調剤併設ドラッグストアで薬局長を務めています「ぴろしき」と申します。
後発品の供給不安が本格化して以降、在庫調整、代替提案、メーカー対応、収益管理まで、現場の最前線で意思決定をしてきました。
制度改定や需給バランスの変化が、薬局の利益構造や薬剤師の年収にどう跳ね返るのかも、数字で見てきた立場です。
だからこそ今回の「2026年度は供給が需要を上回る」という発表を、単なる回復ニュースとしては受け取っていません。
これは安定の始まりではなく、業界の“再選別”が始まるサインだと考えています。
2026年度、後発品は本当に「足りる」のか
日本ジェネリック製薬協会(GE薬協)が公表した最新の需給予測によると、2026年度は後発医薬品の供給量が需要量を上回る見込みとされています。
数字だけを見れば、長く続いた混乱がようやく収束に向かうようにも映ります。
けれど、現場で働く薬剤師の感覚は、もう少し慎重ではないでしょうか。
「本当に足りるのか?」
「またどこかで崩れないか?」
あの供給不安を経験したあとでは、“上回る見込み”という言葉を、そのまま安心材料として受け取れない。
そんな空気が、まだ残っているように感じます。
今回の予測では、2026年度の需要が1016億錠、供給が1032億錠。差は16億錠です。
確かにプラスではありますが、この余力は決して大きくありません。
需要が1%伸びれば約10億錠増える計算になります。
制度改定や後発品シフトが想定以上に進めば、その余白は簡単に埋まってしまう水準です。
「足りる」というよりも「ぎりぎり上回る」という表現のほうが、実態に近いかもしれません。
総量の回復と、現場の実感は一致しない
需給予測は“全体”の話です。しかし、薬剤師が向き合うのは“個別”の問題です。
✖ある成分は余っていても、別の成分は逼迫する。
✖規格違いが手に入らない。
✖代替品も同時に止まる。
こうした経験は、ここ数年で何度も繰り返されました。
今回の会見でも、個別薬効群レベルでは需給バランスが取れていないケースがあると説明されています。
つまり、2026年度になれば一斉に限定出荷が解除され、何事もなかったように元通りになるわけではない、ということです。
薬局現場の負担は、「総量」では測れません。
電話対応や疑義照会、患者説明に費やす時間は、たとえ数字上で改善していても、急にゼロにはならないのです。
制度改定という“まだ計算に入っていない波”
今回の需給予測には、オーソライズドジェネリック(AG)の薬価見直しや、長期収載品の選定療養見直しといった要素は織り込まれていません。
これらは後発品への移行を後押しする可能性があります。
もし後発品の需要が2%伸びればどうなるでしょうか。
単純計算で20億錠規模の増加です。
現在の“16億錠の供給超過”は、簡単に吸収されてしまいます。
制度は一気に変わるわけではありませんが、じわじわと現場に影響を与えます。
数年単位で見れば、その積み重ねが需給バランスを再び緊張させる可能性は十分にあります。
海外依存という構造は変わっていない
原薬や中間体の供給網は、依然として海外依存が大きいです。
地政学リスクや輸送遅延、環境規制など、外部要因で供給が揺らぐ可能性は残っています。
製剤メーカーの努力で生産体制が強化されても、原材料段階で詰まれば全体は止まります。
この構造そのものは、短期間で劇的に変わるものではありません。
「もう大丈夫」と言い切れない理由は、ここにもあるのです。
回復期に進むのは“安定”ではなく“再編”
供給が回復に向かうとき、業界は静かに動きます。
メーカー側では品目統合や効率化が進み、生産ラインの整理が行われます。
競争力のある企業は体力を強め、そうでない企業は厳しい局面を迎えます。
薬局法人にも同じことが起きます。
✅仕入れ交渉力が強い法人、
✅在庫管理を高度化している法人、
✅在宅やOTCなど複数の収益軸を持つ法人は、
この局面で一段強くなります。
一方で、供給不安を“根性”で乗り切っただけの法人は、回復後に差が開く可能性があります。
同じ薬剤師として働いていても、どの法人に属しているかで、将来の選択肢は変わります。
採用市場は、変化の途中で動く
こうした再編期には、体制強化のための採用が増えます。
管理薬剤師候補や在宅強化メンバーの募集など、表に出にくい求人も少なくありません。
完全に落ち着いてからではなく、変化の最中にポストは生まれます。
今の職場に不満がなくても、「自分は市場ではどう評価されるのか」を知っておくことには意味があります。
✅年収水準、
✅役職候補の可能性、
✅働き方の幅。
市場を知ることで、今いる場所の価値も客観的に見えてきます。
動くかどうかは、情報を得てから決めればいい
転職は大きな決断です。
ただ、情報収集はリスクではありません。
薬剤師専門の転職エージェントを通せば、非公開求人や法人の内部事情を知ることができます。
どの法人が供給体制を整え、どこが次の成長領域に投資しているのか。
求人票には書かれていない背景が見えてきます。
話を聞いたからといって、必ず転職しなければならないわけではありません。
むしろ、情報を持ったうえで「今は動かない」と判断できることに価値があります。
ここで、現役薬局長×元人事の目線で厳選した転職エージェントを3つ紹介しておきます👇
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供給超過はゴールではない
2026年度に供給が需要を上回る見込み――それは前向きなニュースです。
しかし、それは混乱の終わりというより、次の段階への入口かもしれません。
安定の兆しが見えたとき、業界は形を変え始めます。
再編が進み、強い法人とそうでない法人の差が広がる。
そこで働く薬剤師のキャリアにも、少しずつ影響が及びます。
何もせずに待つことも選択です。
けれど、選択肢を増やしておくことは、損にはなりません。
市場を一度だけ覗いてみる。それだけで、自分の立ち位置がはっきりします。
供給が上回るというニュースの裏側で、静かに進む構造変化。
その中で、自分がどこに立っているのか。
それを知ることから、次の一歩は始まります。
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