2025年末の結論を見据えて議論が加速している「OTC類似薬の保険適用見直し」。
ロキソニン、アレグラ、PL顆粒など――日常的に処方する薬の多くが対象です。
この記事では、TBS NEWS DIG の報道内容をベースに
- 制度が変わると薬局現場はどうなる?
- 在宅・外来に負担は?
- DRG化(包括化)にも連動?
- 「この変化に備えて転職すべき薬剤師の特徴」
- 今から年収・キャリアを守るための動き方
まで、薬剤師に必要な視点に落とし込んで解説します。
最後に、ドラッグストア薬剤師のキャリア防衛に強い転職サイトも紹介します。
制度改革が続く今、情報収集のスピードがキャリア格差を生みます。
まず「OTC類似薬」とは何かについておさらいです。
- OTC(市販薬)とほぼ同じ成分
- しかし医療用医薬品として処方されている薬のこと
つまり、市販薬とほぼ同じ成分でも“医療用扱い”の領域の医薬品のことです。
具体例は以下の通りです。
- ロキソニン(ロキソプロフェン)
- アレグラ(フェキソフェナジン)
- PL顆粒
- 各種かぜ薬
当然ながら、タミフルや高血圧薬などは対象外です。
日本で流通する約3万品目のうち、7000品目がOTC類似薬と言われており、市場規模は約1兆円。
これは国内医療費全体の約8%に相当します。
2|保険適用外になるとどうなる?
病院での薬代は3〜4倍に、しかし市販薬よりは安い
これらが適用外になるとどうなるのでしょうか?
ざっくり言うと、病院での薬代は3〜4倍に、しかし市販薬よりは安いということになります。
以下、厚労省試算です。
| 薬剤 | 現行(保険3割負担) | 保険適用外になると |
|---|---|---|
| ロキソプロフェン錠 4日分 | 36.4円 | 約121円 |
| フェキソフェナジン 14日分 | 87.4円〜 | 291.3円〜 |
| 非ピリン系感冒剤 8日分 | 46.8円〜 | 156円〜 |
「高くなるが、市販薬よりは安い」という独特の価格帯になります。
導入による削減効果はなんと8500億円。
医療費48兆円の中で、明確に“狙いやすい領域”なのがOTC類似薬です。
ただしその一方で、
- 軽症患者がOTCへ流れる → 医師・薬剤師の服薬指導責任が増す
- 逆に「市販薬じゃ不安」で外来に残る層も一定数いる
- 生活保護・低所得・慢性疾患の扱いは複雑化
- 病院は外来収入減で経営悪化 → 薬剤師の雇用環境に響く
- 調剤薬局は「長期収載品の減算」「在庫リスク増」などダブルパンチ
制度は患者負担だけでなく、薬剤師の働き方・給料・評価軸にも直撃します。
ここからは、薬剤師が知っておくべき“現場の変化”についてです。
特に影響を受けるのはドラッグストア・薬局の薬剤師です。
制度改革はあくまで“国の財政都合”。
現場では次のような変化がほぼ確実です。
▶ 軽症外来の処方数が大幅減
痛み止め・花粉症・感冒など、生活習慣レベルの処方が激減します。
→ 外来の処方箋枚数が減り、薬剤師のシフトが削られやすくなる。
▶ OTC販売に薬剤師の品質がより強く求められる
「市販薬じゃ不安」という層に対して、薬剤師が医療者としての説明責任を担う場面が増加。
特にドラッグストアでは
OTC販売 × 健康相談 × 服薬リスク評価
がより重視され、「薬剤師である価値」が評価される方向へ。
▶ 在宅部門はむしろ伸びる
OTC化で軽症が外来から抜けると、残るのは
- 慢性疾患
- 高齢者
- 重症化リスク層
在宅依存の流れはむしろ強まります。
制度改革は“薬剤師の職場格差”を拡大します。
年収・キャリアの未来が変わる転職タイミングになるでしょう。
このOTC見直しは、薬剤師業界にとって、
「転職市場の大きな波」になる可能性が高い制度改革
です。
✔ 外来メインの調剤薬局は処方箋減少で評価が下がりやすい
✔ ドラッグストアはOTC+医療知識の二刀流で評価が上がる
✔ 在宅強化薬局はむしろ追い風
✔ 企業×薬剤師(DI・CRC・医療DXなど)へ流れる人も増加
つまり、
今後5年、薬剤師のキャリアは“選んだ職場”で大きく差がつく
そんなタイミングに来ています。
どんな薬剤師が“今すぐ転職活動”すべきでしょうか?
