
こないだ大学時代の先輩に会ったんだけど、人が足りなくて産休に入りづらそうだったなぁ…💦

産休は法律で定められた制度とは言え、職場によっては使いにくい雰囲気のところもありますよね⚡
薬剤師として働きながら妊娠・出産を迎えると、
「産休や育休を取りづらい…」
「復帰後にシフトや役職を外されるのでは…」
「周囲に迷惑をかけると感じてしまう…」
といった不安や職場トラブルに直面することが少なくありません。
実際、薬剤師の職場は人手不足に陥りやすく、制度上は休暇取得が可能でも、現場の理解不足からスムーズに利用できないケースが目立ちます。
しかし安心してください。労働基準法や男女雇用機会均等法、育児・介護休業法などによって、妊娠・出産後の薬剤師には強力な権利が保障されています。
この記事では、元人事で現役の薬局長である私が、薬剤師が妊娠・出産後に直面しやすい職場トラブルとその解決法を、法律と実務の両面からわかりやすく解説します。さらに、キャリアを守りながら家庭と両立するための転職戦略 についても紹介します。
✔妊娠・出産期に薬剤師が直面しやすいトラブルを事前に把握できる
✔労基法や育児・介護休業法など、守ってくれる法律を分かりやすく学べる
✔安心して働き続けられる職場選びとキャリア戦略のヒントが得られる
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第1章 薬剤師が妊娠・出産後に直面しやすい職場トラブル

薬剤師という専門職は、医療や地域の健康を支える重要な存在です。しかし、妊娠・出産を経験する女性薬剤師にとって、職場環境は必ずしも優しいものとは限りません。制度上は「産休・育休」が整っていても、実際に行使しようとするとさまざまな壁が立ちはだかります。

ここでは、薬剤師が妊娠・出産後に直面しやすい代表的なトラブルを整理してみましょう👆
薬剤師の職場は慢性的に人手不足であることが多く、1人抜けるとシフトが回らなくなるケースが少なくありません。そのため、妊娠が分かっても「迷惑をかけてしまうのでは…」と考えて上司や同僚に言い出せず、報告が遅れてしまうことがあります。制度はあっても実際に使うのが難しい――この「空気の壁」が大きなストレス源になります。
出産後に復帰した薬剤師は、子育てとの両立を考えて短時間勤務や時短制度を希望することが多いですが、現場の人員体制によっては「シフトに組み込みづらい」と言われてしまうことも。結果として、希望する働き方が受け入れられず、早期復帰がかえって負担になるケースもあります。
「妊娠前は管理薬剤師だったのに、復帰後は一般薬剤師に配置換えされた」
「昇進候補から外された」
といった声も珍しくありません。本来、妊娠・出産を理由にした不利益取扱いは法律で禁止されていますが、現場レベルでは“暗黙の人事調整”として行われてしまうこともあるのです。
薬剤師業務は立ち仕事や重量物の取り扱い、さらには感染リスクのある患者との接触も避けられません。妊娠中は体力的に負担が大きくなるため、業務内容を一部軽減してもらう必要があります。しかし、現実には「人手が足りないから仕方ない」と通常通りの業務を求められることもあり、母体へのリスクが高まってしまいます。
妊娠・出産に伴う休暇は権利であるにもかかわらず、同僚から「抜けた穴を埋めるのは私たち」という視線を向けられることも。表立ったハラスメントではなくても、無言のプレッシャーが精神的な負担となり、職場に居づらさを感じてしまう薬剤師は少なくありません。
このように、薬剤師が妊娠・出産後に直面するトラブルは、「制度と現実の乖離」 に根ざしています。法律上は守られているはずの権利が、職場の人員体制や空気感によってスムーズに行使できないことが多いのです。
ちなみに、薬剤師が知っておくべき労基法についてはこちらの記事でも解説しています👇
第2章 妊娠・出産後の薬剤師を守る労基法・均等法のポイント

