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【管理薬剤師・店長以上を目指したい人向け】仕事の優先順位の決め方 〜インバスケット思考で差をつけろ〜

転職・キャリア設計

はじめに

「次に昇進するのは誰か?」
現場では日々、こうした“見えない選抜”が行われています。

管理薬剤師や店長、エリアマネージャーなど“上”を目指したい薬剤師にとって、最も重要な力のひとつが「仕事の優先順位をつける力」です。

本記事では、その判断力を体系的に鍛えるフレームワークとして「インバスケット思考」を紹介しつつ、薬剤師としてどのように実践していけばよいかを解説します。

▼参考書籍はこちら

なぜ“優先順位”を間違えると管理職になれないのか?〜現場のリアル×出世のボトルネックを可視化〜


  1. 「全部やってるのに評価されない…」その理由は?
  2. 1. 管理職に求められるのは「判断力」である
  3. 2. 薬剤師の現場に潜む「優先順位ミス」の具体例
    1. ❌ ケース1:「とりあえず薬を出せばいい」と判断した結果…
    2. ❌ ケース2:「空いてる時間に新人教育しよう」と後回しに…
    3. ❌ ケース3:「忙しいから全部自分でやる」悪循環に…
  4. 3. 上司が見ているのは「結果」ではなく「プロセス」
  5. 4. 判断力の差は「情報の取り扱い方」で決まる
    1. ×情報処理型の薬剤師
    2. ◎判断型の薬剤師
  6. 5. なぜ優先順位で“出世の差”がつくのか?
  7. あなたの“次の一手”は、未来を変える
  8. 「とりあえず全部やる」では管理職になれない
  9. 1. インバスケットとは?
    1. ▷ もともとは「未処理書類ボックス」
  10. 2. なぜ薬剤師にもインバスケット思考が必要なのか?
    1. ✅ 調剤薬局・ドラッグストアの現場は「即断即決」の連続
  11. 3. インバスケット思考の5ステップ(薬剤師向け)
    1. ✅ STEP1:全情報をまず“受け止める”
    2. ✅ STEP2:重要度と緊急度で仕分ける
    3. ✅ STEP3:自分でやるべきか、人に任せるべきか判断する
    4. ✅ STEP4:判断と行動を“可視化”しておく
    5. ✅ STEP5:判断の“振り返り”を習慣に
  12. 4. 薬剤師がよく判断ミスをする“4つの落とし穴”
    1. ❌① 緊急≠重要の誤認
    2. ❌② 重要な仕事を“忙しいから後で”にする
    3. ❌③ 判断を感情で行う
    4. ❌④ 判断の根拠が共有されない
  13. 5. インバスケット思考を薬局業務に活かす実例
    1. 🔍実例1:クレーム対応の優先順位
    2. 🔍実例2:新人が投薬内容をミス
  14. 判断力を武器にする薬剤師へ
  15. 「全部が大事」にしていると、何も進まない
  16. 1. 「緊急」と「重要」を分ける力が管理職の分かれ道
    1. 🔍まずは定義を整理
  17. 2. 優先順位マトリクスとは?
    1. ▷ ドラッカーやスティーブン・R・コヴィーも活用した定番フレーム
  18. 3. 薬局での実践例:各象限に具体的業務を当てはめてみる
  19. 4. あなたの業務、「第Ⅱ領域」はどれくらいありますか?
  20. 5. よくある誤解とその解消法
    1. ❌「第Ⅱ領域に時間なんて取れない…」
    2. ❌「第Ⅱ領域はヒマなときにやるもの」
  21. 6. 第Ⅱ領域に時間を割くための3つの習慣
    1. ✅ 習慣1:朝一の15分を「考える時間」にする
    2. ✅ 習慣2:週1回、業務をマトリクスに分類してみる
    3. ✅ 習慣3:第Ⅱ領域の予定をカレンダーに“予約”する
  22. 優先順位は「センス」ではなく「仕組み」で磨ける
  23. 「決める力」が、すべての差を生む
  24. 1. インバスケット問題とは?
  25. 2. 設定:あなたは「店長候補」。今日1日でどう動く?
  26. 3. 実践!薬局版インバスケット問題20問
    1. 🗂 ケース①〜⑤:開店直後の混乱
    2. 🗂 ケース⑥〜⑩:診療時間のピーク中
    3. 🗂 ケース⑪〜⑮:昼休憩中にも続々と
    4. 🗂 ケース⑯〜⑳:夕方〜退勤前
  27. 4. さばき方の「模範例」(一部)
  28. 5. 判断の軸は「リスク」「期限」「影響度」
  29. 6. なぜこのトレーニングが昇進に効くのか?
  30. 判断力は、後天的に鍛えられるスキル
  31. 判断できても「伝えられない」と意味がない
  32. 1. 薬局あるある:「全部やって」で全部崩れる
  33. 2. なぜ「伝え方」が上司と部下の信頼を分けるのか?
  34. 3. 管理職の伝え方に必要な「5つの要素」
    1. ①【目的】なぜこれをやるのか
    2. ②【優先順位】何が一番重要か
    3. ③【期限】いつまでに?
    4. ④【背景情報】なぜ急ぎなのか?
    5. ⑤【フォロー】何かあればどうするか?
  35. 4. 優先順位の「伝え方」よくあるNG例と改善例
    1. ❌ NG:指示が抽象的すぎる
    2. ❌ NG:丸投げ・責任放棄型
    3. ❌ NG:緊急性が伝わっていない
  36. 5. 忙しい中でも伝えるには「10秒テンプレ」
    1. 🎯 10秒伝達テンプレ
  37. 6. 任せ方を間違えると「全部自分でやる」地獄がくる
  38. 「伝える力」で人を動かす薬剤師へ
  39. 「指示待ちチーム」から脱却せよ
  40. 1. なぜ“教える”だけでは育たないのか?
  41. 2. 「考えるスタッフ」を育てる3ステップ
    1. ✅STEP 1:まずは「判断軸」を共有する
    2. ✅STEP 2:「どっちを優先すべき?」を一緒に考える
    3. ✅STEP 3:「なぜそうしたか?」を問う文化をつくる
  42. 3. ケーススタディで練習する(ミニ・インバスケット)
    1. 🧠 ミニインバス ケース例:
  43. 4. 「考えさせる文化」が強い薬局を作る
  44. おわりに:あなたの判断力は、次世代に伝えてこそ本物になる
  45. 🧭 最終まとめ|「優先順位で昇進する薬剤師」6つのマインド