次に該当する人は、制度改革の影響を最も受けやすい層です。
✖ 外来処方せんに依存している薬局勤務
OTC類似薬の外来減少は直撃で、
- 薬剤師削減
- パート時給カット
- シフト減少
が起こりやすいです。
✖ OTC販売に苦手意識がある
今後は、
「薬剤師ならではのOTC提案力」
が強く求められるため、苦手な人は評価が伸びないでしょう。
✖ 在宅スキルがない
在宅需要がさらに増えます。
在宅未経験者は取り残されやすい。
逆に“キャリアが伸びる”のはどんな薬剤師でしょう?
◎ OTC販売が得意なドラッグストア薬剤師
◎ 在宅・多職種連携ができる薬剤師
◎ 健康相談・一次対応が好きな薬剤師
◎ デジタル(電子薬歴・データ活用)に強い薬剤師
制度改革後は「薬剤師にしかできない仕事」に評価が寄ります。
今のうちにやるべきキャリア戦略の最適解は、
「情報収集だけでも、転職サイトに登録しておく」
ことです。
制度改革は突然やってくるものではありません。
しかし、発表されたときに動くのでは遅い。
薬剤師の転職市場は、制度改定前後で求人が激変します。
- 高年収求人は“早い者勝ち”
- 制度改革で市場が動いた瞬間に新着求人が届く
- 自分の市場価値を把握できる
- 年収交渉をプロに任せられる
- 今の職場にいるリスクを可視化できる
情報収集だけでも、登録の価値は大きいです。
▶ ファルマスタッフ
👉 調剤薬局特化・教育体制の良さで業界トップクラス
- 大手調剤チェーンとの提携が強い
- 派遣・パートなど働き方の選択肢が多い
- 職場見学や内部情報の提供が丁寧
- 教育体制の良い薬局の紹介に強い
調剤薬局で安心して働きたい人、環境重視の人に最適。
▶ レバウェル薬剤師
👉 年収UP+スピード転職に強い“即戦力型”
- 求人数が多く比較しやすい
- 年収交渉が強く、収入UP実績が豊富
- 対応が早く、最短で内定まで進める
- 大手チェーン〜病院〜企業まで幅広い
「早く転職したい」「年収を上げたい」薬剤師におすすめ。
▶ ファルメイト
👉 派遣・高時給案件に強い“働き方自由度No.1”
- 派遣薬剤師のサポートが非常に厚い
- 時給3,000円以上の案件も多数
- 単発・短期・Wワーク可能
- ワークライフバランスを調整しやすい
「今の収入を増やしたい」「週3勤務で働きたい」方に最適。
OTC類似薬の見直しは、薬剤師キャリアの転換点となります。
今回の議論は単なる「薬が保険外になる話」ではなく、
薬剤師の働き方が大きく変わる節目です。
- 外来中心の薬局は処方減少で厳しくなる
- OTC・健康相談の価値が上がる
- 在宅需要が増える
- キャリア格差が広がる
制度改革は避けられません。
だからこそ、
“動いた薬剤師だけが”キャリアと年収を守れる
まさにそんな時代に突入しています。
「今の職場でこのままでいいの?」と思った瞬間が、行動すべきタイミングです。
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