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チームビルディングのために必要なこと5選【医療職・薬剤師向け】

スキルアップ・勉強

医療現場では、一人の力だけで患者さんを守ることはできません。
薬剤師、医師、看護師、管理栄養士、リハビリスタッフなど、多職種が連携して初めて「安全で質の高い医療」が成り立ちます。

しかし、実際の現場ではこうした声をよく耳にします。

「あの情報、共有されてなかった…」
「なんであの人はやらないの?」
「意見を出すと角が立つから黙ってる」

これは単なる人間関係の問題ではなく、チームビルディング不足の表れです。
特に薬剤師は、情報のハブとして医療チーム全体の連携を左右する存在。
あなたの動き一つで、現場の空気も患者の安全も大きく変わります。

本記事では、薬剤師が中心になって医療現場を良くするためのチームビルディングの5つのポイントを、失敗例・改善例・会話例を交えて解説します。
さらに、最後にはチーム力が高い職場の特徴転職・研修でキャリアを伸ばす方法もご紹介します。


1. 情報共有の質と頻度を上げる

なぜ情報共有が最重要なのか

厚生労働省の報告によれば、医療事故の約70%は「情報の断絶」や「誤解」が原因とされています。
薬剤師は、処方意図・疑義照会の結果・薬の在庫状況・副作用報告など、重要情報の中心にいます。
この情報が正しく、かつタイムリーに共有されるかどうかで、現場の安全性が大きく変わります。

失敗例

  • 夜勤帯で医師が処方変更 → 朝の投与前に伝わらず誤投薬
  • 薬歴に疑義照会の結果を書いたが、夜勤の看護師は電子薬歴を確認していなかった
  • OTC販売スタッフが新商品の副作用情報を知らず、説明不足のまま販売

改善例

  • 三重化ルール:口頭・電子薬歴・グループチャットの3経路で共有
  • 朝礼・終礼で「重要事項」を必ず報告
  • 疑義照会は医師だけでなく看護師にも簡潔に説明(投与直前のスタッフが理解できる形)

会話例

薬剤師A:「昨日の疑義照会で、抗菌薬を3日短縮することになりました」
看護師B:「ありがとうございます。今日の朝投与前に差し替えますね」

現場導線としてのツール活用

SlackやLINE、電子薬歴のチャット機能など、ITツールは強力な味方になります。
もし職場が導入していないなら、「情報共有が医療安全につながる」という根拠を添えて提案するのも立派なリーダーシップです。


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2. お互いの役割と強みを理解する

役割理解がなければ摩擦は必然

「なんでやってくれないの?」

そんな不満の多くは、相手の業務範囲や背景を理解していないことから生まれます。
薬剤師の業務を誤解している職種も多く、「薬を出すだけ」と思われがちです。

失敗例

  • 看護師から「輸液の混注は薬剤師が全部やって」と言われ、物理的に対応できず不満が残る
  • 医師からの指示変更を薬剤師が受け、看護師に伝え忘れることで現場が混乱

改善例

  • 職種ごとの業務範囲を共有する「業務紹介ミーティング」を四半期に一度実施
  • チーム内で「得意分野リスト」を作成し、問い合わせや相談先を明確化
  • 異職種体験で互いの苦労を体感

会話例

医師:「この抗菌薬、投与期間はこれで大丈夫?」
薬剤師:「患者さんの腎機能から見て、この日数で安全です。もう少し短縮も可能ですが、感染部位を考えると現状が妥当です。」

基本的にはコミュニケーションをしっかりと取っておくことが不満感を減少させる基本です👆


3. 信頼関係を築く小さな行動

緊急時に動くのは「信頼」がある人

医療現場では、急変や緊急対応のときに信頼できる人の声が優先されます。
その信頼は、日常の小さな行動でしか築けません。

失敗例

  • 普段から無愛想で会話も少ない薬剤師に、急患時に声をかけづらい
  • トラブル時に他職種を責め立てる発言が多く、距離を置かれる

改善例

  • 困っている同僚を30秒だけでも助ける「ミニ応援」
  • 「昨日の提案、助かりました!」など感謝の言葉を直接伝える
  • トラブルは責めず、再発防止策を先に出す

会話例

看護師:「点滴準備を手伝ってくれてありがとう!」
薬剤師:「お互いさまです。急変時は私も頼りますね」


4. 意見の違いを「対立」ではなく「改善の種」に変える

意見の食い違いは医療現場の宿命

医療は「正解が一つではない世界」です。薬剤師と他の医療スタッフの間で意見が割れることも日常茶飯事。
そのときの対処法が、今後の関係を大きく左右します。

失敗例

  • 他の医療スタッフの提案を即否定 → 「協力しない薬剤師」というレッテルを貼られる
  • 会議で感情的になり、議論が個人批判に発展

改善例

  • 相手の意見をまず要約して確認(受容姿勢を見せる)
  • 個人批判ではなく「事象とプロセス」に焦点を当てる
  • 複数案を提示して合意形成を促す

会話例

医師:「この薬は減らしたくない」
薬剤師:「副作用リスクを考えると、減薬も選択肢の一つです。別案として、用量調整か他剤への切り替えも検討できます」


5. 成果と成功体験をチームで共有する

成果共有がチームの原動力

心理学的にも、成功体験を共有するとメンバーのモチベーションは大きく向上します。
特に薬剤師の仕事は成果が見えにくい分、意識的に可視化することが重要です。

失敗例

  • 服薬アドヒアランス改善の成功事例を報告しない → 他スタッフが同じ方法を活用できない
  • 医療安全報告が「失敗事例」ばかりで雰囲気が暗くなる

改善例

  • 朝礼で「成功事例1分報告」制度を導入
  • 医療安全報告に「成功予防例」の項目を追加
  • 新人・後輩の成果をチームで称賛

会話例

薬剤師:「退院患者さんの薬、飲み忘れがゼロになりました」
管理薬剤師:「素晴らしい!この方法を全員で取り入れましょう」


6. チームビルディングがうまくいかない職場の共通点

  • 情報が断絶している
  • 職種間の壁が厚い
  • 個人批判が常態化している
  • 成果が共有されない

こうした職場は、改善活動が続かず、優秀な人材から先に辞めていく傾向があります。
改善が見込めない場合は、転職も現実的な選択肢です。


7. チームビルディングが進んでいる職場の特徴

  • ITツール活用で情報が即時共有される
  • 定期的な異職種ミーティングがある
  • 失敗を責めず改善に活かす文化
  • 成果を全員で称賛する風土

8. 転職・研修でキャリアとチーム力を同時に高める

チームビルディングは「職場文化」によって加速も停滞もします。
あなたが本当に力を発揮できる環境を選ぶことは、患者さんにとってもプラスです。

  • 研修でスキルアップ:チーム医療研修・コミュニケーション講座
  • 転職で環境を変える:連携文化が根付いた職場を選択

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9. まとめ

薬剤師が現場のチーム力を高めるためにできることは、決して難しいことばかりではありません。

  • 情報共有の質と頻度を上げる
  • お互いの役割と強みを理解する
  • 信頼関係を築く小さな行動
  • 意見の違いを改善の種に変える
  • 成果と成功体験を共有する

この5つを少しずつ取り入れるだけで、職場の雰囲気も成果も大きく変わります。
あなたの一歩が、チーム全体の力を引き上げます。

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