「全部やってるのに評価されない…」その理由は?

「仕事は真面目にやってる」
「人手が足りないから何でもやってる」
「トラブルも自分で対応してる」

それなのに──
「なぜか昇進の話が自分に回ってこない」

そんな違和感を抱いている薬剤師の方はいませんか?

実はそれ、あなたが“優先順位”を間違えているサインかもしれません。
管理薬剤師・店長以上を目指すなら、「量」ではなく「選択と判断の質」が問われるのです。

この章では、薬剤師が昇進に向けて習得すべき「優先順位スキルの本質」について掘り下げていきます。


1. 管理職に求められるのは「判断力」である

まず大前提として、薬局運営や店舗経営の中心人物=管理職に求められるのは、

  • 誰よりも動ける人
  • 誰よりも早い人
  • 誰よりも手を動かしている人

……ではありません。

本当に求められるのは、

✅「限られた時間と人材の中で、何をやるかを選び抜く力」
✅「やるべきことと、やらなくていいことを見極める力」
✅「スタッフや上司との利害を調整する力」

つまり、“判断力”と“優先順位の整理力”なのです。


2. 薬剤師の現場に潜む「優先順位ミス」の具体例

では、実際に現場で起きがちな“優先順位のミス”をいくつか見てみましょう。

❌ ケース1:「とりあえず薬を出せばいい」と判断した結果…

患者からの相談を受けずに、枚数をこなすために処方箋通りに薬を出すことに専念。
本来疑義照会すべき処方(重複投与)をスルーしてしまい、後日クレームに発展。

処方監査の優先順位を低く扱った判断ミス


❌ ケース2:「空いてる時間に新人教育しよう」と後回しに…

新人スタッフの教育が後回しになり、配属3ヶ月目でも調剤過誤が頻発。
結果、上司から「育成力が低い」と評価を落とされる。

重要だけど緊急でないタスクの軽視


❌ ケース3:「忙しいから全部自分でやる」悪循環に…

納品チェック・棚卸し・発注・スタッフフォロー・服薬指導…すべて自分でやって疲弊。
クレーム対応で冷静な判断ができず、ミスを引き起こす。

委任可能な業務の抱え込みによるパフォーマンス低下


3. 上司が見ているのは「結果」ではなく「プロセス」

現場の仕事は「結果」が目に見える世界です。
しかし、昇進の判断では「どうやってその結果を出したか」=プロセスが問われます。

例えば──

項目◎評価される人×評価されない人
忙しい時の対応的確に優先順位を整理し、人に任せられるすべて自分で処理し、結果トラブルが起きる
クレーム発生時状況を整理し、適切な報告と対処焦って処理し、情報伝達ミスが起きる
教育早期から計画的に育成、役割を与える「空いてる時にやろう」と後回しにする

👉 つまり「仕事ができるかどうか」ではなく、どう優先順位をつけて動いたかが見られているのです。


4. 判断力の差は「情報の取り扱い方」で決まる

では、どうすれば判断力=優先順位スキルを磨けるのか?

