路線バスの話です。 民間の主要バス事業者127社のうち、103社が2023年度以降に減便または路線の廃止を予定していました。割合にして81.1%。理由は、ほとんどが人手不足です。 運転手の数は、2030年には現在の約86%まで減ると見込まれています。 人が採れないと分かった会社が、最初に何を削ったのか。 ここに、薬局にもそのまま通じる話があります。
同じ不足に対して、会社の対応は2つに割れました
減便や路線廃止は、サービスを畳む判断です。
一方で、待遇そのものに手を入れた会社もあります。大型二種免許の取得費用を会社が負担する、養成の仕組みを作る、これまで採用してこなかった層に門戸を開く。
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2024年4月には労働法制が改正され、運転手の拘束時間は短く、休息時間は長くなりました。短期的には、さらに人が足りなくなる方向の変更です。
それでも投資する側に回った会社と、便を減らした会社に分かれました。
同じ不足という条件から、違う結論が出たということです。
そして不足の根本には、低収益ゆえに労働条件が総じて悪く、職場としての魅力が低いという指摘があります。原因が待遇なら、待遇を動かさないかぎり不足は終わりません。
薬局における「減便」が何なのかは、もう分かっていると思います
営業時間の短縮。
店舗の統廃合。
そして、一人薬剤師。
人が足りないとき、サービスは維持したまま、そこに立つ人員だけを薄くするやり方です。
バス会社が便を減らしたのは、少なくとも「これ以上は無理だ」と外から見える形で認めたからです。時刻表が変わるので、利用者にも分かります。
一人薬剤師は、外からは何も減っていないように見えます。開いている時間も、受けている処方も同じです。減っているのは、そこに立っている人の余裕だけです。
これは「畳む」という判断を、現場に肩代わりさせている状態ではないでしょうか。
では、あなたの会社は何に投資しましたか
バス業界で投資に回った会社がやったのは、お金のかかることばかりです。免許取得費用の負担、養成期間中の給与、採用条件の引き上げ。
どれも、すぐには回収できません。
それでもやったのは、やらなければ数年後に事業そのものが残らないと判断したからです。
薬局に置き換えると、問いはこうなります。
この2年で、あなたの会社は採用の条件を上げましたか。教育にお金と時間を使いましたか。それとも、今いる人でどうにかする方法だけを考えてきたでしょうか。
「人が採れない」と言い続けている会社ほど、条件を動かしていないことが多いです。
投資している会社には、共通する特徴があります
- ① 求人の給与レンジが、この2年で実際に上がっている
- ② 新人が入ったとき、指導する人の業務が一時的に減る仕組みがある
- ③ 研修や認定の取得費用を、時間も含めて会社が出している
- ④ 一人薬剤師の店舗を増やしていない、または減らす方針を明言している
- ⑤ 欠員が出たとき、補充されるまでの期間が短い
④は特に分かりやすい指標です。方針として口に出せるかどうかに、会社の考えがそのまま出ます。
①は自分でも確かめられます。求人サイトで自社の募集を見れば、条件は公開されています。
畳む側の会社にいると、減っていくのは時間です
一人薬剤師の店舗にいるあいだ、増える経験は限られます。
相談する相手がいない環境では、判断は早くなりますが、幅は広がりません。
在宅、無菌調製、かかりつけ、専門領域といった、これから評価される業務に触れる機会も減っていきます。
数年後に転職しようとしたとき、職務経歴書に書けることが増えていない。これがいちばん痛いところです。
会社が投資しなかった分を、自分のキャリアの時間で払っていることになります。
しかもこの支払いは、請求書が来ません。気づくのは、外に出ようとしたときです。
「今いる人でどうにかする」が続くと、判断そのものができなくなります
人が足りない状態が長く続くと、職場の基準が静かに動いていきます。
最初は「今月だけ」だった応援勤務が、いつのまにか毎月になります。
最初は「緊急時だけ」だった一人体制が、通常のシフトとして組まれるようになります。
怖いのは、そのたびに現場が対応できてしまうことです。回ってしまうと、会社は問題が解決したと判断します。
バス会社が減便したのは、回らないことを認めたからです。認めた会社は、そこから対策を考えられます。
回してしまう職場では、そもそも「足りていない」という事実が数字として上がりません。改善の入口にすら立てないということです。
あなたの職場で、人員不足が正式に問題として扱われたことはあるでしょうか。
順番に確かめてください
STEP1 今の会社がこの2年で採用条件を上げたかどうかを確認してください。求人サイトに出ている自社の募集を見れば分かります。
STEP2 自分がこの1年で新しく身につけた業務を書き出してください。ゼロなら、能力ではなく環境の問題である可能性が高いです。
STEP3 投資している会社が実際にどんな条件を出しているかを見てください。比較対象がないと、自分の会社が普通なのかどうかも判断できません。
STEP3を飛ばすと、「どこも同じだろう」で終わってしまいます。実際には、同じではありません。
投資する側に回った薬局も、確かにあります
同じ人手不足に対して、条件と教育に金を出す判断をした薬局は実在します。
どちらの側の会社かは、外からは見えません。求人票に載るのは条件だけで、「足りないと分かったときに何をした会社なのか」までは書かれないからです。
ただ、複数の薬局を見ているエージェントであれば、応募前に確認してもらえます。「今すぐ転職する」ではなく「今の条件が業界の中でどのあたりか知りたい」という相談の仕方で構いません。
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まとめ|不足そのものより、不足への対応で会社は分かれます
バス業界は、8割が減便を選びました。それでも、投資に回った会社があります。
人手不足はどの業界にもあります。差がつくのは、不足があるかどうかではなく、不足に対して何をしたかです。
営業時間を削る、一人にする、それでも回してもらう。この順番で対応してきた会社は、次も同じ順番で対応します。
あなたの職場は、どちらの側でしょうか。
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出典:薬事日報
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こうした業界の動きを踏まえると、今の職場環境や将来のキャリアについて改めて考えてみる価値はあります。転職するかどうかは別として、まずはエージェントに相談して求人情報を見てみるのもひとつの方法です。登録・相談は無料です。
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よくある質問(FAQ)
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Q. 登録したら必ず転職しなければなりませんか?
A. いいえ、転職しなくても問題ありません。「まず求人を見てみたい」「自分の市場価値を確認したい」という目的での登録も歓迎されています。
Q. 在職中でも転職活動はできますか?
A. 可能です。在職中の方が精神的・経済的に余裕があり、好条件の求人をじっくり吟味できます。エージェントも在職中のサポートに慣れているので安心です。
Q. 年収交渉はエージェントに任せられますか?
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この記事の運営者:ぴろしき
調剤併設ドラッグストアで働く現役の管理薬剤師・薬局長。自身のパワハラ・転職経験をもとに、薬剤師が働きやすい環境を選ぶための情報を発信しています。詳しいプロフィールはこちら


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