ストレスチェックを受けたことがない薬剤師は、少なくないと思います。 理由は単純で、これまで義務の対象が常時50人以上の事業場に限られていたからです。数名で回している薬局は、そもそも対象外でした。 つまり、心身を削りやすい環境で働いているのに、それを確認する仕組みが法的には存在しなかったということです。 これが変わります。
2028年4月1日から、全事業場が対象になります
2025年5月14日に改正された労働安全衛生法により、従業員50人未満の事業場にもストレスチェックの実施が義務づけられることになりました。
施行日は2028年4月1日です。2026年5月18日の労働政策審議会 安全衛生分科会で、この日付が示されています。
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施行までに期間が置かれているのは、小規模な事業場の実務負担に配慮し、体制づくりや外部委託の検討を計画的に進められるようにするためだとされています。
そして高ストレスと判定された人については、本人の希望に基づいて医師による面接指導を行うことが求められます。
つまり、数名の薬局であっても、年1回の確認と、その後の対応が制度として必要になります。
なぜ薬局にとって意味が大きいのか
薬局は、ストレスが可視化されにくい職場です。
- 店舗単位で人数が少なく、不調を相談できる相手が同じ空間にいない
- 管理薬剤師が相談相手であり、同時に評価者でもある
- 患者対応という感情労働が日常的に発生する
- 調剤過誤への緊張が常にある
- 一人が抜けると回らないため、休むこと自体に心理的な負担がある
これまでは、こうした負荷が数字として記録される機会がありませんでした。
本人が言い出さない限り、なかったことになる。それが実態でした。
義務化までの1年半で、会社の姿勢が分かります
施行は2028年4月です。今から準備期間があります。
この期間の使い方に、会社の姿勢がそのまま出ます。
- 早めに外部委託先の検討を始める会社
- 産業医や相談窓口との連携を先に整える会社
- 施行が近づくまで何もしない会社
- 施行後、実施だけして結果を放置する会社
実施すること自体は、外部サービスを使えば難しくありません。差がつくのは、その後です。
高ストレスと判定された人が出たときに、面接指導につなげるのか、業務量を見直すのか、それとも「本人の問題」で終わらせるのか。
「実施した」で終わる会社に意味はありません
制度が入っても、現場が守られるとは限りません。これまで何度も見てきたことです。
ストレスチェックも、実施率という数字を作るだけなら簡単です。
大事なのは、結果を受けて何を変えるかです。
高ストレスの人が複数いる店舗があったとき、その店舗の人員配置を見直すのか。業務量を調整するのか。それとも個人にセルフケアを勧めて終わりにするのか。
ここで何をするかが、その会社が人をどう扱っているかの答えになります。
義務化を待たなくてもできること
2028年まで待つ必要はありません。今の時点でも確認できることがあります。
- 会社に産業医や、外部の相談窓口があるか
- 長時間労働者への面接指導の仕組みがあるか(こちらは既に一定の要件で義務がある)
- 休職からの復帰について、決まった手順があるか
- メンタル不調で休職した人が、これまでどう扱われてきたか
- 施行に向けて、何か準備の話が出ているか
最後の項目を聞いてみると、会社が制度改正を把握しているかどうかが分かります。
把握していない会社は、施行直前になって慌てるか、形だけ整えて終わることになりがちです。
確かめる順番
STEP1:不調があるなら、制度を待たない
まず前提として、いま体調に不調が出ているなら、2028年を待つ話ではありません。医療機関を受診してください。
制度は、あなたの今の状態を守ってはくれません。
STEP2:会社の準備状況を聞く
「2028年からストレスチェックが義務になるそうですが、うちはどう対応する予定ですか」と聞いてみてください。
返ってくる答えで、その会社が従業員の健康をどの程度の優先度で扱っているかが見えます。
STEP3:体制が整っている職場を知っておく
産業医との連携や相談窓口が既にある会社は実在します。規模の大きい会社ほど整っている傾向があります。
今すぐ動かないとしても、そういう選択肢があることは知っておいて損はありません。
健康管理の体制が整っている薬局は、確かにあります
義務化を待たずに相談窓口や産業医との連携を整えている会社は実際にあります。
制度にどう対応したかは、外からは見えません。求人票に書かれるのは条件だけで、「義務が課されたときに何をした会社なのか」は載らないからです。
ただ、複数の薬局を見ているエージェントであれば、応募前に確認してもらえます。「今すぐ転職する」ではなく「制度が整っている会社を知りたい」という相談の仕方で構いません。
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まとめ|これまで仕組みが無かったこと自体が、異常でした
数名で回している薬局が、年1回のストレスチェックの対象ですらなかった。この事実のほうが、本来おかしなことだったと思います。
2028年4月から、それが変わります。
ただ、制度ができることと、現場が守られることは別です。決めるのは、あなたの会社がその結果をどう扱うかです。
施行までの動きを見ていてください。何も始まらない会社は、施行後も何も変わりません。
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この記事の運営者:ぴろしき
調剤併設ドラッグストアで働く現役の管理薬剤師・薬局長。自身のパワハラ・転職経験をもとに、薬剤師が働きやすい環境を選ぶための情報を発信しています。詳しいプロフィールはこちら


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