それは、日々の情報の「処理」ではなく「選別と判断」に意識を向けることです。

×情報処理型の薬剤師

  • 全部に反応する
  • 手を動かすことで処理した気になる
  • メール・連絡・業務に常に振り回される

◎判断型の薬剤師

  • 情報に優先順位をつけて整理する
  • 自分がやるべきこと/他人に任せることを仕分ける
  • 「重要な仕事」に集中できる環境を自ら作る

この思考法の代表格が、インバスケット思考です。(後ほど詳しく解説)


5. なぜ優先順位で“出世の差”がつくのか?

優先順位を正しく見極められる薬剤師は、次のような動きが自然にできます。

  • 部下のミスを予防する
  • 売上アップの布石を打てる
  • 人手不足でも店舗を回せる
  • トラブルを報告+対応できる

これはつまり、「現場を回しながら、未来を整える力」です。

一方で、優先順位を誤ると…

  • 突発対応に追われる毎日
  • 重要な業務が放置される
  • 上司からの信頼が失われる
  • 部下にも尊敬されない

最終的に、「あの人は上には向かない」というレッテルを貼られてしまいます。


あなたの“次の一手”は、未来を変える

薬剤師として一歩上を目指すなら、
「何をやるか」ではなく「何をやらないか」の判断力を身につけるべきです。

その小さな一手の積み重ねが、
数ヶ月後、数年後のあなたの評価・役職・収入を変えていきます。

適切な判断力を身につけるにはお手本になる先輩がいるところで働くことが大切。

今の職場にそのような先輩がいないのであれば、他の職場を見てみる良い機会です。

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インバスケット思考とは何か?〜薬剤師が使いこなすべき“判断力の武器”〜


「とりあえず全部やる」では管理職になれない

前項師が昇進を目指す上で最も重要なスキルが「優先順位を見極める判断力」であるとお伝えしました。

では、その判断力をどう鍛えるのか?

ここで登場するのが、インバスケット思考(in-basket thinking)です。
本項では、ビジネス界や公務員・病院経営層の研修にも取り入れられているこの思考法を、薬剤師の業務にどう落とし込むかを徹底解説します。


1. インバスケットとは?

▷ もともとは「未処理書類ボックス」

「インバスケット(in-basket)」とは、もともと“未処理の書類入れ”を意味します。

そこに入ってくる大量の案件(書類やメール、メモなど)を、限られた時間内でどう処理するかを問うのが、インバスケット方式です。

1950年代、アメリカ空軍の幹部候補選抜訓練から始まり、現在では民間企業・行政・医療業界など、判断力を問われるポジションの登竜門として定着しています。


2. なぜ薬剤師にもインバスケット思考が必要なのか?

✅ 調剤薬局・ドラッグストアの現場は「即断即決」の連続

薬剤師の仕事は、次のような判断の連続です。

  • この処方は疑義照会すべきか?
  • OTCを希望されたけど、処方誘導すべきか?
  • 発熱の患者が来たが、対応可能か?
  • クレームが来たとき、自分で対応すべきか?店長に連絡か?

これらに毎回「相談してから考える」では、現場は止まってしまいます。

時間が限られている中で、最も適切な判断を下す
そのために、インバスケット思考は非常に有効なのです。


3. インバスケット思考の5ステップ(薬剤師向け)

インバスケットの考え方は、以下の5ステップで整理できます。


✅ STEP1:全情報をまず“受け止める”

📥 入ってくる情報をまずは感情抜きにインプット
「なんかモヤモヤする」ではなく、事実ベースで受け取る。

  • 「〇〇薬局から患者が移ってきた」
  • 「新人が抗生剤のピッキングを間違えた」
  • 「地域のケアマネから連絡あり」

✅ STEP2:重要度と緊急度で仕分ける

次に、以下の2軸で情報を分類します。

  • 重要度:それをやることが組織や患者にどれだけ影響を与えるか
  • 緊急度:今すぐ対処しなければならないか

この分類で、やるべき順番が見えてきます(→マトリクス思考は次項で詳解)。


✅ STEP3:自分でやるべきか、人に任せるべきか判断する

  • 自分しか対応できないものか?
  • 他のスタッフに任せても問題ないか?
  • 教育のために新人に任せる選択肢もあるか?

👉 「任せる勇気」も管理職に必要な判断力の一部です。


✅ STEP4:判断と行動を“可視化”しておく

判断した内容は「なんとなく」ではなく、メモ・報告・共有などで形にする。

  • 指示出しを明文化
  • チャットやグループLINEでエビデンスを残す
  • 日報にログを書く

これにより「なぜそう判断したか」を後で検証でき、組織としての信頼性も上がります。


✅ STEP5:判断の“振り返り”を習慣に

「終わったら終わり」ではなく、

  • なぜこの判断をしたのか?
  • 他により良い選択肢はあったか?
  • 結果はどうだったか?

