これは「業務効率化」の話ではない
今回の厚労省の検討会ニュースを読んで、多くの薬剤師は「一包化を外に出せるなら少しラクになるかも」と感じたかもしれません。
ですが、この議論の本質はそこにはありません。
これは、薬局が調剤をする意味そのものを制度側が問い始めた、という話です。
調剤業務の一部外部委託はすでに薬機法改正で可能になっていましたが、これまでは「まずは一包化だけ」「安全性を見ながら慎重に」という空気が強く、実務レベルで大きく動く印象はありませんでした。
ところが大阪特区での実証事業が、その前提を大きく揺らしました。
大阪の実証で分かった「一包化だけでは意味がない」という現実
156件の外部委託で調剤過誤はゼロ。
安全性に問題はありませんでした。
これは想定の範囲内です。
厚労省が本気で議論を進める理由になったのは、むしろ別の結果でした。
一包化だけを外部委託しても、業務はほとんど効率化しなかったのです。
一包化だけで完結できる患者は全体の3分の1程度。
実際の現場では別包品も併せて調剤するケースがほとんどで、結果として元の薬局での作業は減りませんでした。
むしろ二度手間になる場面すらあったといいます。
この事実がはっきりしたことで、「一包化だけ」に限定していては制度として意味がない、という結論に近づきました。
だから今回、「一包化以外も対象にする」「三次医療圏外も議論する」という話が出てきたのです。
三次医療圏外への委託が示す未来像
同一三次医療圏外への委託を認めるという議論は、かなり大きな意味を持ちます。
それはつまり、物理的に離れた場所にある大規模な調剤センターで薬を作っても問題ない、という制度設計を視野に入れているということです。
将来的には、都市部などに巨大なセントラルファーマシーが存在し、そこで集中的に調剤が行われる。一方で地域の薬局は、薬を渡し、患者対応をする拠点として機能する。
この形が「特別な取り組み」ではなく、当たり前になる可能性があります。
ここまでくると、「調剤はその薬局で行うもの」という前提は崩れます。
薬局は“調剤の場所”ではなくなるかもしれない
国が薬局に求めているメッセージは、かなりはっきりしています。
調剤そのものは、場所にこだわらなくても安全に行える。
だからこそ、薬局は対人業務にもっと力を入れるべきだ、という方向性です。
これまで薬剤師の評価軸だった「調剤スキル」は、制度上「外部に出せる業務」に近づいていきます。ピッキングが速いこと、一包化がきれいなこと、監査が正確であることはもちろん大切ですが、それだけでは薬剤師としての価値を示しにくい時代に入ろうとしています。
これから評価されるのは、調剤室の外での力
外部委託の議論が進むほどに、評価される薬剤師像は変わっていきます。
✅在宅対応ができること、
✅OTCやセルフメディケーションに強いこと、
✅服薬フォローや継続支援ができること、
✅多職種と連携できること。
こうした「調剤室の外」での働きが、薬剤師の市場価値を左右するようになります。
問題は、今いる職場でその経験が積めるかどうかです。
もし日々の業務のほとんどが調剤で終わっているなら、数年後に振り返ったとき「制度が変わる前に動いておけばよかった」と感じる可能性があります。
制度が動いた後では、転職の難易度が変わる
この制度はまだ本格施行前です。
だからこそ、どの薬局も今はまだ大きな差が見えません。
しかし制度が動き出すと、求人側の目線は確実に変わります。
対人業務ができる薬剤師、在宅やOTCの経験がある薬剤師が優先されるようになります。
そのときに「調剤を中心にやってきました」という経歴は、以前ほど強みにならないかもしれません。
逆に言えば、今のうちに環境を変えられた薬剤師は、数年後に大きなアドバンテージを持ちます。
今の転職活動は「逃げ」ではなく「準備」
このニュースをきっかけに転職を考えることは、今の職場が嫌だから逃げる、という話ではありません。
これから必要とされるスキルを、早めに身につけられる環境に身を置くという「準備」です。
転職エージェントに相談するとき、「外部委託時代に強い経験が積める職場を知りたい」と伝えてみてください。
この視点で求人を探している薬剤師はまだ少なく、紹介される内容が大きく変わります。
下に紹介するような薬剤師専門のエージェントでは、在宅やOTC、面対応に力を入れている薬局の求人も多く扱っています。
今すぐ転職を決める必要はありません。
情報を知るだけでも、将来の選択肢は広がります。
▶ ファルマスタッフ
👉 調剤薬局特化・教育体制の良さで業界トップクラス
- 大手調剤チェーンとの提携が強い
- 派遣・パートなど働き方の選択肢が多い
- 職場見学や内部情報の提供が丁寧
- 教育体制の良い薬局の紹介に強い
\調剤薬局やドラッグストアで安心して働きたい人、環境重視の人に最適/
▶ レバウェル薬剤師
👉 年収UP+スピード転職に強い“即戦力型”
- 求人数が多く比較しやすい
- 年収交渉が強く、収入UP実績が豊富
- 対応が早く、最短で内定まで進める
※企業求人は非対応
\「早く転職したい」「年収を上げたい」薬剤師におすすめ/
▶ ファルメイト
👉 派遣・高時給案件に強い“働き方自由度No.1”
- 派遣薬剤師のサポートが非常に厚い
- 時給3,000円以上の案件も多数
- 単発・短期・Wワーク可能
- ワークライフバランスを調整しやすい
\「今の収入を増やしたい」「週3勤務で働きたい」方に最適/
まとめ:これは薬局の役割が変わるサイン
調剤の一部外部委託の議論は、業務効率化の話に見えて、実は薬局の存在意義を再定義する動きです。
調剤スキルに依存してきた薬剤師ほど、この変化の影響を受けやすくなります。
逆に、対人業務の経験を積んでいる薬剤師にとっては、大きな追い風になります。
制度が本格化する前に気づけたこと自体が、すでに大きなアドバンテージです。
その気づきを、これからのキャリア選択にどう生かすかが問われています。
▼家で眠っている参考書や教科書、捨てるくらいならお金にしませんか?
▼参考記事はこちら





コメント