだけを10年続けた場合に何が起きるか、という話です。
評価される業務が移っていくなかで、移った先の経験だけがない状態になります。
転職市場では、できることの中身で条件が決まります。
「調剤経験10年」と「調剤経験10年、在宅の経験あり、認定を保有」では、提示される条件が変わります。
会社が育ててくれなかった分は、そのまま自分の条件として返ってきます。気づくのが遅れるほど、取り返しにくくなります。
減る業務と増える業務を、一度並べてみてください
銀行の場合、減るものと増えるものがはっきりしていました。窓口の事務が減り、相談と提案が増えます。
薬剤師でも、同じ整理ができます。
ピッキング、監査、在庫管理、レセプト。このあたりは、機械と仕組みで置き換えが進む側です。
一方で、服薬期間中のフォロー、在宅、多職種との連携、ハイリスク薬の管理。ここは人が判断する必要があるので、簡単には置き換わりません。
自分の一日の業務を、この2つに分けてみてください。
前者の比率が9割を超えているなら、それは本人の問題ではなく、その職場がまだ何も動いていないということです。
銀行が10年かけてやろうとしているのは、この比率を変えることです。比率を変えるには、教える人と時間が要ります。だから会社の仕事なのです。
確かめ方は、とても簡単です
STEP1 自分が今できることを、業務の名前で書き出してください。10個書けるでしょうか。
STEP2 そのうち、この3年で新しく増えたものが何個あるかを数えてください。
STEP3 増えていないなら、それが今の環境の答えです。会社に相談しても変わらないなら、環境のほうを変える判断になります。
STEP2でゼロだった場合、本人の努力不足だと考えてしまう人が多いのですが、育てる仕組みがない場所では誰がやっても同じ結果になります。
育てる側にお金と時間を使っている薬局は、確かにあります
業務が変わることを前提に、教育の仕組みから作り直している会社は実在します。
どちらの側の会社かは、外からは見えません。求人票に載るのは条件だけで、「足りないと分かったときに何をした会社なのか」までは書かれないからです。
ただ、複数の薬局を見ているエージェントであれば、応募前に確認してもらえます。「今すぐ転職する」ではなく「今の条件が業界の中でどのあたりか知りたい」という相談の仕方で構いません。
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まとめ|仕事が減るときに、会社が何をするかを見てください
みずほは、5,000人分の仕事を減らすと決めたうえで、その人たちの行き先を用意しました。
減らすだけなら簡単です。育てるほうには、お金も時間もかかります。
薬剤師の業務も、これから減るものと増えるものに分かれていきます。
そのとき、あなたの会社は減った分をどう埋めるつもりなのか。
まだ何も聞いていないのなら、それ自体が一つの情報です。
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薬剤師業界を取り巻く環境は、ここ数年で大きく変わってきています。最新の業界ニュースをもとに、キャリアを考えるうえで知っておきたいポイントを整理しました。
📰 ヘルスデーニュース‐FDA関連‐
出典:薬事日報
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📰 薬事日報 薬学生新聞デジタル トップ
出典:薬事日報
業務のデジタル化が進む中で、薬剤師に求められる役割も少しずつ変わってきています。DXに積極的な職場へ転職することで、将来にわたって安定したキャリアを築きやすくなります。
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出典:薬事日報
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この記事の運営者:ぴろしき
調剤併設ドラッグストアで働く現役の管理薬剤師・薬局長。自身のパワハラ・転職経験をもとに、薬剤師が働きやすい環境を選ぶための情報を発信しています。詳しいプロフィールはこちら


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