を1分でもいいので振り返ることで、“判断力のPDCA”が回り始めます。


4. 薬剤師がよく判断ミスをする“4つの落とし穴”

インバスケット思考ができないと、以下のような落とし穴にハマりやすくなります。


❌① 緊急≠重要の誤認

📍「電話が鳴ってる=最優先」と反応してしまう
→ でも、その電話は営業電話だったり、他スタッフでも対応可の場合も


❌② 重要な仕事を“忙しいから後で”にする

📍教育・報告・改善…これらは重要だけど緊急ではない
→ でも、これを後回しにすると「管理職に向かない人」のレッテルに


❌③ 判断を感情で行う

📍「このスタッフには言いにくいから後回し」
→ 対人関係に忖度しすぎると、店舗全体の秩序が乱れやすい


❌④ 判断の根拠が共有されない

📍「〇〇さんには伝えたつもりだった」
→ メモや記録がなく、責任の所在が曖昧に。上司の評価にも響く


5. インバスケット思考を薬局業務に活かす実例

🔍実例1:クレーム対応の優先順位

状況:患者からの「待ち時間が長い!」という怒りの電話

  • ✅緊急度:高い(現時点で怒っている)
  • ✅重要度:中程度(対応次第ではリピーター離脱)
  • ✅対応者:自分で出るより、店長や経験者に任せる方が適切

👉ここでの判断力が、「現場が混乱しないか」「信頼を落とさないか」を左右する。


🔍実例2:新人が投薬内容をミス

状況:OTCと処方薬の飲み合わせ確認を漏らした

  • ✅緊急度:高(服用前の対応が必要)
  • ✅重要度:高(安全性に直結)
  • ✅対応者:即自分が説明し、患者に謝罪と再指導

👉ここでは「即時判断&即行動」こそが求められる場面。


判断力を武器にする薬剤師へ

インバスケット思考は、特別なスキルではありません。
むしろ、現場で日々飛び交う「判断の機会」に気づくことからスタートできます。

次の現場で迷ったとき、
「これは緊急か? 重要か? 自分がやるべきか?」
と3秒だけ考えてみてください。

その習慣が、
数ヶ月後には「信頼される薬剤師」「頼られるリーダー」への道につながっています。

あなたの職場は判断の機会を奪われるような職場ではないですか?

もしそうなのであれば、働く場所を見直すべきかもしれません。

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薬局・ドラッグストアの“優先順位マトリクス”を使いこなす〜あなたの仕事、どの象限に入る?可視化と整理で差がつく〜


「全部が大事」にしていると、何も進まない

あなたの1日はこんな風に始まっていませんか?

  • 朝の納品対応
  • 電話対応
  • 店長からの連絡確認
  • 新人の質問
  • 処方箋が山積み
  • ケアマネからの問い合わせ
  • 監査業務
  • 掃除
  • 調剤補助のフォロー
  • 売上報告の準備…

「全部大事だから、全部やる」

この考え方は、現場では美徳のように語られがちです。

ですが、昇進を目指す立場としては、
「優先順位を明確にして動ける人」こそ、組織が求める人物像です。

この項では、優先順位を見える化するためのツール「緊急度×重要度マトリクス」を使い、薬剤師の仕事をどう整理・判断すればよいかを実践的に解説していきます。


1. 「緊急」と「重要」を分ける力が管理職の分かれ道

🔍まずは定義を整理

概念定義例(薬局の場合)
緊急すぐに対応が必要なこと。期限・トラブルなど。電話対応、疑義照会、納品受入、クレーム
重要将来に影響を及ぼすこと。成果・信頼・改善に関係する。教育、業務改善、報告書作成、振り返り

管理職がやるべき仕事の多くは「重要だけど緊急ではない」領域にあります。
ここに手を出せるかどうかが、昇進できる人とできない人の決定的な差になります。


2. 優先順位マトリクスとは?

▷ ドラッカーやスティーブン・R・コヴィーも活用した定番フレーム

以下の図をご覧ください。

  • 第Ⅰ領域(緊急かつ重要):今すぐやるべきこと
  • 第Ⅱ領域(重要だが緊急でない):未来を変える仕事(ここに時間を使うべき)
  • 第Ⅲ領域(緊急だが重要ではない):人に任せる・対応範囲を絞る
  • 第Ⅳ領域(重要でも緊急でもない):極力削る

3. 薬局での実践例:各象限に具体的業務を当てはめてみる

領域業務例判断のヒント
① 緊急×重要・疑義照会対応
・服薬指導での副作用報告
・急な欠勤対応
自分が即時対応する。判断は最優先。
② 緊急でない×重要・新人教育計画
・ピッキングミス再発防止策
・地域連携の仕組みづくり
将来の成果や信頼につながる。じっくり考える時間を取る。
③ 緊急×重要でない・在庫数の細かい問い合わせ
・雑談ベースの電話応対
・不要な会議出席
本当にやるべきか、他の人でもいいのか?見直す。
④ 緊急でない×重要でない・何度もメールを見返す
・スマホの通知チェック
・必要以上の資料装飾
時間の浪費。意識的に削る。

4. あなたの業務、「第Ⅱ領域」はどれくらいありますか?

