はじめに
「同時にいろんなことをこなせない…」
「途中で話しかけられると、頭が真っ白になる…」
「気づいたら全部が中途半端になっている…」

薬剤師として働いていると、この悩みはかなりの確率でぶつかります。
特に調剤併設ドラッグストアや忙しい薬局では、仕事が順番に来ることはほとんどありません。
処方箋入力をしている最中に電話が鳴り、電話対応をしている間に患者が来局し、その裏で別の処方箋が積み上がる。
「マルチタスクができる人じゃないと無理な仕事なんじゃないか」
そう感じてしまうのも無理はありません。
ですが、ここで一度立ち止まって考えてほしいことがあります。
マルチタスクができないのは、あなたの能力不足ではありません。
むしろ、人間の脳の仕組みを考えれば、それが自然な状態です。
問題は、あなたではなく“仕事のやり方”にあります。
人間はそもそもマルチタスクに向いていない

私たちは「同時にいろんなことをこなしている」と思いがちですが、実際の脳は一つのことにしか集中できません。
いわゆるマルチタスクとは、複数の作業を同時に処理しているのではなく、単に作業を高速で切り替えている状態です。
この切り替えには必ず負担がかかります。
作業を中断したとき、再開時には「どこまでやったか」を思い出す必要があります。
集中を取り戻すまでにも時間がかかる。
さらに判断の精度も落ちるため、ミスのリスクが上がります。
薬剤師という仕事は、ミスが直接リスクにつながる職種です。
その環境で「マルチタスクを前提に働く」こと自体に、無理があると言えます。
つまり、「マルチタスクが苦手」と感じるのは弱さではなく、正常な反応です。
問題は“仕事の降ってき方”にある

ではなぜ、現場ではマルチタスクが求められるのでしょうか。
それは、薬剤師の仕事が「割り込み前提」で設計されているからです。
患者対応、電話、疑義照会、OTC相談。
どれも重要な業務ですが、それらが同時に発生することで、優先順位は常に外から書き換えられます。
この環境の中で多くの人がやってしまうのが、「全部に同時に対応する」という選択です。
結果として、どの作業にも集中できず、ミスが増え、仕事の達成感も得られない。
そして「自分は仕事ができないのではないか…」という思い込みが強くなっていきます。
ここで必要なのは、処理能力を上げることではありません。
処理の“順番”を設計し直すことです。
インバスケットという考え方

