2025年度の新入社員意識調査では、36年ぶりに「年功序列を望む若者」が「成果主義を望む若者」を上回りました。
「安定」を重視する流れは、医療現場で働く薬剤師にとっても無関係ではありません。
転職市場が活発化し、ドラッグストアや病院・調剤薬局での働き方が多様化する今、薬剤師は「成果主義」と「年功序列」のどちらに軸足を置いてキャリアを考えるべきなのでしょうか。
この記事では、元大手ドラッグストアの人事採用担当であり、現役の薬局現場責任者である私が、
調剤報酬が悪化の一途をたどる現在において薬剤師が取るべきキャリア戦略について考えていきます。
\この記事を読むメリット/
✅年功序列と成果主義のメリットデメリットが分かる
✅薬剤師が今後取るべきスタンスが分かる
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新入社員が「年功序列」を望む背景
学校法人「産業能率大学総合研究所」(東京都世田谷区)の調査では、約56%の新入社員が年功序列を希望し、成果主義を支持する43%を逆転しました。
薬剤師にとっても、この流れは共感しやすい部分があります。
年々悪化する調剤報酬の改定で薬局の売り上げを上げることは難しくなっていっています。
例えば、直近では医療DX推進体制整備加算の改悪がありました。
これまでと同じ加算点数を獲得しようとするためには、今まで以上の労力と工夫が必要になるという事になります。
DX加算以外の加算においても基本的には改悪が続いており、
これは言い換えれば、薬剤師の時給単価が落ちていっているということになります。
加えて、大手調剤薬局や大手ドラッグストアにおいては評価基準が不透明なことが多く、モチベーションの低下に繋がりやすい構造になっています。
これらの理由から、新卒薬剤師においても安定的に昇給・昇格する「わかりやすいルート」のほうが安心感がある年功序列の方が人気があると推測できます。
薬剤師業界における「成果主義」の現実
成果主義が薬剤師業界でうまく機能しているかというと、正直まだ課題が多いです。
例えばOTCでいえば、利益品の販売数などが評価に紐づくことがありますが、環境要因に左右されやすく、個人の評価としては納得感の小さいものとなります。
(ただし、店長クラスになれば店舗の代表となり、店舗全体の数値が評価になるので納得感は大きくなります。)
調剤の現場で言えば、患者の服薬アドヒアランス向上や適切な薬歴記載などの「見えにくい成果」が多く、正しい評価がされにくいという現状があります。
また、管理薬剤師やエリアマネージャーになっても給与差が小さいので、現場でなんとなく勤務薬剤師として暮らしていきたいと考える薬剤師も多くなるのでしょう。
これは薬剤師に限らず、その人個人に対して給与が発生しているというよりは、資格に対して給与が発生している要素が大きいためです。
薬剤師以外の専門職もそうかもしれません。
その結果、「頑張っても報われにくい」→「安定志向に傾く」という思考回路が生まれやすくなるのです。
年功序列がもたらすメリットとリスク
薬剤師が「年功序列型キャリア」に安心を感じる理由は大きく3つあります。
- ✅ 着実に年収が上がる(生活設計が立てやすい)
- ✅ 勤続年数で役職がつきやすい(特に病院やチェーン薬局)
- ✅ 転職で不利になりにくい(〇〇を何年経験したetc.)
一方で、リスクもあります。
- ❌ 実力がある若手ほど不満を持ちやすい
- ❌ 「待てば昇進」の空気がモチベーション低下につながる
- ❌ 市場価値を意識しないまま年齢を重ねると、転職時に苦戦
加えて、年功序列では頑張らなくてもゆっくり給料が上がっていくため新しいものが生まれにくいという大きな欠点があります。
ここでいう新しいものというのは商品そのもののことだけでなく、サービスや職場内のシステムなども含みます。
新しいものが生まれないと、
↓
顧客(患者)満足度低下
↓
処方箋応需枚数低下
↓
薬局の減収減益
↓
給料の低下
となり、結果的に自分の首を絞めてしまう事になるのです。
薬剤師が取るべき“ハイブリッド戦略”
薬剤師におすすめなのは、年功序列に安心しつつも、成果主義的なキャリア投資を並行する戦略です。
- 年功的に昇給する企業に在籍しながら、専門性を磨く(在宅・感染制御・認定資格など)
- 成果が見えにくい業務(服薬指導・副作用対応)も、数値化・記録化してアピール
- 転職市場の相場を常にウォッチしておく
「安定×成長」の両方を取りにいくことが、薬剤師のキャリアリスクを減らす一番の方法です。
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まとめ
- 新入社員の半数以上が「年功序列」を望むようになった
- 薬剤師も成果主義の限界を感じやすく、安定志向が強まっている
- ただし「年功序列一本槍」は危険
- 安定をベースに、成果主義的なスキルアップを組み合わせる“ハイブリッド戦略”が賢明
薬剤師は「安定」を捨てる必要はありません。
むしろ、安定を土台にしながら、自分の市場価値を高める投資をしていくことで、
変化の激しい医療業界でも“ブレないキャリア”を築けるでしょう。
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