ここで質問です。

あなたの今週の業務のうち、「第Ⅱ領域(重要だけど緊急ではない)」は、何%ありましたか?

  • 0〜10%:要注意。管理職としての準備が進んでいません
  • 10〜30%:平均的。意識すれば伸ばせる段階
  • 30〜50%:昇進候補クラス。計画的に進められている証拠
  • 50%以上:すでに店長・マネージャークラス。現場主導力あり

👉 第Ⅱ領域の“割合”が、あなたの将来を決めます。


5. よくある誤解とその解消法

❌「第Ⅱ領域に時間なんて取れない…」

→実は、第Ⅰ領域の“火消し”に追われすぎているだけということも。

例えば、新人教育(第Ⅱ)を後回しにした結果、
・毎日の確認(第Ⅰ)
・謝罪や修正(第Ⅰ)
が増えて、結局忙しくなっているケースは多いです。

👉 「忙しさの正体」を見直すことから始めましょう。


❌「第Ⅱ領域はヒマなときにやるもの」

逆ですヒマなときにやる“オプション”ではなく、“未来への投資”です。

優秀な管理職は、意識的にスケジュールの一部を「第Ⅱ領域タイム」として確保しています。
・週に1時間だけ育成時間を設ける
・月初に必ず業務改善を考える時間を入れる
などの行動習慣が、出世の差を生みます。


6. 第Ⅱ領域に時間を割くための3つの習慣

✅ 習慣1:朝一の15分を「考える時間」にする

→ 開店前や着替え直後の静かな時間を、自分の判断整理に使いましょう。


✅ 習慣2:週1回、業務をマトリクスに分類してみる

→ 頭の中で分類するだけでも、「無駄にやってた業務」が見えてきます。


✅ 習慣3:第Ⅱ領域の予定をカレンダーに“予約”する

→ 重要だけど後回しにしていたタスクは、先に時間をブロックすることで実行されやすくなります。


優先順位は「センス」ではなく「仕組み」で磨ける

管理職を目指す薬剤師に必要なのは、
「全部をこなすスーパーマン」ではなく、
「やるべきことに集中するマネージャー」です。

その第一歩が、
“緊急”と“重要”の違いを理解すること。
そして、あなたの時間の使い方をマトリクスで見える化することです。

インバスケットの基本がわかったところで、あなたの上司はどうでしょうか。

マネージャーとして適切に機能していそうでしょうか。

答えがイエスでないのであれば、あなたのことも適切に評価してくれないかもしれません。

危機感を感じたら、早目に転職エージェントに相談しましょう。

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薬局版インバスケット問題で“判断力”を鍛える実践編〜現場に飛び交う20個の指示、あなたはどうさばく?〜


「決める力」が、すべての差を生む

薬局やドラッグストアの現場で働く薬剤師の多くは、
毎日「選ばなければならない状況」にさらされています。

  • 電話が鳴っている
  • 新人が質問してくる
  • 監査中の処方に違和感がある
  • 上司から「会議資料どうなってる?」
  • でも、あと5分で患者が来る…

この瞬間、何を優先し、何を後回しにするか?
その判断力こそが「管理職に向いているかどうか」の最もリアルな試金石です。

そこで今回は、インバスケット的な思考を実際の薬局業務に落とし込み、
「あなたなら、どう裁く?」という判断トレーニングに挑戦してみましょう。


1. インバスケット問題とは?

インバスケット問題とは、
「限られた時間内で、山積みの“タスクメモ”をどうさばくか?」を問うシミュレーション問題です。

  • 本当にやるべきことは何か?
  • 今すぐやる必要があるのか?
  • 自分でやる?任せる?後回し?
  • 優先順位は?影響度は?

これらを瞬時に判断する訓練になり、
管理職採用試験や人材育成研修などでも頻繁に使われています。


2. 設定:あなたは「店長候補」。今日1日でどう動く?