妊娠・出産後に働く薬剤師を守るために、日本の法律は複数の仕組みを整えています。とくに重要なのが「労働基準法」「男女雇用機会均等法」「育児・介護休業法」です。これらを知っているかどうかで、職場で不利益を受けたときの対応力が大きく変わります。

ここでは薬剤師が押さえておきたいポイントを整理してみましょう👆
労基法第65条では、出産予定日の6週間前(多胎妊娠の場合14週間前)から、本人の申請によって産前休暇を取得できると規定されています。出産後については8週間の産後休暇が義務付けられており、この期間中に就業させることは法律違反となります。薬局が「人が足りないから出てほしい」と言っても、母体の回復を優先する仕組みが法律で担保されているのです。
また、妊婦は定期的な健診を受ける必要があります。そのため労基法施行規則では、医師の指導に基づき妊婦健診のための通院時間を確保する義務を会社に課しています。つまり「業務が忙しいから休めない」と断られること自体が法律違反です。薬剤師は感染リスクのある現場に立つため、定期的な健診を欠かさないことが安全の観点からも不可欠です。
均等法第9条では、妊娠・出産・産休・育休を理由とする解雇や降格、契約打ち切りなどを禁止しています。たとえば「育休を取るなら管理薬剤師から外す」「妊娠したから契約更新はしない」といった対応は明確に違法です。もし違反が疑われる場合、労働局の雇用環境均等室に相談できる制度も整っています。
原則として、1歳未満の子を養育する労働者は男女を問わず育児休業を取得できます。薬剤師の場合、夫婦ともにシフト勤務というケースも多いため、どちらがどのタイミングで休むかを柔軟に選べる点は大きなメリットです。また、保育園に入所できない場合などは1歳6か月、最長で2歳まで延長することも可能です。
ちなみに、男性の管理薬剤師が1年間育休を取得した話はこちらの記事でも解説しています👇
薬剤師業務には立ち仕事や重量物の取り扱い、感染リスクへの対応など妊娠中に負担となる要素が多くあります。医師が「業務の軽減が必要」と指導した場合、事業主はそれに従わなければなりません。実際には「カード」を提出して業務制限を求める流れが一般的で、これも労基法や均等法に基づいた権利として認められています。
このように、妊娠・出産後の薬剤師には強力な法律的な後ろ盾があります。しかし現実には「制度は知っていても行使しづらい」という声が多く聞かれます。
第3章 育休取得と職場環境 ― 法律と現実のギャップ

制度としては「薬剤師が妊娠・出産しても安心して働き続けられる環境」が法律で整えられています。しかし、現場で実際にその制度をスムーズに使えるかというと、必ずしもそうではありません。

ここでは、法律と現場の間に生じるギャップを見ていきましょう👆
労基法や均等法で産休・育休が保障されているにもかかわらず、薬剤師の現場では「忙しいのに休んで大丈夫なのか」「他のスタッフに迷惑をかけてしまう」といった雰囲気が強く、申請自体をためらってしまうケースがあります。とくにドラッグストアや中小薬局では人員配置がギリギリのことが多く、権利を主張しづらい空気が根強いのです。
会社によっては「育休取得率」や「復職支援プログラム」が制度として明示されている場合があります。しかし、実際に使うとなると「支店によって対応が違う」「上司の理解度次第」といったバラつきがあり、必ずしも安心できるとは限りません。制度の“建前”と“運用実態”に差があるのです。
法律上は不利益取扱いが禁止されていますが、復帰した薬剤師に対して「時短勤務だと責任のあるポジションは任せにくい」と判断されるケースも見られます。結果として、管理薬剤師やリーダー職から外される、キャリアが停滞するといった事態に直面することがあります。これも違法の可能性がある対応ですが、本人が「仕方ない」と受け入れてしまうことが多いのが実情です。
また、職場ごとの差が大きいのも課題です。
大手ドラッグストアや大手調剤薬局は比較的人員に恵まれているので育休を取得しやすいですが、それでも取得のしやすさは上長に左右される部分もあります。
育児による職場離脱に理解のある上司なら良いですが、育児経験や結婚経験も無く仕事一本の上司だと理解を得にくいケースも多いのが現状です。
中小の薬局では人員不足でそもそも物理的に不可能であることも多いです。(それでも法律上は取得できる権利があるので雇用主側に断る権利はないですが)
取れても必要最小限、そして男性の育休取得は期待しない方が良いと思います。
このように、薬剤師が働く職場の規模や業態によって「法律がどの程度現実に反映されるか」は大きく変わります。
結局のところ、妊娠・出産後も薬剤師として安心して働き続けるには、自分の職場が本当に法律を守っているかどうか を見極める必要があります。制度の存在を知るだけでなく、実際に利用できる環境が整っているか、復帰後にキャリアを継続できる仕組みがあるか――これを事前に把握しておかないと、後悔することになりかねません。
法律と現実のギャップは、薬剤師のキャリアだけでなく人生の満足度にも大きな影響を与えます。
もし現在の職場で法律と現実のギャップを感じているのであれば、一度他の職場を見てみた方が良いかもしれません。
他の職場を見るといっても、ネットの情報だけをスマホで見ていても、実情は分かりません。転職エージェントに聞いてみると、忖度無しで真実を教えてくれます。
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第4章 職場トラブルを解決するための実践アクション

