はじめに|また一つ、薬剤師の現場を揺るがす制度改正
「また制度が変わるのか……」
中央社会保険医療協議会(中医協)総会で示された
長期収載品の選定療養における患者負担額の引き上げ方針は、
多くの薬剤師にとって、正直“歓迎しづらいニュース”ではないでしょうか。
これまで
👉 長期収載品と後発品の価格差の「4分の1」だった患者負担が、
👉 「2分の1以上」へ引き上げられる方向性が示されました。
一見すると「患者負担の話」に見えますが、
実際に影響を受けるのは、私たち薬剤師の“業務量・精神的負担・評価”です。
本記事では、
- 制度改正のポイントをわかりやすく整理
- 薬局・ドラッグストア現場で何が起きるのか
- なぜ今、転職を考える薬剤師が増えているのか
- 後悔しないための“選択肢の持ち方”
まで、現場目線で解説していきます。
制度改正の要点|何がどう変わるのか?
● 変更点の核心は「患者希望時の負担増」
今回、厚生労働省が示した方向性はシンプルです。
患者が希望して長期収載品を選んだ場合の自己負担を、
後発品との差額の「2分の1以上」に引き上げる
※ただし、以下の場合は対象外。
- 医療上の必要性がある
- 後発品の供給不足で使用できない
● 具体例で見る患者負担の変化
厚労省のシミュレーションでは、以下のようなケースが示されています。
- 長期収載品:1錠20円
- 後発品:1錠10円
- 1日4錠 × 25日分
この場合の患者負担は…👇
- 現行:775円
- 改正後:950円
➡ 175円の負担増
数字だけ見れば「少額」に見えますが、
患者説明・クレーム・納得形成を担うのは薬剤師です。
現場で確実に増える3つの負担
① 患者説明が“さらに長く・難しく”なる
すでに選定療養導入後、
- 「なんでこの薬だけ高いの?」
- 「今までと同じ薬なのに?」
- 「ジェネリックは不安だから嫌なんだけど」
こうした説明対応に追われている方も多いはず。
負担額が上がると、納得できない患者が増えます。
そうすると、説明時間が増え、窓口トラブルが増え、他の業務が圧迫されるという負のループが発生しがちです。
② ジェネリック供給不安との板挟み
制度上は「後発品を使いましょう」と言われる一方で、
出荷調整の嵐は止む気配がありません。
皆さんもすでに感じておられるでしょうが、現場はすでに限界です。
👉 制度は理想論、対応は現場丸投げ
これが今の構造です。
③ 頑張っても評価されない構造は変わらない
患者対応が増えても、
- 調剤報酬は増えない
- 人員は増えない
- 給与も上がらない
結果として、
「制度対応で疲弊するのは、いつも現場の薬剤師」
という状況が続きます。
なぜ今、「転職」を考える薬剤師が増えているのか?
今回の選定療養の見直しは、単発の改正ではありません。
- 後発品使用促進
- 長期収載品の薬価引き下げ(G1ルール強化)
- 調剤報酬の引き締め
- 薬局の淘汰・二極化
👉 今後も“薬剤師に厳しい制度改正”は続く前提
だからこそ、
- この職場は、今後も制度対応を現場に押し付けてくるのか?
- 自分は、5年後も同じ働き方をしているのか?
- 家族・収入・働き方を守れる環境か?
と、キャリアを見直す人が増えています。
転職=今すぐ辞める、ではない
ここで大切なのは、
転職活動 ≠ 退職
という考え方です。
✔ 情報を持っている人ほど、選択肢が増える
- 制度改正に強い会社
- 人員体制に余裕がある薬局
- 評価制度が明確なドラッグストア
- 在宅・管理・本部など多様なキャリアパス
これらは、中にいないと分からない情報がほとんど。
だからこそ、
薬剤師専門の転職エージェントを「情報収集ツール」として使う人が増えています。
薬剤師転職エージェントを使うメリット
「今すぐ転職しない」前提でも問題ありません。
まずは情報収集する事が大切です。
まとめ|制度は変えられない。でも、働く場所は選べる
選定療養の負担引き上げは、
- 患者負担増
- 薬剤師業務増
- 現場ストレス増
という形で、確実に現場へ影響します。
制度そのものは、個人では変えられません。
しかし、
「どんな環境で、その制度に向き合うか」
は、自分で選べます。
✔ 今の職場に不安を感じたら
✔ 将来の働き方を一度整理したいなら
まずは、薬剤師専門の転職エージェントで情報収集してみてください。
「知らなかった選択肢」が見えるだけで、今後の不安は大きく変わります。
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