あなたは、あるチェーン薬局の店長候補。
今日は「上司への評価プレゼン前の最終勤務日」です。

その朝9:00、出勤すると、
“20件の指示・報告・相談メモ”が机に置かれていました。

これをもとに、あなたならどう動くかを判断してみてください。


3. 実践!薬局版インバスケット問題20問

それぞれのタスクに対して、

  • 🔴 すぐ対応(重要かつ緊急)
  • 🟠 優先的に計画(重要だが緊急ではない)
  • 🟡 人に任せる/要確認(緊急だけど自分じゃなくてOK)
  • スルーまたは後回し(重要でも緊急でもない)

という4種で仕分けてください。


🗂 ケース①〜⑤:開店直後の混乱

  1. 納品伝票に誤表記があり、仕入額が10万円ずれている
  2. 新人から「夜の納品対応、今日は一人でやっていいですか?」と相談
  3. 常連患者から「昨日の薬に間違いがあった」と電話あり
  4. 出勤予定のパートが体調不良で欠勤連絡
  5. 今夜提出の月次売上報告、まだ未入力

🗂 ケース⑥〜⑩:診療時間のピーク中

  1. 調剤棚に“期限切れ”の貼り薬を発見
  2. 隣のクリニックから「10分後に30枚分の処方が流れる」と事前連絡
  3. ケアマネから「在宅対応の曜日を見直したい」と電話あり
  4. スタッフが「最近○○さんの調剤が不安です」と告げてきた
  5. 棚卸しリストのチェック作業が進んでいない

🗂 ケース⑪〜⑮:昼休憩中にも続々と

  1. 本部から「今週中にPOPを刷新してください」とメールが届く
  2. 近隣の薬局から「人手足りないので明日だけ応援お願い」と連絡
  3. スタッフが患者とトラブルになり、内容を報告書で提出してきた
  4. 冷蔵庫内の温度記録に“未記入”が3件あるのを発見
  5. 今朝送った発注に誤りがあったと卸から連絡が入る

🗂 ケース⑯〜⑳:夕方〜退勤前

  1. 本部からの視察予定が1週間早まったとの連絡
  2. 学生インターンが「進路相談したい」と話しかけてくる
  3. 今週で退職するスタッフが挨拶まわりをしていない
  4. 店舗スタッフ間でLINEの言い争いがあったとのウワサ
  5. 新人が患者へ渡す薬袋を1枚多く用意していた

4. さばき方の「模範例」(一部)

いくつか代表的なものを模範的に仕分けてみましょう。

ケース内容優先分類理由
3薬の渡し間違い🔴即対応クレーム・安全問題は最優先
5月次報告未完🟠優先計画上司評価に関わる/時間指定あり
8在宅訪問日変更の相談🟡人に任せるまずは担当者に状況確認させる
10棚卸し作業遅れ⚪後回し可他に重大タスク優先のため延期
13トラブル報告🔴即対応クレームや信頼失墜リスクあり
19スタッフ間のLINE言い争い🟠優先計画放置は悪影響/冷静に事実確認へ

5. 判断の軸は「リスク」「期限」「影響度」

各タスクに対して、以下の3軸で判断するとブレにくくなります。

  • 🧯リスク性:放置した場合に重大事故や信頼損失に直結するか?
  • 期限性:タイムリミットはあるか?後回しにしてもよいか?
  • 🧠 影響度:患者・店舗・本部・地域にどれだけ影響があるか?

インバスケット思考では「完璧に処理する」より、
“取捨選択の精度”が問われます。


6. なぜこのトレーニングが昇進に効くのか?

店長・管理薬剤師になると、
「自分で全部やる」のではなく、
「判断し、任せ、結果に責任を持つ」ことが求められます。

つまり、
✅どの業務を優先するか
✅どれを他人に振るか
✅どの順番で進めるか
という能力が、日々の評価対象になるのです。

インバスケット問題は、それを疑似体験できる絶好のトレーニングです。


判断力は、後天的に鍛えられるスキル

管理職に向いているかどうかは、性格ではなく“判断の習慣”で決まります。

  • 常に「今、一番やるべきことは何か?」と自問する癖
  • タスクを“緊急×重要”で瞬時に分類する癖
  • 「自分がやらなくていいこと」を手放す勇気

これらは、日々の意識次第で磨くことができます。

インバスケット思考を試すなら良い職場に身を置くことが大切。

今いる職場でインバスケット思考を試せそうにないなら、他の職場を見てみるのも手。

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優先順位を伝える力」が、チームを動かす力になる〜「全部急いで!」では誰も動かない〜


判断できても「伝えられない」と意味がない

これまでの項で学んできたように、
管理薬剤師・店長以上を目指すには「優先順位を見極める力」が不可欠です。

でも──
それだけでは不十分。

職位が上がれば上がるほど、必要になるのが
「他人に優先順位を伝える力」です。

  • 仕事の順番を伝える
  • 緊急性の理由を説明する
  • 任せるときに背景を共有する
  • スタッフを納得させて動かす

この「伝える力」こそが、現場を回し、信頼を得て、チームを育てるカギになります。


1. 薬局あるある:「全部やって」で全部崩れる

薬剤師の現場では、こんな光景がよく見られます。

  • 店長:「○○さん、これ今日中に全部お願い」
  • スタッフ:「えっ…どれからやれば…」
  • (結果)最重要だった仕事が後回しにされてトラブル発生…

また、別のパターンでは…

  • 管理薬剤師:「昨日のクレーム対応よろしくね」
  • スタッフ:「(何からすればいいの?誰に確認?いつまでに?)」
  • (結果)曖昧な伝達が原因で火種が再燃…

こうしたミスの多くは、
「優先順位の共有不足」が原因です。


2. なぜ「伝え方」が上司と部下の信頼を分けるのか?