薬剤師が妊娠・出産を経て復職するとき、多くのトラブルが待ち受けています。しかし「仕方ない」と諦める必要はありません。法律的な後ろ盾を理解し、適切に行動することで状況を改善することが可能です。

ここでは、薬剤師が実際に取り組める解決アクションを具体的に紹介します👆
不利益な扱いを受けたと感じたら、まずは日付・状況・発言内容をメモに残しましょう。メールやチャット、勤務表といった証拠があると、後々の相談や交渉がスムーズになります。口頭だけでのやり取りは曖昧になりやすく、事実関係を証明しづらいため、記録の積み重ねが自分を守る第一歩です。
多くの医療法人や大手ドラッグストア・大手薬局には、人事部やハラスメント相談窓口が設けられています。直属の上司に言いづらい内容でも、第三者的な立場の部署を通すことで改善が図られるケースがあります。「相談したことが職場に広まるのでは…」と不安になるかもしれませんが、会社には守秘義務があるため、安心して利用できます。
職場内で解決が難しい場合、労働基準監督署や都道府県労働局の「雇用環境均等室」に相談できます。とくに均等法第9条に基づく不利益取扱いは、行政指導の対象となるため、会社側に改善を促す強い力を持っています。また、労働組合に加入している場合は組合に交渉を依頼するのも有効です。
トラブルが深刻化し、解雇や降格などの重大な不利益を受けた場合は、労働問題に詳しい弁護士に相談するのが適切です。初回無料相談を行っている法律事務所もあり、法的手段を取る前に状況整理のアドバイスを受けられます。感情的にならず、専門家の視点で解決策を探ることが重要です。
また、キャリアを見直すという選択肢を持つことも大切です。
現実には「相談しても改善されなかった」というケースも少なくありません。その場合、無理に不利な職場に留まるよりも、環境を変えるほうが長期的に見て賢明です。とくに薬剤師は国家資格を持つ専門職であり、転職市場での需要も高いため、キャリアの選択肢は広く残されています。労基法を守る職場を探すこと自体が、自分と家族を守る大切な行動になります。
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薬剤師にとって、妊娠・出産後のトラブルは避けられないテーマかもしれません。しかし、「知って動く」ことさえできれば、決して孤立無援ではない のです。
第5章:安心して働き続けられる職場選びとキャリア戦略

妊娠・出産後に直面する職場トラブルを未然に防ぐためには、「どのような職場を選ぶか」が非常に重要です。薬剤師は国家資格を持つ専門職であるため、環境さえ整えば長期的に働き続けられる職種です。しかし、現場によっては制度の運用が形骸化していたり、復職後のキャリアが限定されてしまうケースもあります。