そのためのヒントになるのが「インバスケット」という考え方です。
これは、発生した仕事にすぐ飛びつくのではなく、一度すべて受け止めてから整理するという手法です。
現場では次々にタスクが降ってきます。
そのたびに反射的に対応するのではなく、「いったん受ける」という意識を持つ。
そして、「今やるべきか、それとも後でいいのか」を判断する。
このワンクッションを入れるだけで、仕事は“同時処理”から“順番処理”に変わります。
優先順位は「4つの箱」で決める
では、その「順番」はどうやって決めるのか。
ここで役に立つのが、タスクを4つの箱に分ける考え方です。
■① 今すぐやる(緊急 × 重要)
患者安全に直結するものは、迷わずここに入れます。
- 疑義照会(用量ミス・禁忌など)
- 重篤な副作用が疑われるケース
- 待合室にいる患者の服薬指導
ここに入るものだけは、割り込みより優先して処理します。中断する方がリスクになるからです。
■② 後でやる(非緊急 × 重要)
今すぐでなくてもいいが、やらないと後で困る仕事です。
- 機器のメンテナンス
- 若手メンバーの育成
- 業務改善につながる見直し
忙しいと後回しにされがちですが、ここを放置すると長期的に負担が増えます。
■③ すぐ対応したくなるが重要ではない(緊急 × 非重要)
現場で最も振り回されやすい領域です。
- 急ぎではない電話
- 他のスタッフでも対応できる問い合わせ
- 本部からのメール対応
ここで大切なのは、反射的に動かないことです。
「少しお待ちください」「後で折り返します」と一言入れるだけで、仕事の流れは守れます。
■④ やらない(非緊急 × 非重要)
忙しいときほど、ここに逃げやすくなります。
- なんとなく始める整理整頓
- 愚痴・雑談
- 優先度の低い作業
ここに時間を使っていると、「忙しいのに進んでいない」状態になります。
\もっと知りたい方はこちらからどうぞ!/
迷ったらこれだけ考える
現場では、すべてを完璧に分類する余裕はありません。
そんなときは、この一つの問いだけで十分です。
「それは患者の安全に直結するか?」
YESなら今やる。
NOなら一度保留する。
このシンプルな判断があるだけで、頭の中の混乱はかなり減ります。
仕事は「同時にやる」から「順番にやる」へ
インバスケットを取り入れると、働き方は自然と変わります。
これまでのように、すべてに同時に手を出すのではなく、一度受け止めてから順番を決める。そして一つずつ処理していく。
やっている仕事量は変わらないのに、体感の負担が明らかに軽くなります。
集中できる時間が増えるため、ミスも減り、結果として仕事の質も上がります。
ここで重要なのは、「速さ」ではなく「順番」です。
それでも苦しいなら、「環境を変える」という選択肢もある
ここまで読んで、「考え方はわかったけど、うちの職場では無理だな…」と感じた人もいると思います。
実はそれは正しい感覚です。
インバスケットの考え方はあらゆる場面で有効ですが、前提として「ある程度コントロールできる環境」が必要です。
たとえば、
- 常に人手不足で割り込みが止まらない
- 優先順位のルールがなく、その場の空気で仕事が決まる
- 何を優先しても誰かに文句を言われる
このような環境だと、どれだけ工夫しても限界があります。
そして厄介なのは、こういう職場に長くいると、
「自分の能力が低いから回せないんだ」と思い込んでしまうことです。
でも実際は逆で、
“誰がやっても崩れる設計”になっているだけです。
「今の職場が普通」と思わないでほしい
薬剤師の職場は、想像以上に差があります。
同じ業務内容でも、
- 人員に余裕があり、割り込みが整理されている職場
- すべてが場当たり的で、常にマルチタスクを強いられる職場
この差はかなり大きいです。
そして一度「整った環境」を経験すると、
今までのしんどさが“異常だった”と気づく人がほとんどです。
情報を持っている人だけが、選べる
とはいえ、忙しい中で求人を一つひとつ比較するのは現実的ではありません。
そこで使われているのが、薬剤師専門の転職エージェントです。
エージェントを使うメリットは、単に求人を紹介してもらうことではありません。
「職場のリアルな働き方」を事前に知れることです。
- 実際の忙しさ
- 人員体制
- 残業や割り込みの実態
- 現場の雰囲気
こういった“入ってみないと分からない情報”を知った上で選べるのは、大きな差になります。
本記事では、これらの情報を効果的に集めることが出来る転職エージェントを紹介しておきます。
どのエージェントも必ず皆さんの力になってくれますので、ぜひ一度頼ってみて下さい👇
▶ ファルマスタッフ
👉 調剤薬局特化・教育体制の良さで業界トップクラス
- 大手調剤チェーンとの提携が強い
- 派遣・パートなど働き方の選択肢が多い
- 職場見学や内部情報の提供が丁寧
- 教育体制の良い薬局の紹介に強い
\調剤薬局やドラッグストアで安心して働きたい人、環境重視の人に最適/
▶ レバウェル薬剤師
👉 年収UP+スピード転職に強い“即戦力型”
- 求人数が多く比較しやすい
- 年収交渉が強く、収入UP実績が豊富
- 対応が早く、最短で内定まで進める
※企業求人は非対応
\「早く転職したい」「年収を上げたい」薬剤師におすすめ/
▶ ファルメイト
👉 派遣・高時給案件に強い“働き方自由度No.1”
- 派遣薬剤師のサポートが非常に厚い
- 時給3,000円以上の案件も多数
- 単発・短期・Wワーク可能
- ワークライフバランスを調整しやすい
\「今の収入を増やしたい」「週3勤務で働きたい」方に最適/
今すぐ転職しなくてもいい
ここで一つだけ伝えておきたいのは、
必ずしも「今すぐ転職する必要はない」ということです。
ただ、
「他に選択肢がある状態」を持っておくことは、かなり重要です。
選択肢がないと、どんなに辛くてもそこに居続けるしかなくなります。
逆に、選べる状態にあるだけで、気持ちはかなり楽になります。
一度、外の世界を見てみてください
もし少しでも、
「このままでいいのか…?」と感じているなら、
一度だけでも外の環境を見てみてください。
それだけで、
- 自分の市場価値
- 今の職場の立ち位置
- もっと楽に働ける可能性
こういったものが、かなりクリアになります。
\登録は無料・情報収集だけでもOK/
今のしんどさは、あなたの能力の問題ではありません。
ただ、「そういう働き方しかできない環境」にいるだけです。
そして環境は、選べます。
おわりに
マルチタスクができないと悩んでいるあなたは、おそらく真面目で責任感の強い人です。
だからこそ、すべてを同時にこなそうとしてしまう。
そしてうまくいかないと、自分を責めてしまう。
でも、その努力の方向は少しズレています。
必要なのは、頑張ることではなく、やり方を変えることです。
一度すべてを受け止めて、順番を決めて、一つずつ終わらせていく。
インバスケットの考え方は、そのためのシンプルで現実的なフレームです。
もし今、「自分には向いていない」と感じているなら、それは能力の問題ではありません。
“できないやり方”を強いられているだけです。
そして、やり方も環境も、変えることができます。
▼家で眠っている参考書や教科書、捨てるくらいならお金にしませんか??




コメント