上に立つ人の仕事は、
「決める」ことではなく「決めたことを伝えて、動かすこと」です。

優先順位の伝え方一つで、

  • スタッフが納得して動けるか
  • 結果が出るか
  • チーム全体の空気が荒れないか
    が大きく変わります。

伝達の失敗は、判断の失敗と同じくらい致命的。

だからこそ、伝え方は“技術”として磨く必要があるのです。


3. 管理職の伝え方に必要な「5つの要素」

優先順位を正しく伝えるには、次の5つを意識しましょう。

①【目的】なぜこれをやるのか

→「●●さんへの謝罪が最優先だから、先に電話をしてほしい」

②【優先順位】何が一番重要か

→「この3つのうち、これが最優先。残りは明日でもOK」

③【期限】いつまでに?

→「14時までに処理してもらえると助かります」

④【背景情報】なぜ急ぎなのか?

→「今日の15時に本部から確認が入る予定です」

⑤【フォロー】何かあればどうするか?

→「もし間に合わなそうなら、12時に一度教えてください」

💡 この5要素を盛り込むことで、指示は「タスク」から「納得感ある依頼」へ変わります。


4. 優先順位の「伝え方」よくあるNG例と改善例

❌ NG:指示が抽象的すぎる

「明日までにこのリスト、よろしくね」
→ 何が優先?どこまで?間に合わないと何が起きる?

🟢 OK例:

「このリストの中で、AとBだけを明日中にお願いします。午後には営業が使うので、14時までに仕上げられるとベストです」


❌ NG:丸投げ・責任放棄型

「クレームあったら、適当に対応しといて」
→ トラブルの再燃リスク・責任の所在不明

🟢 OK例:

「この件、まず○○さんに電話して状況をお詫びしてほしいです。内容確認したら、私に報告をください」


❌ NG:緊急性が伝わっていない

「今日のうちにやってくれればいいよ」
→ 「17:30くらいでいいかな」と判断されがち

🟢 OK例:

「本部へのメール送信が17:00なので、16:30までに確認してもらえますか?」


5. 忙しい中でも伝えるには「10秒テンプレ」

とはいえ、薬局の現場は常にバタバタ。
言葉を選ぶ余裕もない時がありますよね。

そんなときは、以下のテンプレを使って伝えるだけでも効果は絶大です。


🎯 10秒伝達テンプレ

「これ、〇〇(期限)までにやってほしい。理由は〇〇だから。難しければ言ってね、調整するよ」


例:

「この報告、今日の17時までに仕上げてほしい。上司から進捗確認が来るから。もし時間足りなそうなら、16時に一度教えて」

短くても、目的・期限・相談可能の余白を伝えることで、スタッフが自律的に動けます。


6. 任せ方を間違えると「全部自分でやる」地獄がくる

伝える力がないまま上に立ってしまうと…

  • 部下に任せられない
  • 指示が通らない
  • 自分でやった方が早い…となり
  • 最終的に「全部自分でやる」人に逆戻りします

管理職で最も大切なのは、
「仕事を正しく手放す力」=優先順位を“伝えて任せる”力です。


「伝える力」で人を動かす薬剤師へ

薬局という現場は、薬だけでなく
人が動くことで機能する組織です。

  • 判断力だけではなく
  • それを共有・任せる力を持った人

そんな人こそが、真に「管理職にふさわしい薬剤師」として評価されていきます。

あなたの次の1フレーズが、
チームのパフォーマンスも、自分の評価も変えるかもしれません。

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「優先順位を“育てる力”」が、次世代の薬局をつくる〜考える部下を育てる上司になる〜


「指示待ちチーム」から脱却せよ

薬剤師として管理職や店長以上のポジションを目指すあなたが、
本当にやるべきことはなんでしょうか?

答えは、単に「指示する」ことではなく、
「考えて動けるスタッフを育てる」ことです。

優先順位を自分で見極められるスタッフが増えると…

  • 上司は判断ではなく戦略に集中できる
  • トラブルが未然に防げる
  • 現場全体の判断スピードが向上
  • 組織全体のパフォーマンスが爆上がり

しかし現実は、多くの薬局でこんな悩みが…

  • 「指示しないと動かない」
  • 「なんでこの順番でやったの?」
  • 「忙しいと、とにかく順番がメチャクチャに…」

こういった悩みはすべて、
「優先順位を育てる力」が不足している証拠です。


1. なぜ“教える”だけでは育たないのか?