ここでは、安心して働ける職場を選び、自分らしいキャリアを築くための視点を整理していきます👆
1. 職場選びのチェックポイント
まず確認したいのは「産休・育休取得実績の有無」です。
制度があっても実際に利用されていない場合、その職場では形だけのものにとどまっている可能性があります。求人票だけでなく、面接時に「過去にどのくらいの従業員が育休を取ったか」「復職後の勤務形態はどうか」などを具体的に確認するのが有効です。
次に注目すべきは「柔軟な働き方の可否」です。
時短勤務やリモート会議の活用、シフトの柔軟性などが整っていると、育児との両立がしやすくなります。調剤薬局やドラッグストアは対面業務が中心ですが、近年はオンライン服薬指導なども広がっており、働き方の幅は少しずつ広がっています。
こちらの記事で転職活動時に有効なチェックリストを紹介しています👇ぜひ活用してみて下さい👐
2. キャリア停滞を防ぐ工夫
出産・育児によって一時的にキャリアが中断されるのは自然なことですが、その後のキャリア形成に影響を与えないよう工夫が必要です。具体的には、育休中でも可能な範囲で研修や学会、オンラインセミナーに参加して最新の薬学知識を維持することが大切です。また、資格更新や専門認定の取得を計画的に進めることで、復職後のキャリアにプラスに働きます。最近は各SNSで情報発信をしている薬剤師も多いので、SNSを活用するのも手です。
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さらに、復職後に「調剤だけ」「OTC販売だけ」と業務が固定されると成長機会が限られてしまいます。キャリア面談の場では「在宅医療に携わりたい」「マネジメント経験を積みたい」といった希望を伝え、将来を見据えたポジションを確保する姿勢も必要です。
3. 転職サービスを活用した戦略
もし現在の職場が制度面で不十分だと感じる場合は、転職サービスを活用して選択肢を広げることをおすすめします。
エージェントを通じて探せば、
✅「産休・育休取得率が高い薬局」
✅「時短勤務や在宅勤務制度が整った企業」
✅「復職後のキャリア支援がある病院」など、
自分のライフステージに合った求人を見つけやすくなります。
特に薬剤師はまだ売り手市場が続いており、労基法を順守し、子育て世代を支援する企業も増えています。自分の権利を守りながら働き続けるには、「制度を形だけでなく実際に活用できる職場」を選び抜くことが、最も有効なキャリア戦略となります。
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まとめ ― 妊娠・出産後も薬剤師として輝き続けるために

薬剤師として妊娠・出産を経験すると、体調の変化や家庭との両立に加え、職場での理解不足や不利益な扱いといったトラブルに直面することがあります。しかし、労基法や男女雇用機会均等法、育児・介護休業法といった法的な権利を知り、適切に活用することで、自分と家族を守りながらキャリアを継続することは十分に可能です。
本記事では、
- 妊娠期の働き方を守る法的根拠
- 健診休暇や勤務時間短縮などの具体的制度
- 職場復帰後に起こりやすいトラブルとその回避法
- 安心して働ける職場を選ぶためのチェックポイント
を整理してきました。
これらを踏まえると、最も大切なのは「制度を形だけでなく、実際に利用できる環境に身を置くこと」です。たとえ法律が整備されていても、実際の職場に理解がなければ、権利を行使するのは難しくなります。その意味で、働き続ける場をどう選ぶかはキャリアの分岐点となります。
薬剤師は国家資格を有する専門職であり、需要の高い市場に支えられています。その強みを活かし、自分に合った職場を選び直すことも立派なキャリア戦略のひとつです。たとえば、転職サービスを利用すれば「産休・育休の取得実績が豊富な企業」「時短勤務や復職支援が充実した職場」といった、安心して長く働ける環境を効率的に探すことができます。
キャリアと家庭を両立させる道は、決して一つではありません。大切なのは、自分のライフステージに応じて柔軟に選択肢を広げ、働き方をデザインしていくことです。妊娠・出産を経ても、薬剤師として輝き続ける未来はきっと描けます。
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