「こういうときはこれを優先しようね」
「この業務は重要だけど緊急じゃないよ」

──と、教えたはずなのに、

  • 忘れられる
  • 実践されない
  • 応用されない

これは、「知識として教えている」だけで、
自分で“判断する力”が育っていないからです。

つまり、優先順位は教えるだけでなく、「考えさせる」ことが必要なのです。


2. 「考えるスタッフ」を育てる3ステップ

優先順位を“育てる”には、次の3ステップが有効です。


✅STEP 1:まずは「判断軸」を共有する

いきなり「何が優先だと思う?」と聞いても、
軸がないスタッフは困惑します。

だから、まずは判断の“物差し”を渡すことが大事。

例)薬局でよく使う判断軸:

  • 緊急度(今すぐ/今日中/来週でもOK)
  • 重要度(患者への影響/店舗の信用/業務効率)
  • 他者依存度(自分で完結?他部署の対応が必要?)

📝 コツ:日報や朝礼で「この仕事は“緊急だけど重要ではない”」など分類して見せる。


✅STEP 2:「どっちを優先すべき?」を一緒に考える

部下にタスクが複数あるとき、上司がただ「これを先にやって」と言うだけでは育ちません。

代わりにこう聞いてみましょう:

「AとBがあるけど、どっちを先にやるべきだと思う?理由も聞かせて」

ポイントは:

  • 相手の“考え”を引き出す
  • すぐに正否を言わない(考える余地を残す)
  • 判断理由に着目してフィードバックする

例)

「Bを先にやるのは、確かに患者さんの待ち時間を減らせるね。でもAは本部から14時までに返信を求められてるから、今回はAを先にしよう。」

このように、“考える機会”と“理由の共有”をセットで行うことが、育成の鍵です。


✅STEP 3:「なぜそうしたか?」を問う文化をつくる

部下の行動に対して、ミスがあったときこそチャンス。

❌ NG:「何でこんな順番でやったの?」
🟢 OK:「どうしてこの順番でやろうと思った?」

こう聞くことで、

  • 怒らずに学びにつなげられる
  • 判断基準のズレを一緒に調整できる
  • 「考えていいんだ」と思わせる

⚠ 注意:正解を押し付けるのではなく、一緒に再検討する姿勢を大切に。


3. ケーススタディで練習する(ミニ・インバスケット)

店長やリーダーは、
定期的に“考える訓練の場”を用意することも効果的です。

たとえば──


🧠 ミニインバス ケース例:

10:00時点。今あなたの目の前に3つの仕事があります。

① 明日提出の在庫報告がまだ未入力
② 処方せんを持って患者さんが来局
③ 昨日クレームのあった患者から電話が入っている

Q. どの順番で対応しますか?理由は?


これを朝礼や1on1で使うことで、

  • 判断の質を見る
  • 優先順位の軸を言語化させる
  • リーダーとの視点のズレを見つける

など、日々の現場で思考力を伸ばせます。


4. 「考えさせる文化」が強い薬局を作る

優先順位を部下に委ねるのは、最初はリスクがあるように見えます。

しかし長期的に見れば──

  • 自律したスタッフが育つ
  • 管理職の負担が激減
  • 異動や欠勤にも強いチームになる

つまり、
「任せること」=「未来への投資」です。

判断ミスがあっても、即否定するのではなく、
「なぜそう判断したか」を一緒に整理する。

そんな“考える文化”を育てることが、
あなたが真のリーダーとして信頼される礎になります。


おわりに:あなたの判断力は、次世代に伝えてこそ本物になる

優先順位を「自分で判断し、伝え、任せ、育てる」。

これができる人は、もはや管理薬剤師ではなく、
組織の未来を担う“マネジメント人材”です。

これからの薬局は、処方せんの数ではなく、
考える人材の数が成長のカギを握ります。

あなたが今日伝えた一言が、
部下の未来の判断力を育てるかもしれません。


🧭 最終まとめ|「優先順位で昇進する薬剤師」6つのマインド

視点キーワード
第1項自分を変える判断力が出世を決める
第2項思考の武器を持つインバスケット思考
第3項業務を見える化優先順位マトリクス
第4項手放す勇気任せ方・委任力
第5項人を動かす優先順位の伝え方
第6項育てる力判断力を引き継ぐ

そしてさらにキャリアアップしていきたい人にとって、色んな職場を経験してみることは必須の項目です。

今の職場以外にどんな職場があるのか、まずは外の世界を見てみることから始めてみましょう👇

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